本を読んでも出てくる体験
本を読んでいました。五十嵐貴久の
はじめて読む作家だったので,
その冒頭,
秤の分銅に目をやりながら,
慎重にティースプーンを傾ける。ディンブラ, ルフナ, ヌワラエリア。 すこしずつ形の違う葉が均一に混ざったところで,
ポットの湯を勢いよくそそいだ。濃い清涼感のある香りが漂う。把手を掴(原文は旧字)んで, 慎重に揺すった。 鮮やかな赤。美しい。世の中にこれほど純粋な色があるだろうか。
ただ,
俺の予想とは少し違った色合いだった。暗い赤になると思っていたが, ディンブラの割合が多かったのだろうか。やや明るめの色だった。初めてのブレンドに試行錯誤はつきものだから, これは仕方がない。
五十嵐貴久
ディンブラ,
筆者も1995年9月に,
描写されていることばが,
同時に呼んでいた片岡義男の