日付を入れて印刷した『8pagememo』
『8pagememo』で,あらかじめ日付をバーコードで印刷しておき,読み込むときにそのバーコードにしたがって,日付をファイル名やタグとして使用することを考え,8ビットでコード化するところまでできました。
図1 日付を8ビットでバーコード化して印刷

従来のリフィル(上)と,日付を8ビットでバーコード化して印刷した新リフィル(下)。
8ビットだと,256日分しか表現できないので,さらにこれを2種類の位置に表示することにして,倍の512種類,これで1年間を表示可能にしようと考えました。年またがりをするとしても,一度にスキャンする枚数が256日を超えなければ,まあぎりぎり処理できる数です。
運用依存の部分もありますが,じっさいには256日分も溜めて一度にデータ化することは(運用上)想定しにくいので,これはこれでよしとします。なぜ運用上想定しにくいかというと,基本的に『8pagememo』は,紙を長期間にわたって保存しておく使い方をしないことと,方向や一度に8種類のデータを混在させられることから,早期に分割してデータ化することによって活用性がアップする,と考えるためです。
『EVERNOTE』などと連携する場合には,タグづけも重要で,200枚×8ページ=1,600ページ分も一度にタグづけするのはなかなか困難であろうということもあります。
マークシートリーダーを流用
単純にコードを割り振るだけなら,32ビットでも64ビットでも,なんでも割り振ればよいのですが,あとで読むのも自前でやるとなると,できるだけ省力化したい手抜きの心が頭をもたげます。
図2 既存のマークシートを流用

バーコード部分は,既存のマークシートリーダー部分をそっくり応用して作りました。手書きと違って塗りムラもなく,印刷位置ずれも少ないので,精度が出ると思います。
すでにじつは『8pagememo』には,マークシート用のコードリーダーを実装ずみで,それは試作版にある『Gmail』や『Flickr』などの送信先や「private」「idea」を選ぶタグの選択部分です。
今回作成したバーコードリーダーは,このマークシートのタグ読み取りをそっくり流用することにしたため,タグの数は8個,幅やレイアウトもタグの部分をそっくり流用しています。
この処理を使うのが一番省力化できそうなので,8ビット×n個で進めることにしました。
このマークシートによるタグ付与の処理は,試作はしたものの,精度を出すにはもうすこしテストが必要なことがわかっています。手書きでマークシートを塗りつぶすときに起きる,ばらつきがあって読めないことがしばしばあるためです。エラー訂正の処理が必要なのです。
あらかじめ印刷する場合には,このようなばらつきはある程度回避できるため,読みやすくなるのではないか,と考えています。マークシートの位置も,中央に縦に入れたので,プリンタによる印刷時のばらつきも最小限だろうと期待しています。
紙に出すのは負けた感じ!?
『8pagememo』を使い始めて2カ月になります。だいぶ使い方は煮詰まってきました。
『8pagememo』を作ってみて,(1)制約のなかに自由を見いだすか,(2)白紙を使うなかに自由があるか,あらためてしみじみと考えました。
別にどちらがよいとも悪いとも評価しているわけではありません。基本的にはメモ帳なんて,好きに使えばよいのです。
わたしは,個人的には自由度の高い環境が好きです。でもいっぽうで,ノートも付箋紙もデスクトップまわりの大半のものは,机やキーボードなどを含めて,ほぼすべてオーダーメイドのものを使っています。そのため,きちんと作った自分用の環境であれば,きちんとデザインしたものほうを好むようです。制約のあるほうが好きだということです。自分で好きなものが何なのか,自分で判断するのはむずかしいです。
ま,そんなわけで,『8pagememo』には,各種マッシュアップ機能とデータスキャン機能とを実装してみて,すこし煮詰まった感じです。
なにより10年来の知人に『8pagememo』を見せたところ,「デジタル化を推進している美崎さんが紙を出すのはなんか負けた感がありますよね」と一刀両断されてしまいました…。弱い…。