元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第17回記憶に残し、記憶に残れ

手帳の強い味方は付箋!

最近、年齢のせいかモノ忘れが激しい。すくっと立ち上がり、2~3歩で自分が何をしようとしていたのかが思い出せない。

あれれ? 弱っちゃったな、どうも。一応、冷蔵庫なんかを開けてみるものの、違うなと。う~~ん。

トイレに行き、便座に座って考える。一体、何をしようとしていたんだっけか?と。そして、部屋へと戻り煙草を吸いながら思い出す。

あ、そっか。

で、また数秒で忘れる。こんなことの繰り返し。なので、最近は思いついたことは必ずメモすることにしている。今日やらなくてはいけないこと、明日やらなくてはいけないこと。

もちろん、手帳にも記入する。いちばん便利なのは付箋だ。ちと太めな付箋を手帳なりメモ帳なりにバシバシ貼りつける。

付箋に一言メモ。まず、書くというのが脳ミソにインプットされるのだろう。これは、かなり効果的だ。

おかげでオイラの手帳は付箋だらけ。でも、終わった仕事や用事に関しては捨てていけばいいので、時間が経てばスッキリとはしてくる。取り忘れなければの話だが……。

新聞記者の取材にビックリ!

そう、オイラは学生時代から書いて覚えるということを習慣としてきた。漢字や英単語は1本のボールペンインクがなくなるまで書き続けた。

なので、これは昔からの癖みたいなものである。というか、書かないと落ち着かない。

でも、最近はmtg(ミーティングのことね)で紙もペンも持たず、パソコン1台を持ってきてパチパチやりながらする人って多いッスよね? つーか、ほとんどがそうなんじゃないかしらん。

あれ、オイラにはムリだ。でも、現代のmtgにはあれがベストなんだろうなあ……。時代は変わる。そして、オイラは変わらない。変われない。

話はちと逸れるが、その昔、新聞記者さんに何度か取材を受けたことがあるが、彼らはテレコとか録音機器を使わないのね。

メモ帳とペンで話を進めていく。オイラなんかテレコとMDとICレコーダーの3台を使ってたもの。

気になって記者さんに聞いてみた。⁠録音とかしないんですか?」

「はい、新聞記者は基本、聞き書きです」

要はテープ起こしをする時間を短縮するというか、そんな時間が無いのであろう。インタビュー取材の形式もQ&Aじゃないことのほうが多いもんね。

いわゆるコメント挿入パターン。取材相手の発言を「あいうえおかきくけこ」と原稿の中に入れていく形。

ま、確かにそのほうが作業的には数倍速い。ライブ感はないけれど、情報的には何の問題も無い。新聞社独特のやり方だ。

ま、今でもそうなのかはわからないけど。

記憶力の低下はビジネス・チャンスを逃すことにもなる……

で、今回の叫訓テーマは⁠記憶力⁠について。これは仕事の上で非常に重要なことである。記憶力が鈍ってくると困ったことになることがと~~~っても多い。

たとえば電話がかかってくる。携帯電話に登録しておけば問題ないが、たまにそうではない人から電話が入ることも。会社の電話にかかってきたりなんかすると、これは致命的である。

「あ~、もしもし、ご無沙汰してまー⁠ーす!」

「あっ、どうもどうも」とオイラ。

それからノビノビTALKは数分、続く。で、久しぶりに会いましょう、飲みましょうなんていう話に。で、電話を切った後に思う。オイラは誰と話をしていたのだろうか?と。

先方はやたらとフレンドリーだった。きっと、昔一緒に仕事をした人なのだろう。でも、それがどんな仕事だったのかサッパリ思い出せない。でも、会う約束はしてしまった。

話の途中で「すいません、どなたでしたっけ?」とはどうしても言えない。

オイラは下北沢に住んでいるのだが、街を歩いているとポンポン肩を叩かれ、⁠お久しぶりですね~~、元気でした?」なんてことも多々ある。

心の中では誰だこいつは?と思う。でも、言えない&聞けない。それで5分くらい地獄のような立ち話。

なるべく、相手の名前を口に出さないようなトークを心掛ける。でも、向こうはオイラの名前を連呼している。

こ、これはまずい……。脇の下から嫌な汗が滝のように流れているのがわかる。どうにか切り抜け、⁠それじゃあ、また!」

ふう。

改めて名刺交換をするものの思い出せない。いやあ、これは本当に良くない。何より、これでは仕事が増え、広がるはずがない。

名前を呼ぶ、呼ばれるということ

相手の名前を呼ぶ、会話の中に入れるというのはとても大切なこと。自分の名前を口にされることで、相手は気分が良くなる。

と、同時に責任感というのも生まれてくる。あ、この人は今、自分に話をしてくれているのだ。ちゃんとしなくては、と。

テレビの情報番組を観ていて、その辺、すごいな~と思うのが『情報ライブ ミヤネ屋』の宮根さん。

彼はコメンテーターに話をふるときに必ず、⁠ということなんですけど○○さん、これ、どう思います?⁠⁠、⁠○○さん、この話なんですけどね……」と最高のタイミングでコメンテータの名前を入れ込んでくる。

当たり前の話かもしれないけど、あの名前の差し込み方は天才的だ。

明石屋さんまさんもそうか。とにかく、会話の中に相手の名前を何発入れるか。これ、マジで大事なこと。しかもスマートに。

そう考えるとプロ野球の監督なんて大変だよなあ。1軍、2軍も含めて全員の顔と名前を覚えなきゃいけないんだもん。

オイラがオリコンに入って、社長に顔と名前を覚えてもらうまではそれなりに時間がかかった。エレベーターの中で初めて名前を呼ばれたときは本当に嬉しかった。

仕事、頑張ろう!と思った。

人間なんてそんなもんだ。単純な生き物である。でも、そんな単純なことで円滑に仕事は進む。

うん、これはまかり間違いない。

大企業の中、社長に名前を覚えてもらうのは難しい。社長だって心の中では「この社員は誰だ?」と実は冷や汗かいてるもんだ。

つーことで今回の叫訓↓

叫訓17

記憶力高めて相手の名前を覚えるべし!
そして、相手に名前を覚えられる人間になる

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