最大のチャンス?
ときには自分のポテンシャルではどうにもならない相手と相対することもある。これは、どんな仕事をしていても一緒だ。
「いやあ、さすがに無理だよお」と。
あまりにも大きな仕事に躊躇してしまうのは当たり前。できれば、そんなことは他人に押しつけたいもんだ。
でも、それをチャンスと取るかどうかで人生は大きく変わってくる。
チャンス? いや、違うか。大事に考えることはない。な~~んにも考えないことがいちばん(笑)。
もうちょっとキャリアを積んでから……なんて思ううと、一生、そんな仕事は回ってこないかもしれないし、対峙することもできなくなる。
引越しをしたばかりでカーテンがない。とりあえず適当な布をカーテンがわりにする。まー、5年はそのまんまでしょう。
そんなもんだ。
いつか……なんてない。30代になったら、40代になったら? 正直、人間なんて小学5年生くらいで完成しているもんだ。
今、30代の中堅がやっている仕事なんて賢い(勉強ができるっていうわけじゃない)小学5年生でもバッチリこなせると思う。
だって、オイラなんて小学3年生くらいから脳ミソは変わってないもの。うん、やってることも考え方もぶれてない。
ま、大人になれない病気なのかもしれないけど……しみません。
上司と部下の関係について
とにかく、そう。やけくそ? そんなモードでぶつかっていくことも必要だ。
失敗覚悟。勝とうなんて思うことはない。どうにか引き分けにもっていくことだけ考えればいい。
大手企業との商談。会社の明暗を分けるような大仕事。そりゃ、ビビるってなもんだ。でも、そんなときはこう考えればいい。
こんな大事な仕事を自分に任せた会社が悪い!と。そう、全部、他人(上司)のせいにしてしまえばいいのだ。
結果がどうなろうと自分のせいではない。自分に任せた上司のせいだ、と。そう考えられればスゲー楽になる。
ま、デンジャーな考え方ではあるけど。でも、それくらいライトに考えないとやってられないこともあるのが事実だ。
そもそも、上の人間なんて下の人間に期待しているわけではない。だって、本当に大事な仕事だったら自分がやればいいわけだからね。可愛い子供には旅をさせろ、くらいに考えているもんだ。
上司というのは本来、部下の失敗を謝るために存在しているようなもの。少なくともオイラはそう思っていた。
中にはそんな責任すら回避するダメ野郎もいたりするけどね。部下よりも高い給金もらって働いてるくせに。
いや、働いてるフリだな。牛追いみたいな仕事。特にマスコミ業界にはそういった人間が多い。声がでかければいい、みたいな。
クソだ。
あれしろ、これしろ、やかまいーわ!
ま、そういう人はいなくなります。100パーセント会社から消える。消される。そんな人間をたくさんオイラは見てきた。
あと、この時代に平気で業界用語を使うような上司は信じちゃいけない。これ、マメ知識ね。恥ずかしくないのかなあ? ギロッポンって(笑)。
ホームランか三振か……
ええと、話を戻します。
90年代を席捲した超ビッグ・アーティストの取材を入社して1年も満たない社員Hに任せたことがある。
Hはそれまで雑誌関係の仕事をしてはいたが、賃貸住宅関係の仕事で音楽業界の仕事をしたことがなかった。
でも、任せることにした。入社してすぐに何かこのコは持っているなと思っていた。なので、経験を積んでもらいたかった。理由はそれだけ。ぶっちゃけ成果はそれほど期待していたわけではない。
取材対象の音楽ジャンル業界には有名なライターさんたちがたくさんいた。老舗の大御所ライターさんたち。お任せすれば間違いはおきない。無難にこなせる。
でも、オイラはプロのライターさんではなくHを投入した。何かおもしろい化学反応が起こるのではないかと。
ありきたりのライターさんのゲンコー、ページ作りよりもおもしろいかもしれない、と。
失敗したらオイラが謝りにいけばいい。いや、失敗しそうになったらすぐに出ていこうと思っていた。菓子折り持ってゴーー!
その結果……Hが表紙&巻頭特集を担当した号はバカ売れした。
とにかくグラビアとインタビュー内容が大反響となった。だって、真冬にメンバーを海に沈めてるんだもの。他誌は撮影スタジオできれいな写真ばかり。
そんな中、寒さに震えるメンバーを海の中へぶちこんでのロケ。
確かに普通のページを作るな、とは言ったが……ここまでするとは。
インタビューの内容はほっとんど音楽の話をせずにプライベートの話ばかり。
ありきたりのインタビューを取るなとは話したものの、ここまでの爆裂トークは想像もしていなかった。しかも、タメ語に近い。ローラか? いや、ぶったまげた。
よくもまー、事務所もレコード会社もオッケーを出してくれたもんだ。「いや、みなさん、楽しそうでしたよ~」とH(笑)。
アハハハハ。
これでいいのだ。
上司を作るのは部下だったりする
でも、考えてみればオイラもそんなことばかりをして副編集長、編集長となった。何も考えてなかったもの。
取材に行ったのに追い返されたことは何度もある。「何だこの取材は!?」って、怒鳴られた。カメラのフィルムを抜き取られたことも。
そのときは、きっと、その後に上司がかばってくれていたんだろう。上司というか、先代の社長だったかもしれない。
うん、きっとそうだな。
絶対に見てくれている人がいる。だから、鉄のハートを持つこと。そして、来た球は見逃さずに打とうと思うべし。
潔い空振り三振も美しいもんだ。
打席には立てません、と言ってしまえば、それで終わり。チャンチャンだ。ま、このことはこのコラムでずっと言ってきたことだけれど。
結局、必要とされるのは現場処理能力。どんなことが起きても動じないこと。ま、こんなこともあるだろうなあ、と。
軽く考えていればいい。
仕事をしているといろんなことがある。突発的なことでどうしよう?なんてことも。でも、慌てることはない。
どうにかなる。
今回の叫訓で言いたかったことは、自分ひとりで背負わずに上司のせいにしてしまえ!と いうこと。そして、何よりどんな場面になろうが堂々と落ち着いていればいい。
交通事故もそうだけれども、世の中、謝ったら負けだ(笑)。
心の中でごめんなさい、と。
上司と上手い関係を作ってさえおけばどうにかなる。そして、その逆も言える。上司と上手い関係を作っていなければ、どうにもならないこともある。
要するに上司だって同じ人間。
でも、上司は上司。いざというときには頼りになるもんだ。だって、上司なんだもの。これ以上に便利なものはない。
だからこそ、自分にとって有益な(?)上司を作るべし。見つけるべし。
上司を嫌ってはいけない&もったいない。こんなに便利なアイテムはないのだから。
利用すればいい。