あっ? はっぴーにゅーいやー!
今年初の叫訓でございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、2014年がスタートして個人的最大のニュースは銀杏BOYZが遂にニューアルバム2枚を同時リリースするということ。
1月15日、何とビックリの9年ぶりのアルバム。約10年。いや、オイラは嬉しくてしょうがない。ジ~~ン。
正直、約10年って音楽シーンにいながらこのスパン(期間)というのは危険だ。忘れられてしまう可能性も大。
でも、考えようによっては10年なんて、たかが10年でしかない。銀杏BOYZは自分たちの納得する作品を完成させるため妥協することなく、9年間、2枚のアルバムに全力を注いだ。オイラは美しいと思う。
ニュー・アルバムは彼らの血と汗と涙と生々しい青春が詰まった壮絶で濃厚な作品。
仕事においては、妥協も必要だという考え方もあるけれど、1回妥協してしまうと、それに甘えてしまう最悪のシナリオが待っている。
たとえば、10年に10枚のアルバムを出すバンドと10年に1枚のアルバムを出すバンドでは、ファンにとって前者のほうがありがたいのだろうが、それはバンドの考え次第。やり方はそれぞれだ。
中には10年待たされて、じらされたほうが嬉しいというファンもいるかもしれない。
薄く、薄くする作業
オイラが愛してやまない芸人、江頭2:50の名言は「1クールのレギュラーよりも1回の伝説」。まさにこれぞ、人生の叫訓だ。
テレビに出る回数は少ないのに、雑誌の“嫌いな芸人ランキング”で9連覇。これは偉業だ。事務所のマネージャーさんが言ってた。「もう、毎年なんで写真を送って欲しいって言われなくなりました。流用(同じ写真を使いまわすこと)です。」
万人に好かれよう、理解されよう、共感を得ようと思うのは正しいことかもしれない。でも、オイラは100人に好かれるより、99人を敵にまわしても1人に溺愛されるほうを選ぶ。これはオイラがやっているバンドのスタンス。自分の“やり方”だ。
バンドが売れていくには過程というものがある。大手インディーズ事務所Aの会長さんは言っていた。「バンドが徐々に人気が出はじめた頃のお客さんというのは濃い~い人たちが多い。でも、ライブハウスからホール、武道館、DOMEへとバンドを大きくするためには、濃い~いお客さんを薄くする必要がある。そうしないと、バンドはいつまでもライブハウスで終わってしまう。」
う~~ん。その話を聞いたとき、オイラは大きな鉄板で小さな小麦粉のかたまりが薄く、薄く伸ばされていく様子が浮かんだ。
社長さんの言うことは確かにそうかもしれない。でも、小さなライブハウスに集まってくれるお客さんは観に来たバンドのCDを持っているだろう。
武道館やDOMEに集まってくるお客さん全員がステージで演奏するバンドのCDを持っているかというのは疑問だ。
バンド本人たちは自分たちの出したCDを持っている人たちの前で演奏したい。でも、事務所サイドはそんなこと関係ない。薄くして、薄くして、ライブ会場を広くして有料入場者数が増えることを考える。
バンドによっては、とりあえずお客さんが増えればいいと考えるグループもいるだろう。でも、まー、薄いお客さんの前ではそれが持続するのは長くて5年だ。安易な考えでは、すぐに消えてなくなる。そんなバンドをオイラはたくさん見てきた。
10年、15年、20年……続いているバンドは濃いお客さんを持っているバンドばかり。売れていた時代には武道館ワンマン公演をやったバンドが、今では下北沢の小さなライブハウスでやっていたりもする。客層を薄めて、再び濃い客層へと。でも、バンドもファンも楽しそう。人の幸福感なんてそれぞれだ。
3,000という数字について
人気バンドを多く擁した某インディーズ事務所Bの社長はこうも言っていた。「ライブ・イベントで自分たちが把握できるのは3,000人まで。それを超えると、自分たちが誰のために何をやっているのかわからなくなってしまう。だから、いくらチケットが売れようと、会場を大きくしたくはない。」
なるほど、と思った。ま、欲のない話と思うかもしれないけれど、こういう考え方ができるというのは大切なことだ。
ま、バンドがどう考えるのかは難しいところではあるけれども。
“誰が誰のために何をしているのか?”
いちばん大事なのはそこだ。それを見誤らなければ3,000人という数字も変わってはくるだろう。でも、それには限界がある。そういったことを社長は言いたかったのだろう。
元々は小さな事務所。社長は誰が誰のために何をしているのか把握できていた。でも、人気バンドが増えていくごとに不安になる。
気づけば知らないスタッフがあちらこちらに。自分の知らないところで、新しいバンドのリリースが決定している。会社としては成功かもしれないが、社長としては何かが違うと。
結局、その社長は今では生まれ故郷に戻り農業を営んでいる。ま、そういう伝説の人がいましたという昔話でしかないんですが。
しみません。
どうでもいいと思っていたら、どうでもよくなってしまう
オイラは今年で48歳となる。もう立派なおっちゃんだ。食べたい物というのも特になくなってきた。これはいけない傾向だ。
食欲はなくてもお腹は減る。人間だもの(A.M.)。だから、テキトーなモノを腹につめこむ。それでスルー。でも、なぜだか納得いかない。常に空腹感はつきまとう。
寝たいときに寝れればいいけれども、そうもいかない。中途半端な時間に中途半端に寝るとヘンな疲れだけが残る。寝起きは最悪。
好きな女のコとキスがしたい。でも、できない。だから、好きでも何でもないコとキスをしても、自分の中での満足感は0だ。というよりも、罪悪感しか残らない。
どうでもいい100人の女性とネタ男よりも、人生で1人の女性を愛し続けた男のほうが濃い~いラブ・ストーリーがあるような気がする(モテない男の言い訳か?)。
9年かけて2枚のアルバムを完成させた銀杏BOYZのボーカル・峯田和伸氏は久しぶりに会ったインタビューでこう語った。
『煩悩? めっちゃあるよ!(笑)。なんかさー、他人と違うのかなあ。みんな、薄いじゃん。話聞いてると。特に若い人なんか特に。何で~? って思うよね。自分が20代の頃と比べると薄いよね?』
貪欲になり続けた9年。お疲れさまでした。そして、おかえりなさい。みんな、待ってたんだから。
自分が本気でやりたいこと、思い描いていることをやり遂げないと達成感などありゃしない。それを苦悩と混沌の中、具現化した銀杏BOYZに拍手&乾杯! そして、敬礼。
つーことで2014年最初の叫訓↓
叫訓57
本当に食べたい物を食べないと
空腹は充たされない