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前回に引き続き,今回もAndroid 4.2にアップデートしたNexus 7を取り上げます。
ようやく統一されたユーザインターフェース
前回,Android 4.1からは大きな変化はないとご紹介しましたが,Android 4.0と比較すると,変化があるのでご紹介します。
Androidタブレットには,Androidケータイにあった画面上部の通知領域がありませんでした。しかし,Android 4.2から,Androidタブレットにも通知領域が付くようになり,Androidケータイと同じ感覚で使えるようになりました。Androidタブレットでは,画面下のバーが通知領域も兼ねていましたが,戻る,ホーム,タスクスイッチの三つのボタンだけが残されました。この変更で,タブレットとケータイのユーザインタフェースが統一されて,一方の操作を習得すれば,簡単な応用で,もう一方を使いこなせるようになったのは歓迎すべきです。
Android 4.2のホーム画面

Android 4.0.3のホーム画面

ただし,Nexus 7では不満があります。
画面を縦で使っている場合は問題ありませんが,横で使っていると端末を持つ手の親指で,ホームボタンを誤って押すことがあります。横画面にした時の上下の縁に少し余裕を持たせるなど,Nexusのブランドで売られているの端末なので,ソフトとハードが個々にデザインされているのではなく,総合的にデザインされていることを期待するのですが,Nexus 7に限れば,いま一歩です。
複数台の外部ディスプレイをサポート
Android 4.2からは,外部ディスプレイがサポートされました。
Androidタブレットがノートパソコンの代替として使われる機会が多くなれば,出先でのプレゼンや大型ディプレイでの作業など,外付けディスプレイを接続する需要が増えると予想されるので,良いタイミングでの拡張です。
外部ディスプレイは,複数台接続されることが考慮されており,アプリは,何台ディスプレイが接続されているか,接続されたディスプレイは,どのような解像度を持つのか,OSに問い合わせることができ,目的のディスプレイを選択して,コンテンツを表示できます。また,外部ディスプレイが回転するとアプリに通知が行われ,画面の方向に合わせて,最適なコンテンツを表示する仕組みがあります。
ワイヤレスディスプレイ「Miracast」をサポート
Android 4.2からは,Wi-Fi経由で最大1080p映像と5.1chサラウンド音声が出力できる仕組み「Miracast」に対応しています。実際は,先で紹介した外部ディスプレイと一緒に使われることになるはずです。
いまのところ,Miracastに対応した接続アダプタとして,ネットギアジャパンが「PTV3000」を12月末に販売を予定しています。PTV3000と接続できるデバイスは,ドコモの Android スマートフォン Xperia AX SO-01Eのみですが,Android 4.2 以降が搭載された端末が順次対応していくと考えられます。
筆者は,Androidタブレットで,huluを楽しむことが多いので,Miracastに期待をしています。
たとえば,Wi-FiのアクセスポイントがMiracastに対応して,HDMI端子を持つようになれば,リビングのテレビでhuluを気軽に楽しめるのではないかと期待しています。実際のところ,機器以外にもアプリの対応作業が必要になるはずなので,すぐに活用できないと思いますが,半年後には,新たな利用用途が見いだされているかもしれません。
タブレットを家族で共有する。マルチユーザ対応
マルチユーザ対応は,Android 4.2の最もわかりやすい機能追加と言えます。
Android 4.2のマルチユーザは,我々がPCで馴染んでいるマルチユーザと同じ考えで,個々のユーザは,自分のホーム画面,アプリ,データ,設定を持つことができ,ユーザごとに分離されています。
複数のユーザを登録したときのホーム画面。下のアイコンタップでユーザを切り替える

ユーザの追加は,設定画面のユーザで行い,切替はロック画面で行います。登録ユーザは,ロック画面の下に表示されます。プロフィール画像を設定すれば,それが並び,タップすると,ユーザごとのロック画面に切り替わります。以降は,これまでの手順と同様で,セキュリティでパスワードを設定していれば,それを入力してロックを解除したあと,ホーム画面表示という流れです。
ユーザの登録画面。プロフィール画像は,ここで設定する

タブレットが複数人で共有できるのは歓迎できます。
しかし,家庭のノートPCすら,きちんとユーザ分けがされているとは言えないので,コンシューマーレベルで,活用する人がどれだけ居るのか疑問に感じます。となれば,企業用途になりますが,ユーザをサーバーで一括管理する仕組みなどの話は聞こえてこないので,運用面で,こと足りない可能性があります。
分かり易い利用用途が提示されていますが,活用しているシーンが明確に見えない機能追加の印象