Nexus SをAndroid 4.1.1へアップデートしました
性能計測に使っているNexus Sに、Android 4.1.1へのアップデート通知が来たので、アップデートを行いました。Android 4.1は、標準ブラウザがアップデートされており、具体的には以下の内容になります。
Android 4.1.1へアップデートしたNexus S。この端末は、Android 2.3→Android 4.0→Android 4.1と息の長い端末となった
- レンダリング速度とメモリー使用量を改善し、スクロールとズームがスムーズになった
- HTML5のCanvasとJavaScriptエンジン(V8)のパフォーマンスが向上して、ページの読み込み速度がより速くスムーズになった
- HTML5 videoに対するサポートが強化された。また、画面タッチすると再生/一時停止ができるようになり、使い勝手が向上した
- HTML5のメディアキャプチャー仕様をサポートした
- ルビテキストと縦書きをサポートした
レンダリング速度の向上とHTML5 CanvasとJavaScriptエンジンのパフォーマンス向上は、今回の計測にも大きな変化をもたらす可能性があります。前回、Android 4.04での性能計測結果をお伝えしたところですが、改めて、標準ブラウザの性能評価を行ったので結果をお伝えします。
JavaScriptベンチマーク
Android 4.1.1と標準ブラウザでの計測結果
- SunSpider JavaScript Benchmark - Total : 2827.0ms
- V8 Benchmark Suite - Score : 897
- Kraken JavaScript Benchmark Results - Total : 44337.8ms
Android 4.0.4と標準Webブラウザでの計測結果
- SunSpider JavaScript Benchmark - Total:3261.6ms
- V8 Benchmark Suite - Score:761
- Kraken JavaScript Benchmark Results - Total:59907.9ms
SunSpider JavaScript Benchmarkは、値が小さいほど高速で、Android 4.1.1の方が1.15倍ほど良い結果が出ています。V8 Benchmark Suiteは、値が大きいほど高速で、こちらもAndroid 4.1.1の方が1.17倍ほど良い結果となっています。Kraken JavaScript Benchmarkは、値が小さいほど高速で、これもAndroid 4.1.1の方が、1.35倍ほど良い結果になっています。
Android 4.1.1では、JavaScriptエンジンがアップデートされたとアナウンスされたので、ハッキリとした差が出るものだと期待したのですが、その差は、最大でも1.35倍程です。結果を見るとAndroid 4.1.1の方が高速ですが、劇的に向上しているワケではありません。Nexus Sは、搭載CPUがシングルコアなので、最近のディアルコアCPUを搭載した端末であれば、ハッキリとした性能差が出るのかもしれません。
HTML 5ベンチマーク
Android 4.1.1と標準ブラウザでの計測結果
- PEACEKEEPER - Total : 321
- html5test : 281
Android 4.0.4 と標準ブラウザでの計測結果
- PEACEKEEPER - Total:235
- html5test - Score:280
PEACCKEEPERは、数値が大きい程良い結果なので、Android 4.1.1の方が良い結果と言えます。html5testの計測結果は、ほとんど変わりがありません。
PEACCKEEPERは、個別の計測結果が標準ブラウザでは表示されないので、以降は推測ですが、Android 4.1.1の標準ブラウザでは、HTML5 Canvasのパフォーマンスを改善したとしているので、これが計測結果に反映されているのかもしれません
スムーズに動作しているが、数値上は結果変わらず
HTML5の性能を計測するPEACEKEEPERでは、大差が出ましたが、他の計測試験では、JavaScriptとHTML5共に大きな違いは出ていません。
標準ブラウザで、Webページを表示したところ。快適になっていることを体験できるが…
標準ブラウザを使ってみると、ページの読み込み速度が向上しており、スムーズに動作していることが体感できるので、アナウンスにあったレンダリング速度とメモリ消費量が改善されているのではないかと思われます。
PEACEKEEPERは、先でも書いたように、詳細な計測結果が確認できなったので推測ですが、HTML5 Canvasに関係する試験結果が向上しているのであれば、PEACEKEEPERだけがうまく性能評価できており、他はプログラムは、偏った性能評価が行われていると言えるかもしれません。また、JavaScriptエンジンの性能評価は、若干ながらの向上となっています。デュアルコア以上のCPUを搭載した端末であれば、結果が違うかもしれないので、機会があれば計測していたいと思います。