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この秋発売のPixel 6シリーズは,Pixel 4以来のハイエンド端末ではなく,Google独自チップの「Google Tensor」が搭載されることで注目を集めています。秋の発売にもかかわらず,すでに専用ページが用意されています。
Googleの力の入れようもこれまでとは異なり,Google Tensorが独自チップであることにちなみ,Pixel 6本体カラーと同じカラーのパッケージに入ったのポテトチップをプレゼントするキャンペーンを行いました。初回は1万袋先着順応募で行われ,1時間足らずで条件に達したそうです。
大反響を受けて1,000袋を追加するキャンペーンが行われ,2021年9月17~30日まで期間中の応募者の中から抽選となっています。初回を逃した方は,運試しをしてはいかがでしょうか?
SamsungとHUAWEIが独自チップでは先行
独自チップと言えば,最近ではAppleのM1チップですが,Androidでは古くからSamsungとHUAWEIが独自チップを設計・製造して,自社のスマートフォンに搭載しているので見ていきます。
Samsung Exynosシリーズ
Samsungの独自チップは「Exynos」の名前が付いており,2010年のExynos 3 Singleから続いています。最新は「Exynos 2100」で,自社のGalaxy S21シリーズに搭載されています。
そのGalaxy S21は,販売地域ごとで搭載チップをExynos 2100とSnapdragon 888を使い分ける面倒なことをしています。この理由は,マーケティング上なのか製造上なのかわかりませんが,国内向けのGalaxy S21はSnapdragon 888が搭載されています。
Exynos 2100は,1×Cortex-X1 2.9GHz,3×Coretex-A78 2.8GHz,4×Coretex-A55 2.2GHzの8コアで構成されています。Snapdragon 888は,同じコア構成で動作クロックが異なり,順に2.84GHz,2.4GHz,1.8GHzです。
Exynosは,自社工場で製造が行われておりExynos 2100は5nmプロセスで製造されています。
HUAWEI Kirinシリーズ
HUAWEIの独自チップは「Kirin」の名前が付けられており,前身のK3まで辿ると2008年発表なので,SamsungのExynosよりも歴史があります。
Kirinは,HUAWEIのスマートフォンに搭載されています。これは,外販されているのかHUAWEI以外の端末に搭載しているのを見かけます。
Kirinシリーズは,HUAWEI傘下のHiSiliconが設計し,製造は台湾のTSMCが担当していました。最新は,HUAWEI Mate P40シリーズに搭載されている「Kirin 9000」です。これは,1 x Cortex-A77 3.13GHz,3 x Cortex-A77 2.54GHz,4 x Cortex-A55 1.86GHzの8コアで構成され,5nmプロセスで製造されています。
気付いた方もいると思いますが,Exynos 2100と比較すると古いアーキテクチャが使われています。これは米国政府の制裁が要因で,SoC設計に必要なアーキテクチャを提供するARMと取引できないためです。製造は,制裁発動前の駆け込みでTSMCに発注しており一定数確保したと言われていますが,現在はTSMCとも取引を停止しています。
次期フラッグシップ スマートフォンへの搭載するKirinチップは,Samsungが製造するとの話も出ていましたが,HUAWEIは中国の武漢にチップ生産施設を設立して,2022年より生産を開始する計画を持っているようです。
独自チップごしに見る端末のレベル
独自チップを使うことで設計の自由度が増すので,ユーザの利用に特化した特徴色が強い端末に仕上げられます。これをするには,技術力だけでなく資金力も必要となるので数あるメーカーの中でも,SamsungとHUAWEIに加えてGoogleに限られています。いずれもレベルの高い端末を開発しており,こうした目線で端末を選ぶのも面白いです。
今週は,このあたりで,また来週。