<お悩み>
将来に不安しかありません……
(WSさん・男性・30歳・無職)
結婚したものの無職になりました
たくさんのお悩みありがとうございます(?)。って、喜んじゃあいけないな。でも、気になったお悩みには、一方的ではありますが、お答えしようと思っています。
って、人様の悩みを聞いてる場合じゃないんだけどね(笑)。
で、毎回というわけではなく、通常の叫訓も続きますんでよろしくお願いします。
さて、最初のお悩みは仙台市在住の今年11月で30歳、無職の既婚男性、WSさん。結婚2年目とのこと。
≪ちなみに、WSさんの言葉の引用は都合上、編集させていただきますが、基本は忠実に再現するよう努めます。≫
WS:『今年8月に3年半勤めた会社を自主退職しました。退職理由は職務についていけなくなったからです。一般職から役職を与えられ、求められている仕事に耐え切れず逃げてしまいました……。』
30歳男性。働き盛り。30歳の頃のオイラは何も考えず働きまくってた。29歳で編集長になったので、ほっとんど家に帰らずひたすらゲンコーを書きまくってた。
耐え切れない、という次元を超えてクルクルパーになってたんだと思う。役職を与えられたら、それをマジで受け止めたらしんどい。
もう、バカになるしかない。冷静に考えたら心が病む。WSさんはマジメ過ぎたんだろう。でも、よ~~くわかる。
自分には向かないなと思ったら、出世なんて断ればいい。
人生なんて人それぞれ
オイラの先輩にKさんという名物編集者がいた。会社にいる理由は海外への電話が使い放題だったから。Kさんは会社にいながら海外のレコードを大量に購入して日本国内で販売していた。
会社員としての仕事は適当。社内ではほっとんど電話でやりとりをしていた。もちろん、電話代が高過ぎると通告される。
そんなときは迷わず土下座。そして、数分後にはまた海外に電話。そんなKさんにも出世のチャンスがあった。洋楽にいちばん詳しいのはKさんだったから。洋楽担当のチーフになるという話。
一般の編集から役職へと。でも、Kさんはあっさりと断った。「忙しくなると、仕事(個人)ができなくなるからさー。」
バイト感覚か?(笑)。でも、それくらいのスタンスがいちばんラクなのかもしれない。雑誌編集の仕事なんて終電か始発で帰るもんだ。でも、Kさんは17時にはタイムカードを押して帰っていた。「どうも~」って。
ハート強っ!
みんなが徹夜続きでゲッソリしているときに、17時キッカリに帰る勇気。さすが、“腰かけOL”と呼ばれるわけだ。
中途半端な出世欲なんて中途半端な結果を生み出すだけだ。だったら持たなければいい。
後輩に追い抜かれようが何も感じないハートを持つことが大事だ。ノー・フィーリングス。もちろん、Kさんには輸入盤セルフ・ビジネスがあったというのが大きかったとは思うが。
会社は生活のために利用するくらいの気持ちが必要なのかもしれない。
「いつまでも平社員でいいのか!?」、上司に言われKさんは笑顔で「はい」と答えた。オイラはカッコいいとさえ思った。
どでかい嘘をつこう!
WS:『会社を辞めたもう1つの理由は“小説家”という夢ができたからです。小説家として食べていける目処として、賞をとりたいのですが、それまで嫁に食べさせてもらう(無職)は難しく、何かしらの仕事を見つけるため、ハローワークに通っています。小説家になる自信がないから、とりあえず仕事に就き安心したい気もします。何がしたいのか、何が不安なのか、自分でもわかりません。』
う~~~ん。
結論から先に言ってしまうけど、きっと何もできないでしょう。申し訳ないッス。自分が何をしたいのかわからない人には何もできません。冷たいようだけど、そんなもん。
こうなりたい、こういうことがしたいという明確なヴィジョンがなければ、そこには到達しない。到達するわけがない。
バカみたいにでっかい夢でも常に口にして、イメージしていれば可能性は0ではない。オイラのまわりには阿呆なバンドマンが多いから、お酒に酔うと大きな夢を話す。でも、そういった話を聞くのは嫌いではない。
実際、東京ドームのワンマンまで成功させたバンドもいる。下北沢の汚い焼き鳥屋で話したことを数年後に実現させた。
小さな嘘は自分を苦しめるだけだ。でも、どでかい嘘はやがて本当になることもある。
何がしたいのかわからない? それは、もはや悩みですらない。では、何で第1回の『駆け込み寺』にこのメールを選んだか?
こういう人って多いだろうと思ったから。でも、切実なんだとは思う。
何がしたいのかわからない……そんなときは何がしたいのかを考えるのではなく、何をしたくないかを考えればいい。
ノートにやりたくないことを書き出していけば1時間もすればページは真っ黒になるはず。そうすると、消去法で自分のやりたいことというか、“やるべきこと”がハッキリとする。それに忠実になればいい。
やれることはすべてやるべし
WS:『余計なことを考えず、仕事なら仕事だけ、小説なら精根果てるまでやり続ければ納得するんでしょうか? 将来に不安しかありません。』
オイラも自分の将来が不安です(笑)。
漫画家の赤塚不二夫センセー(先生ではなくセンセーね)とお会いしたときに言われた言葉で忘れられないのは、「男はこれで一生、食べて行ける! と自信が持てる仕事に出会うまでは遊んだり、悩んだりしている場合じゃない」というもの。意外でしょ?
あのセンセーがよ。
漫画で食っていけると思うまでお酒も女遊びもしなかったらしい。だから、センセーが遊びはじめたのは30歳を超えてからとのこと。
ま、そのリバウンドでその後はムチャをしたんだとは思うけど。
WSさんは、まずはセンセーの言うように、やりきるしかないんじゃないでしょうか? そして、センセーはこうも言っていました。「マジメな人間はダメ。つまんない。」
WSさんからいただいたメールを読んでいて思ったことは、マジメな人なんだろうなあ、と。でも、それは悪いことではないとオイラは思います。だけど、マジメだけでは小説家にはなれないと思う。いろんなことを観て、聞いて、体験しないといけない。
仕事をとるか、小説家への夢をとるか? 両方でいい。どちらかを選ばないといけないわけではないんだから。つーか、それくらい器用な脳ミソを持っていないと難しい。
オイラの友達にも売れていないけれど小説家はいる。みんな、昼間に仕事をして夜に小説を書いている。
職業を聞かれたら「小説家です」と。まー、そんなもんだ。
だから、オイラからWSさんに言いたいのは、“悩んでるヒマなんてない”ということ。アッという間に40、50歳になっちゃいますよ。
っちゅーか、これ悩みでも何でもない。
オイラ、占い師でもお医者さんでもないんで。申し訳ないッス。
何も言えません。つーことで↓
叫訓51
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