Googleは、新しいタブレット「Pixel Tablet」の開発に取り組んでいる可能性があるとLetsGoDigitalが報じています。
この新タブレットは、日本の特許庁に申請された内容により明らかになりましたが、承認はされませんでした。デザインに関わる特許のために、デバイスのスペックはわかりません。そのデザインに関しては、ベゼルの狭いフルスクリーンタイプで丸みを帯びた本体は非常に薄いとされています。
Googleは、2018年に発売した「Pixel Slate」を最後にタブレットを開発していません。Pixel Slateは、Chrome OSを搭載するタブレットでしたが、Androidを搭載したタブレットは2015年に発売した「Pixel C(国内未発売)」まで遡ります。
このPixel Cは、アクセサリとして発売されたBluetooth接続の外付けキーボードを使えば、クラムシェルのノートPCのような外観になり、これの代替えとして提案されました。しかし、当時搭載されていたAndroid 6.0 Marshmallowが、デスクトップOSの代替えとなるほど成熟してたわけもなく時期尚早の提案でした。
こうして振り返るとGoogleのタブレットは、空振りの連続に見えますがそんなことはありません。
2012年発売の7インチディスプレイ搭載の「Nexus 7」は、Appleを動かすほど一斉風靡したタブレットで、これがなければiPad miniが登場しなかった可能性があるほど多方面に影響を与えた端末でした。
しかし、2018年頃からタブレットの価格競争が激化したことで、Googleが開発するハイエンドタブレットへの関心が低くなったのと、スマホが大型化し始めたタイミングとも重なり、Googleはタブレットの製造から撤退することになります。
Pixel Tablet登場の兆しが見えた?
Pixel Cは、ハードウェアは良い評価を得ていましたが、ソフトウェアが期待外れとの評価でした。Pixel SlateでChrome OSに変更しても、Pixel Cと似たような評価で多くのユーザには受け入れられませんでした。
方向性が定まらず、迷走しているかのように見えるGoogleを尻目に、タブレットこそが次世代のパーソナルコンピュータとの確信を持ち、専用OSを与えるまで手をかけたAppleは一人勝ちとなります。
冒頭でも触れたように、Googleがタブレットを試作しているのであれば、大型ディスプレイに最適化されたAndroid 12Lを搭載するタブレットで再チャレンジするのかもしれません。しかし、「Android 12L搭載のタブレット」だけでは、歴戦のタブレット達と同様の道筋を辿るはずです。また、Pixelシリーズのカメラをタブレットに持ち込んで、お茶を濁すのもしらけます。
Pixel CやPixel Slateを振り返れば、タブレットとしてのソフトウェアの最適化がキーポイントなのは間違いありません。Android 12Lを見る限り、筆者は弱いと感じていますが、Googleがどこまで最適化するか見所にはなります。
Pixel Foldは発売されないかも
一方、開発中で早ければ年内に発売されると言われていた、折りたたみスマホ「Pixel Fold」は開発が中止されて、市場投入がキャンセルされたと言われています。
これは、ディスプレイ業界の情報に詳しいとされるRoss Youngs氏が「Pixel Fold用の関連部品の注文がキャンセルされたので、Pixel Foldは市場投入されない」としたツイートが発端です。
別視点では開発中止の理由を「折りたたみスマホは急速に拡大していると言えど、折りたたみスマホのユーザ数は少なく、市場規模が小さいので、いまのタイミングで端末を投入しても、先行するSamsung等と小さな市場を取り合うことになる」とされています。
今年は、オリジナルSoC「Tensor」を搭載するPixel 6シリーズで、ハイエンドスマホへの復活したので、今後、Googleから登場するデバイスはAndroidの向かう先を指し示すものになると考えてましたが、こうした考え方はないようにもみえます。
今週は、このあたりで、また来週。