弱小コンサルタント会社に勤務する六道様也
様也が東京郊外の我が家に帰ると、
- 「ジジイ、
おせーよ」
中学校に進んでからすっかり口と頭の悪くなった長女の鳳晏
- 「鳳晏! ちゃんとお父さんって言いなさい」
妻の美希
- 「うるせえ、
ババア」
鳳晏が口汚く怒鳴ると、
- 「ぐっ」
鳳晏の気管が締め付けられ、
- 「おいおい、
乱暴なことはやめなさい。首を絞めるのはやめてくれって言っただろ」
あわてて様也が止めに入って、
- 「そのTシャツも止めてくれっていったろう。ライブ会場じゃないんだから」
- 「あたしが何を着ようと勝手でしょ。だいたいこの家は頭のおかしい子どもしかいない閉鎖病棟みたいなもんじゃない」
美希の反論にさすがの様也も色をなした。
- 「いい加減にしないか! 鳳晏もスマホを離しなさい」
様也が声を荒らげると、
様也は安堵の息をもらしながら席につく。今日の夕食はホワイトシチューとサラダだ。
- 「いただきます」
と言ったとき、 長男の数人 (かずと) がゆっくりと拍手した。 - 「お父さん、
おつかれさまです。疲れてお帰りのところに、 姦しい騒ぎになってお気の毒です」
まったく気の毒に思っていなそうな涼しい口調。一瞬、
- 「その様子だと、
また資料作りで問題ですね」 - 「あ、
ああ、 そうなんだ」
様也は、
様也が出した資料の1枚目を一瞥するなり、
- 「ナーンセンス! なんて醜いんでしょう! 僕の美的感覚と相容れません」
- 「なにかまずかったかな?」
- 「なにか? なにかとおっしゃいましたか? お父さん、
なにもかもがダメです。これをクライアントに出すつもりなんですか? こんな分析に基づいたWebサイトのプロモーションプランがうまくいくはずがないでしょう。そもそもなぜ棒グラフを使おうと思ったんです?」
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- 「いや、
だって複数の項目を比べるには棒グラフを使うだろう?」 - 「ナーンセンス! 比較になってないでしょう! ご覧なさい。ひとめで比較できますか? できませんね。はい、
あなたは三流社会人」
まだ中学生の息子に、
- 「どうすればいいと思う?」
恥を捨てて息子に質問する。
- 「お父さん、
僕の記憶が正しければ、 グラフ化するには比率にしてからのほうがいいという説明を21回以上、 あなたにしているはずです。記憶にありませんか?」 - 「あっ、
ううっうううう」
あせった様也は、
- 「データを見せてください」
話しながらも数人はホワイトシチューをせっせと口に運ぶ。少し離れたところから見ると、
様也は息子に言われるまま、
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