GoogleがAndroidタブレットにテコ入れ
Appleの発表会で、M1チップとミニLEDディスプレイ搭載のiPad Proが発表されました。ミニLED搭載の12.9インチ iPad Proは、12万9,800円(税別)です。価格だけの比較をすると、Amazon Fire 7は5,980円から購入できるので差は20倍です。これだけの差があると、これらを同じタブレットとひとくくりにできない状況です。
こうしたタブレットが登場する背景はコロナ禍の影響もあります。
新型コロナウィルスの影響で、Androidタブレットの使用量が19年と比較して30%以上も増加し、販売額もSamsungが60%増、Lenovoは134%増しているとされています。
Androidタブレットは、長らく大きなへ変化がない状態が続いていましたが、こうした背景を受けてテコ入れがされることになりました。これは、タブレット向けのユーザインターフェースを搭載した「Android 3.x Honeycomb」以来の変化です。
Entertainment Spaceが登場
そのテコ入れは「Entertainment Space」と呼ばれる機能の実装です。
これは、Google TVやFireタブレットのホーム画面のようにコンテンツが中心として扱われて、コンテンツが探しやすくなり、趣味嗜好にあったコンテンツをレコメンドします。
Entertainment Spaceは、ホーム画面から画面を右にスワイプすることで呼び出せます。この操作で表示された画面には、Watchタブ、Gameタブ、Readタブに分けられます。Watchタブは、Google TVやYouTubeのおすすめ動画、視聴中の動画が表示されて簡単に再開できます。Gameタブは最近遊んだゲームが表示されて、最後のReadタブには、電子書籍やオーディオブック用のスペースでGoogle Playブックが統合されます。
Googleは、動画や映画配信、ゲーム、電子書籍、ポッドキャストを扱うサービスは手掛けていますが、コンテンツを中心に据えてアプローチできるプラットフォームはGoogle TVだけでした。今後は、Androidタブレットでもコンテンツを中心に楽しめ冒頭できる環境が整うことになります。
これが使えるのはウォールマートの「Onn」の一部だけですが、年内めどでLenovoやシャープから販売されるタブレットも対応予定となっています。
足がかりを掴めたのか?
Googleもタブレットを販売していた時期があり、とくに2世代続いたNexus 7は人気を獲得していました。
Pixelシリーズへブランド移行後、2018年にPixel Slateを発売します。
このころのAndroidタブレットは、ユーザ獲得の足がかりを掴めない状況が続いたので、Pixel SlateではChrome OSにバトンタッチするアプローチが取られました。しかし、Pixel Slateは、日本で発売されることなく1世代で終わり、この後はタブレット開発から撤退し、Googleはタブレットを手掛けていません。
Googleを外野から見ると、新しい製品を世の中に問うてみるものの早い段階で見切りをつけるか、飼い殺しにする傾向があるように見えます。今回発表されたEntertainment Spaceも良い評価が得られなければ、同様に扱われる可能性もあります。
しかし、これまでと違うのは、自社サービスとこれらで扱うコンテンツをユーザに対してわかりやすく届けることで、結果、自社サービスを深くユーザに浸透させる機会が得られるとも考えられます。
発表のブログエントリがPlayストアのマネージャーの名前になっており、OS開発と主幹が異なっているのが気になりますが、永続的に開発されることを期待します。
Pixel Tabletへの期待
Androidタブレットに、少し明るい未来が見えたようにも感じています。
しかし、3万円台のAndroidタブレットの多くはコストを優先で、粗雑な作りものがあり、目利きが出来ないと外れの端末を購入する可能性があります。そこで、あらためてGoogleがタブレットを手掛けることになれば、ユーザはコンテンツ消費のために、安心してAndroidタブレットを選べます。
携帯電話と同様に、改めてAndroidタブレットの形をGoogleが示すのには、今は悪くない時期にあると考えます。Google I/Oで、新たな発表される期待してます。
今週は、このあたりで、また来週。