五月の庭は勢いがいい。木には若葉が燃えるようで,
ひそかに
おおかたは鳥や風が運んできた。それが,
幼いころ,
不器用な植物もいれば,
猿がとるので猿捕茨,
ずっとあとで知ったが,
まわりの植物に巻きひげをからませて這い上がっていく。二本ずつが巧みにバランスをとって,
立つためのエネルギーを極力きりつめ,
巻きひげと葉っぱは上下の方向についている。そこがつけ目であって,
下の葉は早くに出たぶん,
カシワ餅はいかにも五月の食べ物であって,
大きな釜にセイロをのせて蒸した。蒸せぐあいによって匂いがちがってくる。甘いような匂いになったころにセイロを下ろし,
アツアツを頬ばっていて,