Agile2013の歩き方

第4回 Agile2013 2日目レポート「Agile Requirements & Product Management」

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午後のセッション ─アジャイルのスケールアップ,マインドセット,世界的なアジャイルの普及度

昼を挟んで,14:00~15:15の間はDean Leffingwell氏の「Be Agile. Scale Up. Stay Lean.」を聞きに行きました。この講演も人気度が高く,大部屋なのにほぼ満席でした。

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エンタープライズアジャイルを行う場合,Scrum,XP,Kanbanなどでは道具が足りないのでSAFeを作成しました。さらに必要に応じて随時に機能を追加しているとのことです。

ニュージーランド・ラブビーチーム・オールブラックスがハカを踊っているビデオを見せられました。このようにチームスピリットと闘志感を高めるのが良いという意味のようです。

15:45~17:00はLinda Rising氏の「The Agile Mindset - Your Questions, Comments, Thoughts?」に参加しました。大部屋でしたが,参加者が少なかったです。昨日,同じテーマで講演されたからかも知れません。このセッションは参加者がLinda氏と並んでソファーに座って質問する形式です。

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質問を受ける前に簡単にマインドセットの考え方について説明されました。人間関係は完全ではありません。完全だと勘違いすると,少しでも不完全だとわかると諦めてしまいます。たとえば,男女がお互いに好き合って,自分たちの愛は完全だと信じてしまう場合があります。そうすると,少しでも問題が発生すると相手を嫌になってしまう傾向があるそうです。

報酬がどのようにマインドセットに影響するか,どのように優先順位を付けるか,⁠正しい」アジャイルのやり方を主張して他人の意見を聞かない人,情報を共有しない組織でアジャイルは可能か,組織にアジャイルマインドセットの導入するいろいろなやり方などに付いての質問がされました。

17:30~18:30はパネルディスカッションがありました。Chris Rommel(VDC社⁠⁠,Melinda Ballou(IDC社⁠⁠,Thomas Murphy(Gartner社⁠⁠,Tom Grant(Forrester社)がパネラーとして並びました。

多くの質問がありましたが,印象的だったのは,日本だけではなく,アジア全体がアジャイルに関して遅れていると言われたことです。まずThomas Murphy氏がアジアは欧米に比べて5年ぐらい遅れていると言ったのに対して,Melinda Ballou氏はシンガポールに行ってみた経験から,5年よりはもう少し短いと言いました。また遅れている理由は,コマンドを無くしたくない傾向が強いからでは,とのことでした。

では米国ではいずれの形でもアジャイルを使っていない会社はあるのか,という問いには,どのパネラーもすぐに回答できませんでしたが,やや間を置いてから,ウォーターフォールで満足している会社もまだあるとの回答がありました。

ナイトセッション ─コーディングDojo

夜になって「コーディングDojo」が開かれました。1台のコンピュータを使い,数人で1つのプログラムを開発していきます。1人がコンピュータの前に座って入力担当になります。もう一人が何を入力するかの指示を与えます。時間を設定して,数人で役目を順番に交換して開発を進めます。

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初心者に一歩的に教えるだけではなく,指示を出させる役に立たせるのがポイントのように思えました。また入力担当は入力に専念して,指示者からの指示に反対しないこともポイントです。ただし,見ている周りの人たちは指示者に意見や支援を行うことが推奨されています。また,一度入力されたコードを削除して書き直すことは禁じられています。

このやり方では時間が無駄になるように見えますが,お互いに会話をすることで,全員の技術力が上がるのと,全員がコードを理解できるので,1ヵ月後にはチーム全体の生産性が上がるそうです。参加されていた方の会社では,3人でこの方法を使って実際のプログラムを開発されているそうです。

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見ていて,本当にどの程度の効果があるのか自分でも試してみたくなりました。

なお,運営員会からAgile2013のハッシュタグを使ってのスパムが多くなったので,利用を中止したというメッセージが届きました。利用者が多くなるとこのように悪用する人が現れてくるのは残念なことです。

著者プロフィール

小沢仁(おざわひとし)

株式会社オージス総研

米シカゴ育ち。シカゴ大学で物理を専攻。Oracle XDKを日本に紹介,Seasar英語ページを作成,ESB Muleコミッタとして同ソフトの日本ローカライズ/日本語サイト構築,WaveMakerの日本語ドキュメントを作成,Apache ManifoldCFコミッタ/日本語ページやMySQL対応を貢献。IEEE APSCC 2009などでSOAの研究発表も行っている。

Liferayに興味をもち,Liferay.comフォーラムでサポートしたりWikiページを作成している。Liferay6およびLiferfay IDEの日本語化や日本語資料も作成している。2012年にLiferay社からグローバルレベルでの「Liferay Community Contributor of the Year 2012」を受賞。

現在,米ナッシュビルで開催されるAgile2013カンファレンスでオフショア開発についての発表申請に時間を費やしている。