タッチパネルでの文字選択は難しい
たとえば、メールを書いているときに受信メールの一部をコピーしようとして、文字列の選択の難しさにストレスを感じた方も多いのではないかと思います。
Androidケータイでの文字列選択は、編集エリアの長押しで表示される「テキストを編集」のメニューから「すべて選択」を選択して文字列を選択します。すべての選択は、コマンド一発で簡単なのですが、部分的に選択しようとすると、選択したい部分をドラッグする必要があります。これが、確実に操作するのが難しく、欲しい範囲だけ選択した後編集コマンドを実行するのは至難の業です。
Android 2.3からは、文字列選択機能が追加されたので、それ以前と比較すれば楽に文字列選択肢ができるようになりましたが、それでも物理キーボードのカーソルキーを使った文字列選択と比較すると、タッチパネルを使った文字列選択は、難しいと感じている方が多いかと思います。
不便に感じている開発者が多いのか、アプリ側で独自に文字列選択機能を実装しているケースやFSKARENのように日本語入力ソフト側で実装しているケースがあります。日本語入力ソフト側で実装されていると、アプリを問わず使うことができます。
カーソルキーボードの操作方法と使い勝手
FSKARENのカーソルキーボードを使うには、日本語入力のパネルを表示して、キーボードと矢印、ペンが表示されているアイコンを長押しするか右へフリックします。文字入力に戻るには、左下にある「戻る」をタップします。
操作方法は、物理キーボードを使った操作と同じ感覚です。
たとえば、文字列を選択してコピー、その後、貼り付ける場合は、カーソルキーを使って目的の位置までカーソルを移動します。文字列の選択は、カーソルキーの中央にある「範囲選択」をタップします。これで文字選択モードになるので、カーソルキーを使って文字列の選択を行います。必要な範囲が選択できたら、カーソルキーの下にあるコマンドを使って「コピー」を選択します。コピーした文字列を貼り付ける場合は、同じくカーソルキーを使って目的の位置まで移動して「貼り付け」をタップします。
キーボードを使った操作とは少し違いしますが、戸惑うことはないはずです。
選択の操作は、カーソルキーを使う以外に、すべての文字列を選択する「全選択」もあります。これ以外のコマンドでは、TAB、Space、Deleteのコマンドが使えるので、文字列編集の操作はカーソルキーボードの画面で完結できます。
カーソルキーボードでの文字列編集は、タップ操作とは比べ物にならないくらい簡単で確実に行えます。タップ操作では、範囲が上手く決定できなかったり、上手く範囲が設定できたと思えば、誤操作で選択を解除してしまったりと、イライラの元凶でしたが、カーソルキーボードではストレスなく操作できます。また、Android 2.3でサポートされた文字列編集機能と比較しても使いやすく確実に操作できます。OSレベルで、こうした機能をサポートしても良いではと考えるほどです。
カーソルキーボードのカーソルキーは、タップしたままだとリピート入力されます。
これのおかげで、広範囲で文字列を選択する場合でも、何回もタップする必要がありません。ここまで拘りを見せるのであれば、キーリピート速度やリピート入力が開始されるまでの時間を設定できても悪くないはずです。
使いやすいのだが……
FSKARENのカーソルキーボードは、文句なしに使いやすい仕上がります。
使い勝手に不満はないのですが、キーボードのデザインが垢抜けない印象を受け、それが表示される度にもう少し何とかならないものかと考えます。
筆者が気になるのが、機能ごとで配色は違えどボタンがフラットなデザインなので、見た目の印象でメリハリが感じられず、パッと見た時に、どのキーを使って操作すれば良いのか判断付きづらい部分です。例えば、操作キーだけは、弱めの立体感を持たせることで、見た目の印象から押すことができると判断できるので、受ける印象が違ってくるはずです。これは、デザインの変更で改善できるはずなので、バージョンアップが予定されているのであれば、改良を検討いただきたいものです。また、パッと見たときにキーボード上に、文字が多く煩雑な印象を受けるので、文字色のトーンを落とし気味にしたり、広く浸透しているコピーや切り取り、貼り付けのコマンドは、アイコンにするなどの工夫が欲しいところです。
文字列選択にイライラを感じているのならば
Androidケータイを使っていて、一度でも文字列選択にイライラを感じたことがあるのであれば、FSKARENのカーソルキーボードの便利さはご理解いただけるはずです。有料アプリという敷居はありますが、このために購入してみるのも悪くはないはずです。
FSKARENの開発者は、面白いところに着目しているものだと感心されられた機能です。