Agile2013の歩き方

第1回 発表参加もアジャイルで申請 ─Agile2013への道

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いざ発表申請

Agile2013の応募案内ページを参照して応募方法と日程を確認しました。重要な日付は表4のとおりです。日付は開催されるナッシュビルの日時のようですので東京よりも14時間遅れています。セッション提案受け取り終了日は2日1日になっていますが,日本から提案を申請する場合は11日でも申請を提出することができました。

表4 応募スケジュール

日付内容
2012年12月10日セッション提案受け取り開始
2013年2月1日セッション提案受け取り終了
2013年3月1日セッション提案の編集終了
2013年4月15日採用通知(実際には不採用通知は4月12日(金)に送られました)
2013年4月26日発表の確認(何かの理由で発表ができなくなった場合⁠⁠,セッション概要の編集終了
2013年5月1日セッション一覧を一般公開
2013年7月3日会場ホテルのカンファレンス割引終了(その後の日付になると自分でホテルを予約する必要があります)

日程に合わせて申請作業を行います。申請はWebページから行います。終了日時になると権限が無くなります。たとえば,2月1日になったら申請/編集リンクは無効になりました。ただし,編集中の場合は時間が過ぎても内容を保存することができました。とはいえ,通信回線の問題などでセッションが切れる場合もありますので,時間までに内容を保存することをお勧めします。

まずは2月1日までに発表内容の概要を提出する必要があります。レビューを受けて指摘された箇所を3月1日までに修正することができるようです。採用の可否は4月15日に連絡されます。また,1月18日までに申請を提出するとレビュー回数が多くなると書かれていましたので,早めに申請を提出して,できる限り多くの指摘を修正することにしました。

レビューのプロセスは,発表提案の強い部分と弱い部分を応募者に伝え,応募者自身が考え直して提案内容を編集して再提出すると書かれていましたが,否定的な意見だけの指摘もありました。レビューを読んでかなり落ち込んだこともありますが,カンファレンスに参加するために最初から書き直して再申請しました。再申請していたら,同情してくださったのか,ダメだという返事だけではなく,問題を指摘してもらえるようになりました。

自分が良いと思ったことや,発表したい内容で申請しても採用される確率は低い。参加者のことを一番に考えて,どうやったらもっと参加者が集まり発表内容に満足されるかを考えて内容を改善するように。Agile2013は海外のアジャイル・コンサルタントが集まる場,アジャイルの基本的な話はすでにアジャイルで著名な方々で行うので私のような新米からアジャイルやScrumの説明や利点,プロジェクトでScrumを採用しただけの内容ではものが足りない。自分が実際に経験して学んだことを書くように,といった指摘をもらいました。

参加費が高いので参加者が実際に使える内容にして欲しい。参加者の多くは欧米人が多いので,日本に限定した話よりも欧米人が聞いても何かを学べ,帰って直ぐにでも使える内容にして欲しいなどの指摘もありました。

最終的に提案したセッション発表の題名は「Adapting Agile Methodology to Overcome Social Differences in Project Members」です。内容はどのようになったかというと,Scrumのプラクティスを導入することよりも,メンバー同士のコミュニケーションを促進する環境作りの重要性を学んだというものです。メンバー同士の関係は随時に変化するのでプラクティスもその変化に合わせて改善していくと効果が上がります。題名が「Adapting Agile」になっているのはこのためです。簡単に言うと,オフショアでもアジャイルの基本を押さえていれば成功させることができるという内容です。

実はこ内容に至るまでにいろいろなことがありました。最初に提案した内容への意見は「発表会を間違えたのでは」といったものです(そこまで言われるとやる気を失うって(汗⁠⁠。そこで最初から書き直して次の日に提出しました。しかし「まったく興味がない」との返事。このようなことを1週間繰り返しいたらお情けからか,問題点を教えてくれるようになりました。

結果的には次の箇所を省くことになりました。

  • (1)会社説明
  • (2)Scrumの説明
  • (3)Scrumの利点
  • (4)Scrumを採用したことによるメリットおよび結果

しかし,これらを省いたら内容が無くなってしまいました。迷っていたら,文化の違いについてもっと説明して,違いがありながらどのようにしたら成功することができたのかを説明をするように助言されました。最終的には手とり足とりで書き上げました。

他の人から言われて気がついたのですが,Agile2013セッション提案はアジャイルで行われています。レビューアがProduct Ownerチーム,シェパードがScrum Master,応募者が開発チームに相当します。チームメンバーが自分で「良い」と思う対案を応募の締め切りにギリギリ提出するのではなく,早い段階でプロダクトオーナーに連絡して,お互いで内容に合意した後に具体的な提案文を作成するのです。

最初はいろいろなことを言われてかなり暗い気分でしたが,結果的にはアジャイルの個人授業を受けることができたので,セッションに応募してよかったと思います。今は指摘された点に注意してアジャイルの本を読み返しています。

提案内容を編集できる3月1日まで内容を修正しました。締め切った後はもう4月15日まで待つしかありません。正式に採用の通知が届くまではやっぱりダメになると思っていました。4月12日になると,Twitterで採用の可否通知が届いたというメッセージが現れ始めました。13日になる応募したほとんどの人に通知が届いたようですが私にはまだ届いていません。もうダメだったと思っていたら,14日の夜に図1の採用メールが届きました。

図1 採用通知

図1 採用通知

採用後の手続き

採用通知が届いたら7月までは休めると思い,その間に良いプレゼンテーションの仕方でも勉強することにしました。まずプレゼンテーションをする部屋や設備を把握することが基本です。今回で初めて参加する私はまったく何も知らないので,カンファレンスの運営者へメール連絡しました。偶然にも次の日にWebページに設備情報が掲載されたとメールが届きました。このページを参照して驚いたのは,192人用の部屋であることです。どう考えてもこんなに人が集まるとは思えません。

続いて運営者から,自分で人を集めるように書かれたメールが届きました。

さらに,部屋が足りなくなる場合があるので,早めにホテルを予約するようにというメールが届きました。宿泊費は免除されますが,どうやら自分で部屋を予約する必要があるようです。また金曜日と土曜日は他の顧客でも混み合うので部屋の予約ができなくなる場合があるそうです。

まずは東京からの航空券を予約しました。旅行会社に電話して見積もってもらったら,すでに安売り航空券は売り切れになっていました。また,ナッシュビルから東京への便はナッシュビルを午前に出発する便しかないことも知りました。せっかくなのでカンファレンスの最後までいることにして,ナッシュビルに1泊多く滞在して,土曜日にナッシュビルを発つことにしました。

今度はGoogleでホテルを調べました。開催されるGaylord Opryland Hotel & Convention Centerは観光地のため,他のホテルよりも宿泊費や食事代が割高のようです。ネット上での書き込みではGaylord Opryland Hotelは室内に広い庭があるため,その庭の手入れに相当なお金を必要としており,宿泊やレストラン料金が高くなっていると書かれていました。しかし私の発表は初日です。着いた日に発表するほど体力がないため,前日着にしました。

最後に

Agile2013に参加できることも嬉しいですが,今回の応募でアジャイルの本質を学ぶことができたことも嬉しかったです。まだ発表までには多くの課題がありますが,それらからも多くのことを学ぶことができると思っています。最初から諦めずに,やってみれば以外とできてしまう場合もあることを実感しました。もし,これから発表までの準備に興味がありましたら,Facebookの「Let's go to the Agile Conference」グループに参加してください。

最後になりましたが,恥がないように発表を終わらすように頑張ります。

著者プロフィール

小沢仁(おざわひとし)

株式会社オージス総研

米シカゴ育ち。シカゴ大学で物理を専攻。Oracle XDKを日本に紹介,Seasar英語ページを作成,ESB Muleコミッタとして同ソフトの日本ローカライズ/日本語サイト構築,WaveMakerの日本語ドキュメントを作成,Apache ManifoldCFコミッタ/日本語ページやMySQL対応を貢献。IEEE APSCC 2009などでSOAの研究発表も行っている。

Liferayに興味をもち,Liferay.comフォーラムでサポートしたりWikiページを作成している。Liferay6およびLiferfay IDEの日本語化や日本語資料も作成している。2012年にLiferay社からグローバルレベルでの「Liferay Community Contributor of the Year 2012」を受賞。

現在,米ナッシュビルで開催されるAgile2013カンファレンスでオフショア開発についての発表申請に時間を費やしている。