ギークじゃなくても楽しめる! 新はてなブックマーク

第1回トップページに注目─強化された検索とカテゴリー機能

月間300万のユニークユーザを誇り、国内最大のソーシャルブックマークサービスである株式会社はてなのはてなブックマーク。2005年2月にベータ版を公開したこのサービスが、11月25日にリニューアルされました。

新しいはてなブックマークのリリースに先立ち、今月4日に行われたリニューアル発表会の席上、はてなCTO(最高技術責任者)の伊藤直也氏は

「来年夏までに月間ユニークユーザを現在の倍の600万にする」

と抱負を語り、そのために利用者の拡大と一般層への訴求に力を入れるとも述べていました。

そうした目標に向かって、新しいはてなブックマークがどのようにリニューアルされたのか実際に見ていきます。

大幅に強化された検索機能と、カテゴリー分け機能

リニューアルされデザインを一新したはてなブックマークで、まず目を引くのがトップページ上部に配置された、検索フォームとカテゴリーのタブです。

図1 新はてなブックマークのページ上部
図1 新はてなブックマークのページ上部

今回のリニューアルで大きく強化されたのが、この検索機能とカテゴリー分け機能です。

検索機能は、はてなと戦略的提携を結んでいる、株式会社プリファードインフラストラクチャー大規模全文検索システムSedueを基に共同開発されたシステムを利用し、全文検索ができるようになりました。また2005年のリリース開始からこれまでに蓄積された1,000万件以上のブックマークについてタグやキーワードから情報を探せるようにもなっています。

図2 検索ボックス
図2 検索ボックス

カテゴリー分け機能は従来の分類から刷新されています。またそれに応じて新たな記事分類エンジンが開発され、分類エンジンは新聞社などの記事の場合、約9割ほどの高い精度でカテゴリー分けが行えるそうですが、一般的なブログのエントリーの場合はまだまだ誤判定もあります。

図3 リニューアルされたカテゴリー分類
図3 リニューアルされたカテゴリー分類

その場合はユーザーが修正できるのですが、その操作によりカテゴリー判定の学習がされ、今後のカテゴライズ精度向上に活用されるそうです。

検索機能の制度とカテゴリーの分類

では具体的にどのように使えるのか、実際に検索してみましょう。

図4 ⁠カレー」で検索した結果
図4 「カレー」で検索した結果

「カレー」で検索してみると、文字通りカレーに関連したエントリーが表示されます。では「パスタ 作り方」で検索した場合はどうでしょうか。

図5 ⁠パスタ 作り方」で検索した結果
図5 「パスタ 作り方」で検索した結果

パスタの作り方について、簡単に探すことができました。ただし「レシピ」⁠recipe」といった表記の揺れにはまだ対応しておらず、そうした検索には今後対応してゆくとのこと。

カテゴリーは現在「社会」⁠政治・経済」⁠生活・人生」⁠スポーツ・芸能・音楽」⁠科学・学問」⁠コンピュータ・IT」⁠ゲーム・アニメ」⁠おもしろ」の8つに分けられています。はてなブックマークというと、これまでコンピュータや技術など、理系の話題ばかりという印象が強かったのですが、カテゴリー分けによりジャンルに応じた情報を効率よく得られるようになりました。

図6 ⁠生活・人生」などのジャンルも登場
図6 「生活・人生」などのジャンルも登場

たとえばニュースなら「社会」⁠政治・経済⁠⁠、また従来のように技術系の話題であれば「コンピュータ・IT」などと言った情報の選択ができ、好みや趣向に応じて自由に使うことができます。またカテゴリーで特徴的なのは「おもしろ」「動画⁠⁠、前者は2ちゃんねるのまとめブログや文字通りのおもしろいネタなどが多く、後者は動画共有サイトのニコニコ動画、YouTubeのまとめになっています。

メディアとしての新しいはてなブックマーク

これまでのはてなブックマークの印象として、コンピュータや技術系の話題が多く利用者もいわゆる理系ばかりの偏った傾向がある、とよく言われていました。

そうした現状をはてなも認識しており、リニューアル発表会で伊藤氏も

「今までのはてなブックマークの話題を少し分散させ、より多様な話題を扱えるメディアにしたい。」

「今はネットが大好き、はてなが好き、コンピュータが好きという技術者が多いが、もう一歩外の世界に(ギークだけの世界ではなく)足を進めていきたい」

と目標を語り、またはてなブックマークがメディアとして世の中に影響力を与えるようにしたい、とも意気込みを見せていました。

このリニューアルで強化された検索機能、そしてカテゴリー分け機能により技術系の話題だけにとどまらず、他の情報も容易に扱えるようになったことで、今まで利用していなかった一般層への拡大を目指す新たなはてなブックマーク。利用者の興味をうまく分散させることで、これからは話題の偏りが変化していくのではないでしょうか。

図7 新はてなブックマークの目指すもの
図7 新はてなブックマークの目指すもの

ただ実際、技術者よりの話題が注目され、それ以外の一般層からはなかなか利用されていないのも事実、検索の精度が上がったとは言え、まずそれを使ってもらわなければ効果も理解はできないでしょう。今後それらに対しどうアピールしどのように利用者として取り込んでいくのか、ギークだけのはてなブックマークではなく、メディアとしてどう確立してゆくのかが、新しいはてなブックマークの大きな課題になるのではないかと考えています。

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