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2021年10月第3週収穫の秋、AOSP版のAndroid 12がリリース

収穫の秋、AOSP版のAndroid 12がリリース

Android Open Source Project(AOSP)版のAndroid 12が公開されました。

いよいよ、Android 12が我々の手元にやって来ます。例年からすれば少し遅いリリースなので、過去のAndroid OSのリリース日を確認すると以下のようになっています。

  • Android 11 2020年9月8日リリース
  • Android 10 2019年9月3日リリース
  • Android 9 2018年8月8日リリース

Android 12と同じ10月リリースは、Android 6.0 Marshmallowまでさかのぼります。

これまで、8月から9月にリリースされていたのは、この後に控えているホリデーシーズンも考慮してだと思いますが、今年はリリースが遅れたのでAndroid 12を搭載して登場する新たなデバイスは、10月20日の午前2時(日本時間)に発表が行われるGoogle Pixel 6シリーズだけになる可能性はあります。

アップデートの提供は数週間以内

アップデートの早いPixelシリーズでも、数週間以内のリリースと言われています。

ASUSやONEPLUS、OPPO、Xiaomi、readmeなどAndroid 12ベータプログラムの対象となっているデバイスメーカは、比較的早い段階でアップデートが実施されると思われます(2021年中に、アップデートを提供とするデバイスメーカもあります⁠⁠。

デバイスメーカがAndroid 12をリリースするために、どのような作業を行っているかといえば、AOSP版のAndroidをベースにして自社のデバイスで動作確認し、必要であれば最適化や独自カスタマイズ部分の対応作業を行います。これが終われば、既存デバイスのアップデートとして提供したり、新たなデバイスに搭載されて発売します。

デバイスメーカの独自カスタマイズとは

デバイスメーカの独自カスタマイズは、ソフトウェアオーバーレイと呼ばれることがあります。これは名前から想像できるほど単純なものではなく、ユーザビリティ向上のためやシステムリソース消費の削減の為に、OS全般的に渡り手を入れてカスタマイズしているデバイスメーカがあるのでご紹介します。

Samsungは、独自の考えやノウハウを具現化した「One UI」をGalaxyシリーズに搭載して、これがらしさを表す要素にもなっています。すべてではありませんが、One UIに搭載された機能がAndroidに取り込まれることもあるので、先進的な機能をいち早く試したいユーザも試す価値があります。

最新のOne UIは3.1.1で、Galaxy Z Foldなどの折りたたみスマホを対象とした機能追加がされました。Android 12をベースのOne UI 4.0は、ベータテストが行われており最新版はベータ2です。

Xiaomiのデバイスにも同社の考えを具現化した「MIUI」を搭載します。

MIUIのファーストリリースは2010年8月なので今年で11年目です。Androidは13年目なので、MIUIは、Androidの歴史とともに進化してきたことになります。

当初のMIUIはカスタムUIという位置付けでした。現在もこの側面を強く残してはいますが、MIUI 12.5では、システムUIを書き換えたことで、メモリ使用量を20%、CPUの使用率を22%、電力消費を15%削減しています。他、独自のノートアプリを搭載したり、いままでアンインストールできなかったシステムプリがアンインストールできるようにもなりました。

Xiaomiのデバイスは操作のほとんどを記録して、ユーザの許可なしにアリババのサーバに送信しているとセキュリティ研究者に指摘されたことがありました。他、アメリカがトランプ政権からバイデン政権に移行したタイミング(2021年5月)で解除されていますが、Xiaomiはアメリカの防衛ブラックリストに追加されていました。これは、HUAWEIとは違い敵対国の軍事企業として認定するものです。

こうしたこともあってか、MIUI 12ではユーザのプライバシー保護を強調しています。いまや個人情報の取り扱いは、グローバル展開するうえでは重要な要素となっているので透明性が高まるのは良い流れです。

今週は、このあたりで、また来週。

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