RISC-VのCPUを搭載するXuanTie C901ボード上で、Android 10が動作している短い動画をTwitterにSipeed(@SipeedIO )が投稿したことで話題になっています。
ツイートでは「RISC-V 64bitチップでAndroid 10が動作していること、翌年(2022年には)スマートフォンが登場する」と書かれています。このツイートは、ニュースサイトにも取り上げられて、NOTEBOOK CHECKでは「First RISC-V smartphones could launch in 2022」と題して、RISC-Vを搭載する最初のスマートフォンが2022年にも登場する可能性があるとして報じています。
NOTEBOOK CHECKの記事では、2022年のリリースをほのめかしているが、チップ不足が続いているので2023年になる可能性があること、ツイートしたSipeed (@SipeedIO)によれば、Snapdragon 662/663に匹敵するパフォーマンスにするだろうと述べていることが書かれています。
今回の事例のように中国勢がRISC-Vを使ったシステムに積極的な理由は、HUAWEIが米国の制裁を受け急速に勢いを失った状況を傍目に、明日は我が身と言わんばかりに、自立の道を確保する将来に備えた準備を進めているのかもしれません。
RISC-Vは身近で動いているかもしれない
RISC-Vは、お掃除ロボットやIoTには中国の「Espressif Systems」が製造するRISC-Vチップ「ESP32」シリーズの採用実績が多くあります。
少し変わり種では「M5Stack」小型のマイコンモジュールも発売されています。
これは、モジュラ構造でいろいろなデバイスを組み合わせることができ、プロトタイプ機が早い段階で作れることがウリになっています。
他には、Wi-FiやBluetoothのコントローラ用チップでRISC-Vが採用されている例があるので、すでに身近なところで使われています。
冒頭でも触れたようにスマホやタブレットへの搭載はこれからです。
しかし、今年1月にSipeed(@SipeedIO)が使ったボードを開発するXuantie社がXuantie 910(16コア, 2.5GHz)を搭載するボードでAndroid 10がスムーズに動作すると発表しています。これから、1年も経たずで動作するAndroid 10の動画が公開されているので、RISC-Vを使う動きは、かなり早いテンポでい進んでいると見れます。
かつてはMIPSが使われたこともある
RISC-V搭載端末には期待が募りますが、他のCPUはどうなのかを見ていきます。
Android OSは、CPUアーキテクチャへの依存をできる限り減らす設計となっているために、Androidが立ち上がった頃は現在主流となっているARM以外にも、MIPSやx86のCPUを搭載する端末がありました。
MIPSを搭載した端末が登場したのは2021年ごろで、Android 4.0搭載のタブレットは「NOVA 7 Paladin」でした。これに搭載されたMISPは、中国のIngenic Semiconductorが製造したものでした。
他メーカの端末も存在しましたが、エントリモデルが主流でした。
筆者は、もの珍しさも手伝ってNOVA 7 Paladinを入手しましたが、当時はMIPS用にビルドされたアプリが少なく、アプリ不足で実用レベルでなかった印象が残っています。本連載でも激安タブレットとして取り上げてました。
x86は、搭載端末を見かけることが少なくなりましたが、Google純正の端末では、Android TVの「Nexus Player」にIntel Atomが搭載されていました。
x86のAndroidは、現在もオープンソースでメンテナンスが続けられており、android-x86.orgからバイナリが入手できます。
2021年6月23日に公開された最新版は、Android 8.1がベースになったものです。Android 8.xであれば、現役でなんとか使えるレベルなので、古いPCにインストールして、新たな活用方法として検討してみるのも良いかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。