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第6回Amazon Kindle Paperwhiteの実力はいかに(4)

ページ送りの訂正

前回画面の端をタッチしないとページ送りができず、片手で持っていると操作がしづらいと書きましたが、読者から左右のフリック操作でもページ送りができることを教えていただきました。ありがとうございます。画面下の縁のあたりを左右にフリックすれば、本体を片手で持っていてもページ送りができるので使いやすくなりました。これで、不満がひとつ解消されました。

残る不満は、純正ケースを使っていると、時間と共に片手で操作するのがつらくなるので、もう少し軽いケースが欲しいことくらいでしょうか。

純正ケースの使い勝手

純正ケースの話が出たので、これの使い勝手を詳しく紹介します。

筆者は、Amazon純正の「Kindle Paperwhite用レザーカバー」で、カラーは、ミッドナイトブルーのケースを使っています。これの価格は3,499円と、3G回線付きのKindle Paperwhiteの4分の1程度です。そのせいか、造りが丁寧で質感も良く、耐久性も高そうです。

質感が丁寧な造りの良いケース
質感が丁寧な造りの良いケース

このケースのカバー表面は、なめらかな皮が貼られています。その裏は、Kindleのロゴが入った布張りです。ケースの裏側も皮張りで、パッと見た感じは、電子機器のケースだと気付かないかもしれません。ケースは、本のように見開きで使うのではなく、カバー表面を裏返して使うので、布張りになっている部分が良い滑り留めになります。

ケースフタの裏側。布の柄も落ち着いた感じ
ケースフタの裏側。布の柄も落ち着いた感じ

カバーには、Kindleのロゴが付いた金具があり、磁石で端末に固定されます。

これのおかげで、カバーが不用意に開いてしまうことはありません。また、カバーを開くと、すぐに続きが読めるようになり、カバーを閉じるとスリープ状態になります。ケースを付けた状態だと、本に似た感覚で読書ができますが、ケースを使っていないと、端末下にある小さな電源ボタンを押す必要があり、まったく違った使用感になります。

ケースは、端末と隙間なく密着しており、しっかりと端末を固定されます。純正以外のケースでは、ゴムバンドを使って端末とケースを固定するものがほとんどですが、このケースは、本体をはめ込むようなタイプです。きっちり取り付けると、手荒に扱っても外れてしまうようなことはありません。

ケースと本体は、ぴったりと密着している
ケースと本体は、ぴったりと密着している

良いところばかりをご紹介してきましたが、冒頭でも触れたように、重さは難点です。

造りがしっかりしているので、それが重量に跳ね返っているのかもしれませんが、本体にケースを付けた状態で348gで、Nexus 7(334g)やiPad mini(306g)よりも重いので、文庫本感覚で片手で持ち、読書に没頭する使い方は難しいかもしれません。

Kindleストアがセールが新しい出会いを造る

SONYが運営するReader Storeでは、さまざまなテーマの特集が組まれて、知らなかった本と出会う機会をつくってくれます。こうした取り組みは、書店っぽい感じで、興味のなかった本でも読んでみようかと思うことが度々あり気に入っています。

Kindleストアは、Reader Storeのように、テーマ性のある特集が組まれることはありません。Reader Storeを知っていると寂しい感じがします。

では、Kindleストアには、出会いをつくる取り組みがないのかと言えば、そんなことはありません。Amazonらしい方法で出会いをつくってくれます。その方法とは「セール販売」です。誰しも、少し気になっていたけど、いままで読むことはなかったという本がいくつかあるはずです。

理由はさまざまだと思いますが、たとえば、ハードカバーの本であれば、1,800円前後の費用がちょっと…とちゅうちょをしていて、そのうち忘れてしまったか、熱が冷めてしまったということがあるはずです。

セール販売で、半額近い価格で購入できることがあれば、読んでみようかなぁと思うこともあるはずです。筆者の場合、ケン・シーガル氏の「Think Simple」が、まさにそれで、興味はあったものの読んでなかったのですが、Kindleストアのセール販売のおかげで、再度、読む機会が得られました。

これまでにない売り方も出てくるのか?

このやり方には、賛否があるとは思いますが、筆者は、Reader Storeのようにテーマ性のある特集を行い、新たな本と出会うキッカケをつくってくれる方法も好きですし、Kindleストアのように、値下げ販売を行うことで需要を喚起し、気になっていた本と再会するキッカケをつくってくれるのも悪くないと考えます。

電子書籍だからと言って、検索してピンポイントで購入して終わりというワケではないはずです。両方の方法で販売すれば、さまざまな角度で、新しい本と出会えるキッカケが得られるはずです。また、これまでにない売り方が登場して、新しい本との出会いをつくってくれる可能性もまだまだあるはずです。

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