前回に引き続き、Google Chromeを取り上げます。

今回は、恒例の性能計測結果をご紹介していきます。参考として、標準Webブラウザの結果も掲載しているので、それと比較しながらご紹介していきます。

JavaScriptベンチマーク

Android 4.1.1とGoogle Chrome

• SunSpider JavaScript Benchmark - Total : 3387.6ms
• V8 Benchmark Suite - Score : 744
• Kraken JavaScript Benchmark Results - Total : 49940.7ms

Android 4.1.1と標準Webブラウザ（参考）

• SunSpider JavaScript Benchmark - Total : 2827.0ms
• V8 Benchmark Suite - Score : 897
• Kraken JavaScript Benchmark Results - Total : 44337.8ms

結果を順に見ていきます。

SunSpider JavaScript Benchmarkは、値が小さいほど高速です。

標準Webブラウザと比較するとGoogle Chromeは、17%ほど遅い結果となっています。体感では、ほとんど分からない差ですが、結果を個別に見ても、どこかが極端に遅いことはなく、総じてGoogle Chromeの方が遅い結果です。

次に、V8 Benchmark Suiteです。これは値が大きいほど高速です。

こちらも標準Webブラウザと比較すると、Google Chromeの方が18％ほど遅い結果となっています。SunSpider JavaScript Benchmarkと同じで、結果を個別に見ていっても、どれかが極端に遅いワケではなく、総じてGoogle Chromeの方が遅い結果です。

最後は、Kraken JavaScript Benchmark Resultsです。これは、値が小さい程高速です。これも標準Webブラウザと比較すると、Google Chromeの方が12％ほど遅い結果です。

筆者の勝手な思い込みで、標準WebブラウザよりもGoogle Chromeの方が高速だと思っていたのですが、どの試験もGoogle Chromeの方が悪い結果なのは意外でした。ただし、差は小さく、体感できる程でもないので、この程度であれば、ばらつきと結論づけても間違いではないかもしれません。

HTML5ベンチマーク

Android 4.1.1とDolphin Browserでの計測結果

• PEACEKEEPER - 計測できず
• html5test - Score : 369

Android 4.1.1と標準Webブラウザ（参考）

• PEACEKEEPER - Total : 321
• html5test - Score : 281

こちらも順に結果を見ていきます。

PEACEKEEPERは、毎度のごとくGoogle Chromeが強制終了してしまい、結果を計測できませんでした。前回のDolphin Browserでも同様でしたが、試験に使っているNexus Sの搭載されているメモリが少ない為に発生していると考えられます。

html5testは、値が大きいほど良い結果です。標準Webブラウザと比較すると、Google Chromeの方が良い結果です。ただし、Dolphin Browserがたたき出した「430」を知っていると、たいした結果でも無いように思えますが、Opera Mobileが「369⁠」⁠、Firefoxが「311」であることを見ると、Google Chromeは良い結果と言えます。

デフォルトブラウザの座を受け継ぐのにふさわしい

JavaScriptベンチマークは、標準Webブラウザの方が良い結果を残したのは意外でした。ただ、極端な差ではないので、標準Webブラウザと比較して、Google Chromeの方が遅い感じはありません。HTML5ベンチマークは、Google Chromeの方が良い結果で順当とも言えます。

Google Chromeは、Android 4.1からデフォルトブラウザとなりました。

前回、使い勝手に関わる部分を触れましたが、難解な部分は少なく、わかりやすい作りで、筆者は良い印象を持っています。また、速度に関しては、標準Webブラウザと比較しても誤差と言うほどの差しかありませんし、HTML5への対応度合いも標準Webブラウザよりも優れているので、デフォルトブラウザ座を引き継ぐには十分な資質を持ったWebブラウザと言えます。