5年くらい前は……
5年ほど前は、今のようなスマートフォンは登場しておらず、スタイラスペンと呼ばれる操作ペンで、画面をつつくように操作する携帯情報端末が幅を効かせていました。また、今のスマートフォンのように、当たり前のように使われているものではなく、ケータイ電話の亜種のような扱いで、知る人ぞ知る、または、少し変わったものを使っていると言う目で見られる代物でした。そのせいなのか、使い方はPDAから延長で、メールの確認やスケジュール管理等、情報管理が主な用途でした。スマートフォンが普及しつつある現在でも、こうした用途で使われますが、新たな用途が主軸になりつつあります。それは、ソーシャル・ネットワーク・サービスを楽しむための端末としての用途です。
5年前は、どこへでも情報を持ち歩くことができて、いつでも確認できるツールとして用途が主で、ネットワーク機能も情報へアクセスするために付加されてきました。現在は、それらをベースにして、いつでも、どこでも人と繋がっているためのツールとして利用されるのがスマートフォンの主な利用用途として変化しつつあります。これは、電話自体が、離れた所に居る人と人を繋げる役割を担っているので、手段は現代風になれど、多くの人が人と人を繋げる用途に使い始めるのは、ごく自然な流れと言えます。
今と未来
スマートフォンは、これまでがそうだったように、新たな機能を貪欲に取り込み、その姿形や使い方を変えながら進化していくことになるはずです。これからのトレンドとなりそうなSNSにも当てはめることができ、そうした動きがすでに始まっています。
現状で、SNSと最も密接なOSは、マイクロソフトのWindows Phone 7です。
Windows Phone 7は、OSに高いレベルでSNSが統合されており、複数のSNSを同じインタフェースでアクセスでき、サービスの違いを気にすることなく使うことができます。これは、Windows Phone 7の最も分かり易い特徴で、Windows Phone 7のウリにもなっています。
SNSのようなサービスが、OSレベルで統合されることの善し悪しは議論の余地があるかもしれませんが、この切り口で見ると、iOSは、iOS 5でTwitterが統合されてることになっています。Androidケータイのほうは、OSレベルでは、GoogleサービスであるGTalkのログイン状況が連絡先で確認できる程度に留まっていますが、HTC Chachaのように、端末にFacebookへアクセスするボタンを搭載して、Facebookと連動して使える端末を開発が登場しています。
後発のWindows Phone 7は、OSレベルでSNSを統合して、これまでよりも一段進んだユーザ体験をもたらそうと狙っていることがわかります。AndroidケータイでもOSレベルとまでは行きませんが、HTC Chachaのような端末が登場しているので「SNSの統合」が、スマートフォンの新たなトレンドになり始めていることが読み取れます。
新たなトレンドが生まれそうな予感はしますが、足元を見みると、Androidケータイ向けに、さまざまなSNSに対応したクライアントアプリがリリースされています。SNSを楽しむだけであれば、これらのアプリだけでも十分なので、今回から数回に渡り、Androidケータイ向けのクライアントアプリを取り上げ、SNSクライアントとして十分な実力を備えているのか検証していきます。
ご紹介するアプリ
現在はSNSが花盛りで、さまざまなサービスが登場しています。
類似しているサービスも多く、楽しむ側の好みによっても選べるような状況です。Androidケータイでも、さまざまなサービスを楽しむことができます。しかし、すべては網羅できないので、今回は、利用者の多いTwitter、Facebook、Google+、Foursquare、mixiを取り上げて、これらのサービスに対応したアプリを取り上げます。
AndroidケータイをSNSクライアントと見た場合、OSと高いレベルで調和しているのかも重要なポイントになるなるので、どれだけAndroidケータイらしいアプリらしいかも評価のポイントとします。
以下、今回取り上げる予定のクライアントアプリをサービスごとにまとめました。
- Twitter
- Twitter公式アプリ
- Seesmic
- twicca
- Facebook
- Google+
- Foursquare
- mixi
どのサービスもAndroidケータイ向けに、公式アプリがリリースされているので、これらを使って検証を行います。また、Twitterのように、公式アプリ以外に様々なクライアントアプリが存在するサービスでは、それらも触れていきます。たとえば、筆者のお気に入りアプリの「Seesmic」や人気の「twicca」などを取り上げる予定です。また、SNSと連携するアプリも多く存在するので、そうしたアプリもご紹介したいと考えています。
次回から本格的に。
今回は、概要のご紹介だけになってしまいましたが、次回からクライアントアプリ取り上げて検証を行います。