Androidケータイの歩き方

第41回Androidの文章作成環境を考える(4ヵ月後

本連載の第22~第25回までの四回に渡り「Androidケータイの文章作成環境を考える」として、Androidケータイで文章作成環境をご紹介してきました。記事が公開されてから、4ヵ月が経ち周辺状況が変化しているので改めてご紹介します。

4ヵ月前を簡単におさらい

前回のレビューで、一番悔やまれたのは、Androidケータイ用のATOKがBluetoothキーボードに対応していない点でした。

前回のレビューでは、日本語入力モードと英語入力モードの切り替えがキーボードで行えず、画面に表示されているキーボードパネルの入力モード切り替えボタンで操作する必要がありました。これではストレスが溜まるので、記事中ではShift+スペースで入力モードが切り替えられる「OpenWnnフリック対応版」を使うことをお勧めしました。

筆者は、長年ATOKを愛用しており、これが使えるのであれば、周辺機器やアプリが豊富なiPadではなく、Androidタブレットを購入したいと考えていました。しかし、このレビューを終えたあと、ATOKが使えないならば、どれも同じと考えてAndroidタブレットの購入を見送り、iPad2を購入をしました。この時の様子は、本連載の第33回Androidタブレットを買わなかった理由としてご紹介しました。

待望の対応です!

しかし、この4ヵ月間で状況は変わりました。

ジャストシステムからのアナウンスは確認できていませんが、筆者が確認した限りでは、Android 2.2にアップデートしたREGZA Phone T-01Cと、Androidマーケットに公開されているATOKのアップデートモジュール「T-01C専用モジュールのVer 1.1.3」をインストールすると、REUDO社製のRBK-2200BTiで、日本語入力モードと英語入力モードの切り替えが可能になります。

入力モードの切り替えは、キーボード左上にある「Bluetoothマークが付いたキー」を押すことで可能になります。動作はトグルで、画面上にあるステータスバーで、入力モードを確認できます。また、Bluetoothキーボードから文字入力すると、画面に表示されているキーボードパネルが自動的に隠れて、変換候補または推測変換の候補だけが画面下に表示されます。変換候補の選択は、スペースキーを押すことで順に選択されます。前の変換候補を選択する場合は、上カーソルキーを押します。推測変換の候補選択はタブキーです。

筆者が動作検証に使ったBK-2200BTiはMac配列です。

それゆえにキートップどおりに記号が入力できるのか不安でしたが、確認した限りでは問題なく入力できます。ただし、キーボード左上にあるBluetoothマークのあるキーは、日本語・英語の入力モードに切り替えに使うので「~」「`」は入力できません。些細なことではありますが、キートップどおりに記号が入力できないとストレスの原因になるので、押さえたいポイントになるはずです。

ATOKの設定変更で気持ちよく

ATOKとBluetoothキーボードの組み合わせで使えるのであれば、原稿を書くようなボリュームのある作成には、ATOK恩恵に預かることができます。この原稿は、その組み合わせを使ったのですが、ATOKを以下にように設定して書き上げました。

  • テンポ良く入力したいので、入力時につっかかりテンポを乱すことがある推測変換をオフにする
  • 横画面で使うことが多いので、変換候補の表示行数を一行にする

この2点だけですが、ずいぶん気持ちよく使えるので是非お試しください。

紹介した設定を行い、横画面で文字入力する様子
紹介した設定を行い、横画面で文字入力する様子

良いことばかりではない

ようやく望んだ環境を手に入れることができたと喜んでいたのですが、ところがどっこい、そうは問屋が卸しません。

なんと、Ctrl+Z、X、C、Vを使った、アンドゥ、切り取り、コピー、貼り付けの編集操作がキーボードからできません。REUDOのサポートページを見ると、REGZA Phone T-01CとBK-2200BTiの組み合わせでは、その操作に対応しないとしています。編集操作に対応している端末もあるようなので、REGZA Phone T-01Cに限った問題のようで残念です。

ただし、例外はあります。たとえば、前回のレビューで取り上げたテキストエディタの「jota Text Editor」は、アプリ独自のキーコンビネーションでの編集操作に対応しています。組み合わせのキーは、ControlキーではなくOptionキーになり、Option+Z、X、C、Vで操作します。RBK-2200BTiは、OptionキーがZキーの斜め下の位置にあり、押しやすいのでjota Text Editorを使っている限りは、好都合な結果です。

あと、もう一押しか…

筆者は、ATOKとBluetoothキーボードの組み合わせは、使えないと諦めていたので、今回のアップデートは嬉しい結果です。ただ、すべての利用シーンでBluetoothキーボードが必要になるワケではありませんし、jota Text Editorのように独自に対応している場合もあるので、工夫次第では欠点をカバーできますが、キーボードから編集操作ができないのは致命的です。

致命的な欠点を抱えているので、利用方法によって評価が分かれると思いますが、筆者にとっては予想以上の仕上がりなので高評価です。ここまでの仕上がりならば、次は、インラインで変換候補が表示を検討して頂けないかと欲が出てしまうのですが、いかがでしょうか?>ジャストシステム様。

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