食事会でのNGトーク
先日、某タレントさんとの食事会があった。知っている人は知っている、知らない人はまったく知らないという(当たり前か)タレントさん。オイラは知らなかった。
なんとな~く、顔は見たことあるかな? という曖昧な女性タレント。年齢は30歳前半。
最初は楽しくお酒を飲んで食事をしていた。特別美人だったり、可愛かったりするわけではない。めちゃくちゃオシャレとか、トークが上手いというわけでもない。
街を歩いていてもタレントさんだとは気づかれないだろう。そういった地味なタイプ。
ただ、プライドが高いというのはすぐにわかった。オイラにはそういったことを初対面で見抜く才能がある。というか、編集長時代に山ほど面接をしてきた職業病なのだろう。
お酒が進むにつれ、彼女は少しずつ本性を現しはじめた。所属している事務所の不平、不満をぶつぶつと話し出したのだ。
最悪のパターン。こういう場でいちばんしてはいけない話だ。場はしらけ、ムードはドヨ~~ン。みんな無言で彼女の話にうなずくだけ。もちろん、脳には一切入っていない。
早く帰ってくれないかなあ、と。可愛気のない女のコってダメだと思った。つーか、空気の読めない女子って最悪だ。タレントとしても致命的だと思う。
負のスパイラル
彼女が言うことには事務所が何にもしてくれない、と。仕事も自分で取って来て、ひとりで行ってひとりで帰る。でも、そのわずかなギャランティーも事務所に収める。それだったら、事務所なんか必要ない! と。
うん、いや、まったくその通りだと思った。だったら事務所なんかヤメればいいのだ。「じゃあ、そんな事務所だったらヤメればいいじゃん。自分でやれば?」と何度も言いそうになって、その言葉を飲み込んだ。
彼女は日本酒を飲みながら、どれだけ自分が悲劇のヒロインかを延々と話し続けた。遊園地での営業や、商店街の営業の話。とにかく事務所への愚痴しか出てこない。そこに笑いがあればまだ救われるのだけれども、一切、笑いはナッシング。
話を聞いてみると、もう事務所を5社くらい転々としているらしい。まー、みなさん、もうわかりますよね? この人、もう、一生、売れません。でも、本人は売れたい、売れるはずの一点張り。
事務所が何もやってくれないから自分は売れないというタレントと、売りようがないから手を焼いている事務所。これぞ、まさに負のスパイラル。
きっと、何も生まれることはないだろう。
売れてないことを事務所のせいにするところまで落ちてしまったらおしまいだ。
才能があるタレントは事務所の力がなくても売れるものだ。そもそも、“タレント”という言葉の意味は“才能”である。
事務所を動かすくらいのパワーがなければタレントなんてやれるもんじゃない。
自分を切り売りする覚悟
食事会であった女性タレントはとにかくNGの多い女性だった。とにかく、まー、あれは嫌だこれは嫌だ。まったく関係のないオイラでさえ苛々とした。
その女性は服の上からでもわかるくらいにポッチャリとしていた。なので、グラビアやイメージビデオもNGとのこと。
「グラビアはもうムリかなあ……」と彼女。「オファーが来ても断ってもらってる。」
じゃあ、オメエ、何ができんだよー!
ま、絶対にグラビアのオファーなんか来てないと思うけれど。
それでも、言い張る彼女。「テレビや映画の世界でやっていきたいから、自分に嘘をつくようなことはしたくないのよね。」
う~~~ん。
樽ドル(ポッチャリのアイドル)という道もあったろうに。でも、彼女にはその選択はなかった。
とにかく、プライドが高い。それなりの年齢でスタイルも良くないのなら、自分で自分の売り方を考え、実践するしか生きる道はない。でも、彼女はすべてにNOと。
では、彼女に何ができるのだろうか?
きっと、何もできないだろう。
コンプレックスこそが身を助ける
芸能界で売れている人たちは自分の短所を武器にしている人が多い。ハゲやデブ、チビなどは最高の持ち味となる。
トリオ芸人、我が家の坪倉さんはイケメンだけれどもハゲている。でも、彼はそれをネタにして、売れっ子芸人となっている。
あのルックスでハゲていることをカミングアウトするのには勇気が必要だったであろう。植毛も可能だったはずだ。美形で薄毛。神様は意地悪なもんだ。試練を与える。
でも、彼はハゲをあえて笑いのネタにした。ぶっちゃけ、感動。それまで、そんなに好きではなかったけれども、大好きになった。
ハゲがカッコいいとさえ思わせてくれた。清々しい。今では大ファンだ。
ナインティナインの岡村さんはチビのネタでブレイクした。そして、今ではチビにプラスのちょいデブである。でも、それが国民的な人気者の要因でもある。
オイラの愛するエガちゃん(江頭2:50)はコンプレックスのデパートだ。でも、それを彼は最大級に活用する。
だから、エガちゃんは女性にモテる。モテないキャラで売っているエガちゃんには申し訳ないけど、オイラのまわりの女性85%はエガちゃんのファンだ。そして、ほぼ100%に近いくらいに男性からの支持も得ている。
背負い投げ~~~!
今回の叫訓を食事会でお会いした某女性タレントさん(読んでいるかどうかわからないけれど)が読んでいてくれていたらなあと思う。
自分の欠点や短所、弱点を隠すようでは未来はない。女性シンガー、Charaを初めて見たとき、オイラはこんな唇の女のコがいるんだ!? って驚いたけれども、すぐにそこが好きになった。
オリコン編集部時代、田舎から出てきて方言が抜けなかった男性社員がいた。彼は必死になって東京弁を話そうとしたが、オイラはそれを止めた。そのままでいいじゃないか、と。
訛りが強いままのインタビュー。でも、彼はそれで取材相手に好かれ、大物アーティストからの逆指名すら受けた。そんなもんだ。
どんな人間にだって長所ではなく、短所はあるはずだ。コンプレックスだったりね。それを自分の個性だと受け止めること。そうすればDOにかなる。うん、絶対に(たぶん)。
今現在、テレビで“おネエ”系タレントが大活躍。観ない日はない。でも、彼女or彼たちの葛藤たるやハンパなかったと思う。カミングアウトするかどうか?
でも、背負い投げ~~! ってな感じでコンプレックスをブン投げたんだと思う。
その男らしさ(?)を叫訓にしてもらいたい。何かを引き換えにしなければ得られないことってーのもあるもんだ。
オイラは自分が長いことDTであったことをカミングアウトして歌にした。そうしたら、まさかビックリのメジャーデビュー(笑)。
人生なんてそんなもんだ。
叫訓53
人生に煮詰まったなら
プライドを捨て開き直ること