コンピュータの機械部分をハードウェア,そのコンピュータで利用するプログラムをソフトウェアと呼びます。コンピュータで作業をする場合,コンピュータ本体の他にも,ディスプレイやプリンタなどのハードウェアや,OSやワープロソフトなどのソフトウェアが必要になります。今回は,コンピュータとそれに付随するハードウェアやソフトウェアの分類に関する用語です。
コンピュータとその周辺機器の構成
コンピュータには,大規模なシステムに使われる処理能力の高い汎用コンピュータ(メインフレーム)や,複雑な技術計算などに使われるワークステーション(WS)などがありますが,一番身近なコンピュータといえばパソコン(パーソナルコンピュータ)ですね。
ここでは,パソコンを例にとって,コンピュータのハードウェア構成を説明していきましょう。
処理装置
パソコンには,人間の頭脳にあたるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)が本体の内部に納められています。試験ではこの頭脳部分を,制御装置と演算装置に分けて考えます。また,演算装置と制御装置をまとめて処理装置(プロセッサ)と呼びます。
- ① 制御装置:プログラムを解読し,各装置を制御する装置
- ② 演算装置:加減乗除などの演算を行う装置
記憶装置
メモリ(メインメモリ)もパソコンの頭脳にとって重要なパーツで,試験では主記憶装置と呼びます。処理装置は,処理の実行に必要なプログラムやデータを,一時的に主記憶装置に格納します。
主記憶装置は動作は高速ですが記憶容量が少なく(パソコンのメモリは数G(ギガ)バイト程度),電源が切れると記憶したデータが消えてしまいます。そこで,主記憶装置に比べると動作は遅いけれど,大容量で電源を切っても記憶内容が保存される補助記憶装置を備え,長期保存が必要なプログラムやデータはこちらに保存しておきます。
補助記憶装置としては,一般にハードディスクが用いられ,容量は数十G(ギガ)~数T(テラ)バイト前後です。また,CDやDVD,ブルーレイディスクなども補助記憶装置の一種です。
入出力装置
コンピュータの本体に接続し,コンピュータと一緒に使う装置のことを周辺機器と呼びます。
人間がコンピュータとやり取りするには,両者のインタフェース(接点)となる周辺機器を使います。
- ④ 入力装置:指示を伝えたりデータを入力するための装置(キーボードやマウスなど)
- ⑤ 出力装置:コンピュータが処理したデータを人間が受け取るための装置(ディスプレイやプリンタなど)
コンピュータの5大装置
試験では,上記の①~⑤をまとめて,コンピュータの5大装置といいます。
図1 コンピュータの5大装置

ソフトウェアの構成
上記の5大装置が揃っていても,処理の手順を記述したプログラムの集合体であるソフトウェアがなければ,コンピュータを動作させることはできません。
ソフトウェアは,基本ソフトウェア,ミドルウェア,応用ソフトウェアに分類されます。
基本ソフトウェア
一般にはOS(オペレーティングシステム)と呼ばれています。基本ソフトウェアとは,ハードウェアを効率よく利用し,プログラムの実行をコントロールする制御プログラムのことで,パソコンで使われているWindows VistaやWindows XP,MacOSも基本ソフトウェアです。
ミドルウェア
ミドルウェアとは基本ソフトウェアと応用ソフトウェアの中間に位置するソフトウェアのことです。応用ソフトウェア(次項)が共通で使う基本的な処理機能を提供します。最近のパソコン用OSでは,以前はミドルウェアが備えていた機能を,OS側の機能として備えていますので,パソコンユーザにはなじみが薄いでしょう。データベース管理・通信管理・ソフト開発支援などのミドルウェアがあります。
応用ソフトウェア
一般には,アプリケーションソフトウェアや単にアプリケーションとも呼ばれています。特定の処理や業務に適した機能を持つソフトウェアで,第1回で説明したオフィスツール(ワープロソフトや表計算ソフトなど)も応用ソフトウェアに分類されます。
図2 ソフトウェアの構成
