元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第62回「お悩み駆け込み寺(2)」――僕は昔から独りでいることに苦痛を感じません…

みんな悩んで大きくなった

久しぶりの読者さまのお悩み。たまには、叫訓も違ったテイストでお届けしないとね。

ま、どんな人間にも悩みの1つや2つあるもんだ。オイラにもある。ま、今年48歳にもなる男が悩んでる場合じゃないんだけど。

オイラの場合は悩みというか不安だ。老後とかね。ここまで好き勝手生きてきちゃったんだからしょうがないけど。自業自得。

10代、20代の頃は、まさか、こんなダメな大人(?)になるとは思ってもみなかった。人生やり直せるなら……いや、また同じ過ちを繰り返すんだろうな。

つーか、あのときああしておけばなんて思わないこともない。タイムマシーンがあれば、⁠そっちじゃないよ、逆だって」って、昔のオイラに教えてあげられるかも、と。

でも、そんなことはしないか。確かに30代の頃には人生の転機、分岐点みたいな瞬間を感じたことはある。実際、自分の人生は大きく変わった。それが40代後半になって、じわじわとボディブローのように効いてきた。

離婚、退職、事務所立ち上げ&倒産……。

自分の取った選択が正しかったのかどうか。でも、後悔はしていない。右を選んで失敗したのかもしれない。でも、それはそれで良かったと思うようにしている。左を選んでいたら大失敗していたかもしれない。

悩みは特技ともいえる自分の傾向

さて、今回のお悩み相談はこの方。

  • 名前:もぐら
  • 年齢:30歳
  • 職業:会社員
  • 性別:男性

で、いただいたメールに目を通したのだが、悩みというか、これは人の傾向。どう答えていいか、オイラが悩んでしまった(笑⁠⁠。

<お悩み>

「僕は昔から独りでいることに苦痛を感じません。孤独で寂しくなったことは少なく、むしろ独りで旅行したり買い物やライブフェスに行ったりして、リフレッシュすることが大好きです。」

う~~~ん、大好きだったらそれはそれで何の問題もないのでは? いや、そんなことを言っちゃいけない。せっかく悩みを告白してくれたのだから。

でも、これってマブで悩みではなく特技だよなあ。うらやましい。オイラはまわりに誰かいないと寂しくて仕方ない。

18歳くらいのときはよく「人間なんてひとりで生まれ、ひとりで死んでいくんだ」なんてカッコつけて言っていたような気がするが、本気でそんなことを思っていたわけではない。

大好きだったバンドのギタリストが言ってたからだ。受け売り。若かったなあ。

そもそも、人間はひとりで生まれたわけじゃない。ま、孤独死は恐いけど。できることなら、家族に見守られて死にたいもんだ。

コミュニケーション・ブレイクダウン

<お悩み>

「学生時代は友達がいないとダサいと思って、少し無理してコミュニケーションを取っていたんですが、社会人になってから、仕事以外はまったく人とコミュニケーションを取らなくなりました。」

ま、会社に勤めて仕事先の人とコミュニケーションが取れてるのならいいんじゃないでしょうか? まともなほうです。

オイラのまわりには会社勤めもせず、部屋にひきこもり、パソコンでGoogleマップのストリートビューばかりを見て、1日中、発泡酒を飲み続けているという40代がいます。もちろん、DT(異性との経験0⁠⁠。

外出するのはコンビニに行くときくらい。でも、彼は何の疑問も持っていません。いや、ここまでくると、これまた才能。

働かず、誰とも会話をしない生活……一体、どんな夢を見ながら寝ているんでしょう。もちろん、親が金持ちということが大きいのは確か。ま、人生いろいろッス。

ちなみに、もぐらさんには彼女がいるのでしょうか? いや、愚問ですね。申し訳ないです。人とのコミュニケーションが好きではないのなら難しい話だ。

オイラのそばには10代から50代までのDTがいっぱい。みんな、理由はそれぞれ。いや、ぶっちゃけ理由なんてないんだけどね。

運命みたいなもんだ。受け入れるしかない。オイラも23歳までそうだった。だから、ひとりで四畳半のアパートで悶々としていた。

でも、23歳の冬に生まれて初めて彼女ができて大きく変わった。女のコの理不尽な要求に応えているうちに、24時間というのは自分のためだけにあるのではないと気づいた。

そして、自分の世界だけが世界ではないことを学んだ。それが異性と付き合う、ということだ。彼女と一緒にいることによって人とのコミュニケーション術が身に付く。

でも、DTからしたら彼女ってどうやって作るの? ってな話だろう。オイラもそうだった。こればっかりはコンビニのレジのように、順番を待っていれば自分の番が回ってくるというもんじゃない。

では、どうすれば? う~~ん。

“独り”“ひとり”は違う!

<お悩み>

「30歳になった現在(もうすぐ31⁠⁠、人としてこりゃマズいのではと思いつつ、自然体の自分でいたいとも思っています。こんな僕、どう思いますか?」

ずばり、フーゾクに行くことをお勧めする。

オイラの職場の20代DTはお金が入るとフーゾクにばかり行っている。明るく前向きで人当たりもいい。仕事もできる。

もぐらさんにいきなり彼女を作れ! というのはハードルが高いかもしれない。なので、まずはフーゾクという日本が世界に誇るエンターテインメントからスタートするべきだ。

フーゾクにもいろいろある。ソフトなものからハードなものまで。まずはキャバクラあたりからどうでしょうか?

みうらじゅんさんは⁠キャバクラは修行の場⁠と言っていました。確かにそのとおり。高い金を払って、女のコのオチのない話を聞かなくちゃいけない。

でも、それに耐えてこそ人生は開く。もぐらさんはコミュニケーション不足でトーク力も落ちてるはず。駅前の『話し方セミナー』に入会したと思えば納得が行くはず。

いや、これ、真面目な話。オイラ、真剣に答えています。コミュニケーション力は生命力。たとえば、天災が起きたときにコミュニケーションを取るのが苦手だ、なんて言ってたらどうなっちゃいます?

もぐらさんの言う⁠自然体⁠というのがどういうものなのかわかりませんが、ひとりで生きていくのなら強くならないといけない。そう、ウディ―・ガスリーのように。

大恐慌の30年代にギターを抱えてひとり、砂嵐の中、放浪の旅をしたフォーク・シンガー。

彼は独りを望んだわけではない。14歳で家族が離散となりひとりとなった。その体験から作った歌はボブ・ディラン、他多くのミュージシャンに大きな影響を与え、⁠フォークソングの父⁠と呼ばれた。

ということで今回の叫訓は↓

叫訓62

独りに甘えてはいけない
本当のひとりになる強さを持つべし

追伸:もぐらさんに彼女がいたらごめんなさい……。

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