タブレット型電子ブックリーダー「Kindle Fire」レビュー

前編 Kindleを触ってみた

2012年12月にKindle Fireを入手してからすでに3ヵ月程経過しましたが、日本でのKindle発売も噂されており、新しいiPadが発売された今改めてこの端末をレビューしてみたいと思います。

筆者がこの端末を購入したのはそのサイズに惹かれて。iPadは良い端末だと思いますが、持ち歩くにはちょっと大きいですし、価格もそれなりにしますので気軽に使い倒すというわけにはいきません。4万円を超すiPadに比べ、Kindle Fireは199ドル、当時のレートでも1万7,000円もしない手頃な価格です。また自炊した書籍を閲覧するのにも電子ペーパー方式の端末だとページの拡大縮小がスムーズには行えないため、漫画など画像中心の電子書籍リーダーとしてもカラー液晶のタブレット端末が必要だと考えていました。

Kindle FireならAndoridベースのカラー液晶端末なので、漫画などを読んでいてもページめくりがスムーズに行えそうですし、7インチの液晶は大きすぎず小さすぎ持ち歩くのにも、読書の間ずっと手に持ち続けるのにもちょうど良さそうです。

そのように考えて購入し、実際に使ってみて感じたことをまとめてみたいと思います。

ちょうどいいサイズのKindle Fire

Kindle Fireを使ってみて感じるのが、持ち歩くのにも、そして電子書籍リーダーとして扱うのにもちょうどいいサイズだということ。本体のサイズは縦19センチ、横12センチ、厚さ1.14センチとなっています。このKindle Fireの幅と長さは第三世代のKindleとほぼ同じ。キーボードがない分、液晶部分が占める面積がKindle Fireのほうが大きいですが、横幅の解像度は変わっておらず縦方向に長くなっています。

写真1 Kindle Fireと第三世代のKindleの比較
写真1 Kindle Fireと第三世代のKindleの比較

書籍でいえばKindle Fireの大きさは漫画の単行本とほぼ同じ、DVDのパッケージと高さ、厚みも近く横幅を短くしたといったサイズです。これならiPadとは異なり持っていくべきか持っていくべきか迷う必要はなく、片手で扱いやすいサイズです。

写真2 DVDパッケージとの比較
写真2 DVDパッケージとの比較

Kindle Fireの解像度は600×1024、対して一般的なサイズの電子ペーパーのKindleの解像度は600×800。Kindle Fireのほうは映画コンテンツなどが観やすい16:9に近い縦横の比率となっており、この点もiPadと大きく異なるところ。Kinle Fireは新書、iPadは雑誌と例えてもいいかもしれません。

持つとずっしりと感じる本体

Kindle Fireを手にとってみるとずしりとかなり重く感じます。重さは413g、新型iPadの652gと比べると239gも軽いのですが、表面積あたりの重さを比較してみるとiPadは1平方センチメートルあたり1.46g、Kindle Fireは1.81gとかなりの違いです。余談ですがiPhone 4Sの場合は1平方センチメートルあたり2.07gとなっています。

そのため片手で長時間持ち続けるには少しつらく感じます。一般的な漫画の単行本の重さが150gほど、ハードカバーの厚めの本で300gほどなので、もう少し軽くなって300g前半くらいの重さとなれば理想的です。

Kindle Fireの外観は一般的なタブレット端末同様非常にシンプル。正面にはいっさいボタンがなく幅約1.5センチのフレームが囲んでいます。上部に左右二カ所のスピーカー、下部に電源ボタンとマイクロUSB端子兼用の充電アダプタ穴、そしてヘッドホンミニジャックがあるだけです。裏面はゴムが塗装として吹き付けられていて、滑らないようになっています。

写真3 背面写真
写真3 背面写真

少し残念な充電アダプタ

Kindle Fireの唯一の付属品が、マイクロUSB端子に差し込む充電アダプタ。残念なのが第三世代のKindleに付属していた充電アダプタはiPhone同様、USB電源アダプタに、マイクロUSB端子のUSBケーブルが付属していたのですが、Kindle FireではケーブルとACアダプタが一体化したものになってしまっています。

写真4 ケーブル
写真4 ケーブル

そのためパソコンとKindle Fireを接続し、パソコンからデータを転送するには別途マイクロUSB端子を用意する必要があります。この点が少し残念な点です。電源アダプタの出力は電圧が5V、電流が1.8Aとなっており、第三世台のKindleについていたものは電圧が4.9V、電流が0.85Aとなっています。

次回は、自炊したPDFデータを使って感じたリーダーとしてのKindle Fireの使用感やアプリなどのソフトウェアの使い勝手を紹介したいと思います。

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