ニュース&情報番組は録画する時短作戦
オイラは朝の4時から午後7時まで毎日、情報番組を録画している。全部で7番組。これを深夜に早送りでチェックする。
会社員ではないので、生で観ることもできる生活ではあるのだが、基本、テレビはすべて録画して観る。夜のニュース番組も録画。
朝昼晩、情報&ニュース番組を1日に10番組以上録画する男。一体、オイラは何がしたいんだろう、何を知りたいんだろう?(笑)。
結果、リモコンの早送りボタンは擦り切れて“早送り”というプリントが消えてしまった。ま、もう指の感覚でどこが、どういったボタンなのかはタッチタイプで操作できる。って、自慢できることじゃないけど……。
オイラの知らないところで何が起こっているのか気になってしょうがない。
そんな中、いちばん楽しみにしているのはMXテレビの『5時に夢中!』。ま、情報番組というよりもバラエティに限りなく近いのだけれど(失礼)。
でも、『5時に夢中!』というのはコロンブスの卵だと思う。ニュース番組、情報番組だからこうしないといけない! という考えをブッ壊した。今日あったニュースを掲げるだけで、それに対しての真面目なコメントはほぼナッシング。いや、斬新だ。
まさに、ザ・ブルーハーツが音楽シーンに登場してきたときくらいのインパクトと勢いがある。今後、こういったアプローチの番組は増えていくことだろう(たぶん)。
使ってはいけない言葉?
さて、今回の叫訓でオイラが叫びたいのは“規制”というものについて。
オリコン編集長時代はこの“規制”という厄介なもんとの闘いの毎日。でも、オイラがやっていたことなんて、可愛いもんで、規制される価値すらないことだった。
ふざけてるだけ。国家を揺るがすような大きな問題が生じるわけではない。小学生が好きで喜ぶようなことを書いていただけだ。
幼稚な話。でも、それが会議では問題視される。いい大人たちがオイラのそういった文章に敏感になっていた。
それに対してオイラは本気でぶつかっていた。おもしろければいいじゃないか、と。ま、今から考えればどっちもどっちな話ではあったかもしれない。
でも、ムキになるっていうことは大切だと思う。“まー、いいや、オイラ以外の人がそう言うんだったら、そういうことだろう”と、思ったらおしまいだ。
ささいなこと、小さなことにでもムキになって本気にならないと企業(集団)の中では自分がいなくなってしまう。
ま、ダメなもんはダメなんだけどね。そこの引き際はわかっているつもりだ。
でも、一応、言っておかないとね。
長いこと文章を書いてきたため、この言葉を使ったら面倒なことになるということは完全に判断できる。自分が作っている雑誌だったら通してしまうけど、他社にお願いされた原稿で迷惑をかけたくないのでパスする。
音楽業界を震撼させた小さな事件
10年くらい前か? 自分のバンドでメジャー・デビューをした。大手メジャー・レコード会社との専属契約。
ザ・ブルーハーツがメジャー・レコード会社との契約の際に条件として出したのは“歌詞を変えないこと”であったが、オイラのバンドもそれに近いことだった。
ま、うちらの場合はそんなシリアスな話ではなかったんだけどね。でも、担当者が頑張ってくれた。言葉の壁を会議で通してくれた。
ソニー・ミュージックという大きなレコード会社の前例を変えたバンド。曖昧なまま本稿を進めるのが嫌なんで、ハッキリ言うけど“ポコチン”という単語をオッケーにさせた。
「ポコチンっていう単語がNGなら、契約はできません」とオイラ。「わかりました。会議にかけてみます。かなり難しいかもしれませんが、全力でぶつかりますんで」と担当者は真面目な顔で言った。
「よろしくお願いします。」
これが音楽業界伝説の(?)、SRポコチン会議。日本音楽業界がちょっとだけ揺れた。
そして、2003年、晴れてうちのバンドはメジャーデビューすることに。ま、その約1年後には契約解除となったけど(笑)。
ちなみに、その担当者は今では出世して、重役になっている。わからないもんだ。
テレビ業界で最大のNGとは……
オイラは下ネタが好きなわけではない。カン違いされることも多いけれど、普段のオイラを知っている人ならわかるはずだ。
ま、確かに下(シモ)の歌詞だらけのバンドをやって、原稿でも、そういったことをネタに書いたりはしているけれど、それはあくまでもネタでしかない。誰かを誹謗中傷したり、差別したりとは違う。
バンド(表現)というのは、誰かを傷つけるのではなく、自分を傷つける作業だとオイラは思っている。ステージに立ったら、自分はお客様の生贄でしかない。
人を楽しませるためには、自分が犠牲にならないと成立しない。自分を差別する。
北野武さん(当時、ビートたけし)がツービート絶頂期のときに言っていた。テレビでいちばん危険な発言はスポンサーの悪口だと。いわゆる、放送禁止用語集に載っている言葉ではないということだ。
ツービートはそのギリギリのラインをネタにしていた。ま、ギリギリ・アウトだったかもしれないけど(笑)。でも、そのいちばん危ない橋を天才的なバランス感覚で渡ったからこそ時代を作ることができた。
MAKING THE ROAD!
この数年、テレビを観ていて驚くのは“こびと”という言葉がOKになっているということ。オイラの記憶が正しければ、10年以上前はOUTだったはず。
何かが変わった? そうではない。なんとな~く、ゆるい感じでときが経って使われるようになった。結局、すべては↓
テレビ、ラジオ、雑誌……規制はそれぞれの会社が独自に決めること。社内の暗黙ルールがストップをかけている。それだけの話だ。
それはやはり武さんが言ったように、スポンサーへの配慮からくることが大きいのだろう。
オイラも会社員時代、広告をもらっている企業をいじり倒した文章を書いて降格になったことがある。愛情からだったんだけど通じなかった。ま、そんなもんだ。
そう、だから、今回の叫訓で言いたかったことは“STOP THE STOP!”。
ツービートがお笑い界を変えたのは自主規制という枠を突破したから。そして、今、MXの『5時に夢中!』が気になるのは自主規制のカギを外し、タブーに挑んでいるから(そこまで考えてないか?)。
前例は前例。新しい例(ルール)を作ればいい。それは、やがて前例になる。
どうか、とくにヤング世代には規制というアバウトな縛りを恐れず、新しい道を作ってもらいたい。そう、未来はキミらの手の中! オイラたちの老後をよろしくーー。
叫訓52
行動に規制をかけているのは自分自身
ブレーキをかける必要なんてないのだ