Androidケータイの歩き方

第93回タブレット市場を席巻できるのか?「Nexus 7レビュー」(2)

前回に引き続き、国内販売が開始された、7インチタブレット「Nexus 7」をリポートします。

よくまとまったハードウェア

冒頭から与太話になりますが、国内向けに配送されたNexus 7の中には、未発表のストレージ容量32GBの端末が混在していたようです。筆者の手元に届いたNexus 7は、16GBのストレージで、大当たりとなりませんでしたが、こんな所から未発表の端末がリークされてしまうのも面白い話です。

端末のレビューは、多くのサイトで取り上げられているので、重箱の隅をつつくようなレビューが中心になりますが、Nexus 7をしばらく使ってみて、気になった部分を中心にご紹介します。

ビュワーとして最適な端末

筆者は、世代ごとにAndroidケータイを所有していますが、Androidタブレットは、MIPS CPUが搭載されたNovo 7 Paladinのみで、メインストリームの端末を所有しておらず、iPadをメインで使用していました。そのiPadと比較すると、Nexus 7は、小さく・軽いと感じたのが第一印象です。

ビュワーとして見た場合、iPadの9.7インチの画面は、大きく、綺麗で魅力的ですが、その分、Wi-Fiモデルだと652gと重いので長い時間、手に持って使うには辛い端末でした。例えば、2時間の映画を観ると考えた場合、1時間もすると手が疲れてしまい、持ち替えたり、一旦休憩したりすることがありました。Nexus 7の場合、iPadより小さい7インチの画面サイズですが、340gと半分近い重量で、iPadより軽いので、ソファーに寝転んで2時間の映画を観ると言った使い方が、難なく出来るようになりました。

Nexus 7を手に持った時の様子。何とか片手で持てるサイズ
Nexus 7を手に持った時の様子。何とか片手で持てるサイズ

クリエイティブな用途には向かない

筆者がNexus 7を左手で持つと、指の第一関節が端末の縁にひっかかる程度で、何とか片手で持てるサイズになっています。このサイズ感を賞賛する声はありますが、筆者は用途次第だと考えます。

先でも触れたように、映画などのコンテンツを楽しむ用途であれば、適度な大きさと重さで、苦にならない端末です。しかし、メールを書いたり、ブログを更新する等の文章を入力する用途では状況が一変します。

画面に表示されるソフトキーボードが小さく、iPadのようにテーブルの上に端末を置いて両手でキーボードをタイプする使い方が難しく、スマホのように左手でNexus 7を持ち、右手の人差し指でタップして文字を入力するスタイルで使うことになります。iPadでの文字入力を知っていると、とても効率的とは言えないので、文字入力が多い用途で使うことを検討されている方は、Bluetoothキーボードを用意するか、画面サイズの大きい10インチのタブレットを選択した方が良いでしょう。

iPadとソフトキーボードを比較したところ
iPadとソフトキーボードを比較したところ

背面の滑り止め

Nexus 7の背面は、ラバーコーティングされており、滑り止めの役割を果たしています。これのお陰で、背面にキズが付くのを気にすることなく使えます。いまのところ、耐久性は分かりませんが、使っているうちに角の塗装がはげてくる可能性が考えられるのと、長時間立つとコーティングが溶けて、ベタつく可能性があるので、良し・悪しがあると言えます。

最近は、実用を少し犠牲にして、宝飾品のような装飾とデザインを持った端末が多くリリースされているので、実用一辺倒の端末を手にしたのは久しぶりです。

Nexus 7の背面。ラバーコーティングが良い滑り止めになっているが……
Nexus 7の背面。ラバーコーティングが良い滑り止めになっているが……

端末の縁は、金属ではなくシルバーで塗装されたプラスチックです。

これも丁寧に使っていても、こすれ等で塗装が剥げる(筆者の端末は、すでに剥げています)ので、ゴムの縁にするなど、実用的なデザインであっても良かったように感じます。

位置が悪い電源ボタン

Nexus 7には、電源とボリューム意外のハードボタンは搭載されていません。

例えば、スリープ状態のNexus 7が机の上に置いてあった場合、この状態で使おうとして、電源を入れようとしますが、本体側面の下側に電源ボタンがあり、この状態では上手くボタンを押すことができません。一度、端末を手に持ってから電源ボタンを押す必要があります。この手順が非常に面倒で、また、端末の前面を注意深く見ないと(前面カメラの位置で確認できる⁠⁠、端末の長辺部分のどちら側に電源ボタンがあるか分からないので、手で探っているような始末です。

位置の悪い電源ボタン。非常に使いづらい
位置の悪い電源ボタン。非常に使いづらい

iPadがすべての答えとはいいませんが、前面に物理ボタンが存在すれば、こうした不自由はしないので、Androidタブレットも何らかの配慮が欲しいものです。実際のところ、Android 4.xの場合、戻る、ホーム、タスクは、ソフトウェアで処理しているので、デザイン的には破綻することになりますが、GALAXY S IIIのようなタスクスイッチを兼ねたホームボタンが搭載されていると、使い勝手が向上するはずです。

次回も続きます

今回は、重箱の隅をつつくレビューとなりましたが、次回は、手持ちの周辺機器をNexus 7で使ってみた印象をお届けします。

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