元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第68回「先入観はセルフ冤罪の元!」――苦手だ、と言ってしまったら本当にそうなってしまう!

勝手な思い込みが自分を追いつめる

さて、今回の教訓はかなり個人的な話でやんす。申し訳ない。って、毎回、そうなんだけど。過去にない叫訓テイスト。68回目だしね。って、関係ないけど。

約20年前の話ではあるけれど、雑誌の取材で断食修行をした。ま、3日間のショートコースではあったのだけれど、オイラの人生は大きく変わってしまった。

口にしていいのは水と酵素ドリンクだけ。当時、アトピーがひどかったので体質改善になれば、とハードな取材を引き受けた。

結果、アトピーは改善とは行かなかったが、食べ物の好みが大きく変わり、お肉を一切受け付けなくなってしまった。

お肉を食べると、上から下からリバースしてしまう。う~~~ん。こんなつもりではなかったのに。大好きだったカルビを食べると……残念なことに。

なんてこったい!

原因はわからない。医者にも行き、診察してもらったがとくに理由は見つからなかった。

なので、オイラはこの約20年もお肉を食べていない。

ある意味、恐怖症チックなものかもしれない。断食明けにそう言った症状が出たため、自分の中で勝手なルールを作ってしまった?

要するに思い込みだ。自分にはムリだと信じてしまうと、本当にそうなってしまう。

自分の傾向は自分が一番知っている

オイラは数学と理科が苦手である。学生時代の通信簿は1や2だったと思う。試験でも名前だけ書いて、あとは問題すら読まずに考えているふりをして時間をやり過ごした。

オイラの人生には関係ねーよ、って。対岸の火事。まさにそんな感じ。

考えるのが面倒臭かった。この時点でもう終わっている。自分はこれが苦手だ、と言ってしまったら本当にそうなってしまう。

それは他人に言っているつもりで、実は自分に言っていることだから。そんなマイナスな考え方をしなければ、もしかしたらオイラはアインシュタインや野口英世のようになっていたかもしれない。

ま、それはないか?

でも、人生は選択の連続。無意識に自分内の⁠ある・なし⁠で動くものだ。オイラも例外ではない。選択で悩むことはない。

47年も生きていれば自分の好き嫌いや、苦手なもの、得意なものと言うのはわかるもんだ。自分の傾向? そんなもんだ。

レストランとかで注文に時間をかける人がいるけど、オイラはマッハで決める。なぜなら、この店に来たらこれを頼むっと言うのが決まっているから。

しかも、お店だって3~5軒くらいしか行くところはない。つまらない人生だ。

でも、それが楽ちん。

説得力のない使い古された格言

『悩んだら苦しいほうの道を選べ』

↑わかったような顔をして言う人がいるけれど、オイラはそれはどうかな? と思う。

そういう人のことは信じられない。どこかで聞いたことのあるような言葉を、さも自分の言葉のように言う人。本当にそんなことを思って話しているのだろうか?

理解に苦しむ……。

そういう人間は疑ったほうがいい。同じような言葉を人生の先輩、何人にも言われてきた。でも、揃ってみんな薄っぺらだった。

だって、楽なほうがいいじゃん。あえて、険しい道を選ぶ必要などない。ナンセンスだ。時代はショートカット。

格言通りに行動すれば、レストランで悩んだら食べたいものじゃなくて、食べたくないものを注文しろ、という話だ。

それ、何が楽しいんだ? 苦行でしかない。もちろん、たまにはいつもと違うものを食べてみるのもいい。だけど、嫌いなものをチョイスする必用はない。

年齢を重ねれば重ねるほど、自分で作った安全地帯の中で生活をするようになる。まさにオイラがそう。デジャブのような毎日。

昨日、今日、そして明日……同じようなサイクルで生きている。よくもまー、飽きないもんだ。でも、お米に飽きることはない。

セイフティーゾーンを作れない人生のほうがよっぽど危険だ。

恋愛においての正しい選択とは……

悩んだら苦しいほうの道?

2人の女のコの間で迷ったら、嫌いなタイプのコを選ぶということ。あり得ない。

でも、実際、オイラは同じようなことをしたことがある。人生で初めてつきあった女のコと結婚して失敗した。で、考えた。これは好き過ぎたのがいけなかったのかもしれない。自分の気持ちが重すぎて相手に退かれてしまったのだろう、と判断。

だから、次は間逆のタイプの女性と結婚することにした(今、オイラの高感度がものすごい勢いで下がっているのがわかる……元々、無いのに⁠⁠。

う~~ん、狂ってたのかもしれない。完全に脳みそが病んでいた。相手には申し訳ないことをした。猛省。ごめんちん。

結婚生活は3年で終わった。やはり、当たり前だけれどもムリだった。

一体、オイラはこれからDOしたらいいのだろう。好きな女性とはダメ、反対の女性ともダメ。どちらにも行くことができない。

これは人生をかけて実験することではない。だから真似をしないように。オイラがみんなのかわりに体験してみた。

だけど、やっぱり本当に好きな人とつきあって結婚するのがイチバンだと思う……。

って、普通の話。

ときには自分すら疑ってかかるべし

先日、事務所の新人ちゃん歓迎会をステーキ屋で行った。本人の希望。オイラはお肉以外を食べればいいや、と。

でも、歓迎会である。お肉が食べられないと言うと会のムードが壊れてしまう。

そこで、後輩思いのステキなオイラ、チャレンジしてみようと決めた。人生に挑戦は大切だ。自分を変えたかった。リバース覚悟で肉食うじぇい!

オイラも今年48歳。あと何年生きられるのか? そう考えたら、苦手なことなどないほうが楽しい余生を過ごすことができる。

せっかくならと高級なお肉。でも、サイズは小さい。切り餅くらい。サーロインね。いやあ、ハンパなくドキドキした。

西麻布のちょっとした高級店。オリコン編集長時代に某大手芸能事務所の社長にごちそうになった記憶があったので、お店をチョイス。

約20年ぶりのステーキ。なんだか人生最後の晩餐的な気分。個室に通され、まずはビールで乾杯。美味いっ!

これで枝豆があればOKな気分。いや、違う。今日はお肉を食べるのだ。ディナーってやつ。

お店は石の上で焼くシステム。こ、これが焼き肉か? ふうむ。戸惑う。20年のブランクは想像以上にデカかった。

緊張しつつ、ミディアムでお肉を口に運ぶ。ああっ、口の中でとろける。でも、オイラの身体は大丈夫だろうか? 不安。

数時間後……。

まったく問題ナッシング。それは次の日になっても、1週間経っても。ええ~~~~~~~~っ!? そんなバカな。

オイラの20年を返せー⁠ーー!

肉食えるんじゃねーか。つーか、ハンパなく美味かったよ。人生、損した。

セルフ冤罪。

読んでくださっている皆さん、後悔の無い人生をお送りくださいませ。

ぐっすん。

ということで今回の叫訓はオイラ、お肉が食べれられた! というだけの話です。

ソーリー。

叫訓68

もしかしたら自分の信じていたことが
大間違いだったりすることもある

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