元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第1回 イメージし,強く願い,そして見極めろ

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人生の分岐点

締切はタイトだった。週刊誌を作りながら他の仕事をするのは難しい。でも,もちろん,オイラは即決でオッケーを出した。⁠やります,やらせてください!」

1秒たりとも悩まなかった。オイラみたいな人間が書いていいものか?なんて考えたら終わりだ。だって,答えはNOだもの。

物理的に考えれば不可能だったのも確かだ。でも,寝なければいいと考えた。24時間の使い方なんて自由だ。

平日の深夜から朝にかけて。そして週末,部屋にこもり寝ずにオイラは書き続けた。書きながら思った。これは絶対に一生に一度の大きな仕事になるだろう,と。

そして,これを完成させることによって自分の人生は大きく変わるだろう,とも。それがわかった。書きながらワープロを打つ指が震えた。今,オイラはとんでもないことをしているんだ,と。

その確信に間違いはなかった。

結果,ライナーノーツとしては異例の長文となった。ライナーノーツとは呼ぶことができないくらいのボリュームになってしまった。

ライナーノーツのテキスト名は本名ではなく⁠一方的な心の友人代表・イノマー⁠にしてもらった。ここからオイラのイノマーという人生がスタートした。

ベスト盤がリリースされ,数日後からオイラにはさまざまな仕事が大量に舞い込んできた。もちろん,オリコン以外の仕事である。

今はわからないが,当時のオリコンは外での仕事はオッケーであった。もちろん,そういった仕事を会社にフィードバックするということが大前提ではあったが。

雑誌,ラジオ,テレビ……オイラの仕事は増え続けた。そして,副編集長となり,半年後には編集長となっていた。

なんでも当時の社長秘書がオイラのライナーノーツを読んで,社長に「これ読んでください!」とベスト盤を渡したとか? この話はあくまでも噂に過ぎないのであるが。とにかく,この人生最大のチャンスでオイラは変わった。

29歳で編集長。これはオリコン史上もっとも若い編集長らしい。その記録(?)はいまだに破られていない。

もしかしたら,もうなかったことになってるかもしれないけどね?(笑⁠⁠。

ユアチョイス!人生は選択の連続

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ビッグ・ウェーブ……上手く乗ろうとなんて思わなくていい。そんなこと考えたら恐くて乗れやしない。その大きな波にのまれてしまえ!と開き直ればいい。だって,どうせ上手く乗れやしないんだから。溺れ,もがき続けること。とにかく,その波に向かっていくことが大切だ。そして失うことを恐れないこと。

今,自分にとっていちばん大切なものを手に入れるため,と腹をくくれば風景は見えてくる。どうにかなるもんだ。

あれもこれも手に入れようと思うのはぜいたくだし,不可能な話。もちろん,それを上手くやれる人間もいるのだろうけど,それは奇跡に近い。

人生はトコロテン。10入ってくれば10出ていくと考えたほうがいい。どちらを取るか。それを一瞬で判断しなくてはいけない。悩んでる時間などない。

友達も恋人も誰も決めてはくれない。決めるのは自分だ。オイラも自分で決めた。自分ひとりで。

そして,結婚して3年目の奥さんは家を出て行った。

“来るものは拒まず,去るものは追わず”

良い言葉なのかどうかはわからないが,オイラの人生というのはこの言葉に導かれてきたような気がしないでもない。

何か良いことがあると決まって良くないことが起きる。代償とでもいうのだろうか? でも,まー,そんなもんだ。

晴れる日もあれば曇る日もある。でも,晴れる日が来ると思えるからこそ,どんよりと鬱々とした曇りの日もどうにかやり過ごすことができる。

人生とは選択の連続。欲張りなオイラはときに両方を望むこともあった。でも,結局はどちらかを選ばなくてはいけないことになる。そんなもんだ。

ごめんなさいね,本当のことを言ってしまって(笑⁠⁠。でも,嘘はつけないもんで。

さあ,いきなり大きな波がやって来ました。あなたならどうしますか?

逃げ出すか,挑んでいくか。もちろん誰にも相談なんかできません。

やるか逃げるか?ふふふ。

叫訓1
ビッグ・ウェーブを見逃すな!
イラスト:オノチン

著者プロフィール

イノマー

昭和41年東京生まれ。駒澤大学卒業後,(株)オリコンに入社。10年間勤務し編集長2回,副編集長を3回務める。退職後,フリーの編集・ライターとなる。同時にバンド活動もスタート。メジャーデビューも経験し,現在はインディーズでの活動へ。過去に10枚のアルバムと2枚のシングルをリリースしている。

http://www.onamashi.com/

Twitter:@inomar_onamashi