はじめに
エンジニアとしてのスキルアップには,技術力の向上が欠かせません。では,どうやって技術力を向上すればいいでしょうか。
ここでは開発スタイルとは少し離れて,エンジニアがエンジニアとしてスキルアップするためにどういうことが大事なのかを考えてみたいと思います。
大きな勘違い→「技術に慣れる=技術力が上がる」
筆者は採用面接でいろんなエンジニアの方とお会いする機会があるのですが,同じ分野,同じ勤続年数のエンジニアでも技術力に雲泥の差があることが,しばしばあります。なぜこのように差がついてしまうのでしょうか。この差には明らかな傾向があって,技術力の低いエンジニアは会社の中の技術しか知らないのに対し,技術力の高いエンジニアは外からたくさんの情報を得ています。
会社内でのやり方だけをマスターするというのは技術に慣れているだけで,理解できるようにはなってません。技術を中からしっかり理解しないと応用力がなくなり,少しパターンが変わっただけで対応できなくなります。このままではどんなに長い期間働いていても,いつまでたっても技術力が向上しません。自分の技術力を向上させる1つの方法が,オープンな活動を行うことなのです。
オープンな活動とはどのような活動のことを指すのでしょうか。代表的なものには,ブログ,OSS,勉強会,コミュニケーションツールがあります。以下では,順番に説明していきます。
ブログを書く
ブログはおそらくほとんどの方が知っているかと思います。日々の勉強記録を書き綴ってもいいですし,ちょっとしたメモ置き場にしてもかまいません。見ているユーザが少なくても気にしなくて大丈夫。継続することが最も重要です。
ブログを書くことを続けていくと,少しずつ周りからの反応が返ってくるようになります。外の人からの刺激をもらうことで,新しい気づきがあり,自分の技術力も少しずつ向上していくでしょう。
OSSに参加する
OSSとはオープンソースソフトウェアの略で,ソースコードが公に解放されているソフトウェアのことを指します。 OSSの参加者には,純粋に技術が好きで,仕事としてではなく趣味で開発に参加されている方が多くいます。このようなOSS開発者の技術力は非常に高く,ソースコードも公開されているので,ソースコードを読むだけでも非常に勉強になります。
まずは自分の興味のあるOSSに開発に参加してみるといいでしょう。参加するといっても,別にプログラムを書く必要はなく,たとえばドキュメント書きなどは慢性的に不足しているので,手伝うと非常に喜ばれます。 OSSの開発に参加することで,自分自分の技術力の向上につながりますし,何より技術の発展に寄与することにもなります。自分の作ったものが,世界中のたくさんの人に使われるのは技術者冥利に尽きます。
勉強会に参加する
各地でさまざまな技術に関する勉強会が開催されています。まずは自分の興味のある分野から参加してみましょう。勉強会で取り上げられる内容も非常に参考になるのですが,勉強会の後に開催される懇親会にもできるだけ参加することをおすすめします。実際にいろんな方と話をすることで,いろいろ新しい知識を得ることがたくさんあります。
Googleカレンダーを使ったIT勉強会カレンダーというのがあります。ほぼすべてのIT勉強会が網羅されてるのではないかというぐらい充実した内容になっています。ここで参加したい勉強会を探してみましょう。
コミュニケーションツール
エンジニアはいろいろなツールを使ってコミュニケーションをとっています。これらのツールを使って,他のエンジニアといろいろ情報交換しましょう。コミュニケーションツールはいろいろありますが,いくつか代表的なものを紹介しておきます。
twitter
最近はやっているのが,twitterという海外のサービスです。 twitterは何気ないことをつぶやくという,一見何がいいのかよくわからないサービスですが,twitterによるコミュニケーションが非常に活発に行われています。筆者もtwitterをかなり活用しています。最初はよくわからなくても,自分と分野が近そうな方をフォローしてみましょう。少しずつ楽しさがわかってくるかもしれません。
SBM(ソーシャルブックマーク)
Web上にブックマークを登録することができるサービスをSBM(ソーシャルブックマーク)と呼びます。日本だとはてなブックマークがメジャーです。自分が気になった記事や,おもしろそうな記事をブックマークしているユーザをお気に入りに登録したりしてみましょう。他の人のブックマークを見ることで,いろいろな情報を得ることができるようになります。
まとめ
エンジニアとしてスキルアップするには下を見ていてはだめです。外の世界にはスキルの高いエンジニアがたくさんいます。上を見て,日々の技術力の向上を怠らないようにしましょう。