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2021年2月第1週 HUAWEIのHarmony OSは,Androidのリブランド?

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HUAWEIのHarmony OSは,Androidのリブランド?

トランプ前政権下では,中国のHUAWEIに対して,最先端技術などの輸出規制を行なってきました。

この制裁を受けて,HUAWEIのスマートフォンやタブレットには,Google Mobile Service(GMS)が搭載できず,同社の端末ではPlayストアからアプリがダウンロードできなかったり,GmailやGoogleカレンダーアプリが使えないのはご存知のとおりです。

バイデン政権下でも同じスタンスで状況は変わりがなく,ReutersがHonorブランドに続き,MateおよびPシリーズのブランドも投資会社へ売却すると報道しています。

魅力的な端末作りは変わらず

とは言え,HUAWEIは魅力的な端末を作り続けています。たとえば,2020年10月に発売された「Mate 40 Pro」は,SoCにKirin 9000を採用し,5,000万画素の広角,2,000万画素の超広角,1200万画素の光学5倍,デジタル50倍の3眼カメラを搭載,さらにペン入力にも対応するハイスペックな端末です。残念ながらこの端末は,国内展開されておらず,HUAWEI P40 lite 5Gのみが展開中です。

スマートフォンが行きわたった今の時代,よくできたハードウェアだけではスマートフォンは成立しません。HUAWEIは,独自アプリをストア「AppGallery」を搭載していますが,同社の端末では当然のように使えていたサービスやアプリが使えず,不便を強いられる可能性があります。となれば,よほどの理由がない限りHUAWEIの端末を選ぶ理由はなく,ユーザは徐々に離れて行っている状況です。

着実に開発が進むHarmony OS

2019年8月に,HUAWEIの独自OS「Harmony OS」を発表しています。

これは,Googleのエコシステムが使えることが理想としながらも,Androidが使えなくなった場合の戦略として開発が進められています。2020年12月には,Harmony OS 2.0のベータバージョンを公開しており,自社戦略を着実に進めていることがわかります。

Harmony OS 2.0の発表時点で「おそらく来年から」スマートフォンに搭載すると語られているので,今年中にはHarmony OSを搭載したスマートフォンが登場することになるはずです。スマートフォン用OSは,iOSとAndroid以外の選択肢がない状況が続きましたが,ひさしぶりに「第3のOS」が登場します。

これまでの第3のOSと違うのは,推進するHUAWEIがOSの開発力と同時に,端末を開発できる力を持つところです。また,現代のスマートフォンには必須となっている,アプリ配信サービスなどのエコシステムも自前で構築して運用中です。

たとえば,第3のOSとして登場した「Firefox OS」は,OSが先行して立ち上がりました。開発していたmozillaは,端末を開発しないので初期段階ではAndroid端末のROMを書き換えて動かしていました。のちに,専用端末とストアも登場しましたが,ハード,ソフト,サービスの3本柱の歩調がうまく噛み合わず,登場から5年の2016年にmozillaが商用デバイス開発から撤退します。

HUAWEIは,いずれも自身の力で進められるので,華々しく散っていったOS達とは異なります。

Harmoney OS 2.0はAndroidがベース?

その3本柱の1つ「Harmony OS 2.0」は,AndroidをベースにしたOSではないかという記事をXDA developerが公開しています。

この記事では,Android 4.4をターゲットにしたシンプルなアプリをAndroidとHarmoney OSで実行して比較しています。アプリの挙動が両環境で似ており,表示メッセージにAndroidの文字は無いものの酷似していることを指摘しています。

また,ADBを使ってHarmoney OSを搭載する端末にアクセスできることを確認し,端末にはAndroidのフレームワークが含まれていることを確認しています。

これらを根拠にして,Harmoney OSがAOSPのリブランドではないかと結論づけています。HUAWEIからはAOSPに関する言及はありません。もしかすると,リリース版の時に触れるのかもしれません。

今は,GMS搭載のAndroidと離別するステップなので,Androidをベースにすることで,ユーザおよび開発者が持つ資産を少なからずとも活かせると考えての選択であれば,理想論だけでなく,自身が置かれている立場を理解した,現実的な選択と言えるかもしれません。

今週は,このあたりで,また来週。

著者プロフィール

傍島康雄(そばじまやすお)

5月30日生まれ。

モバイルデバイスが大好物。それで動くアプリの開発に喜びを感じている。スマートフォン前夜のWindows Mobile,PalmOSのアプリに情熱を傾けていたが,最近は停滞気味でコードを書くよりも文章を書く機会が多くなっており,文章を書くのも,プログラミングと同じくらい奥深い作業だと感じている。

ブログ:http://yasuos.com/blog/