辞書
生活感覚をシステムとして再現するためには、辞書が必要なのではないかと考えています。
たとえば、かな漢字変換で文章を書く場合でも、文章を校正をする場合でも、自分にあったかたちにしていくには、それなりの規模の辞書が必要です。その規模を生活感覚に拡大するとなると、さまざまなシーンで、さまざまな内容の辞書が必要になるはずです。
生命が生得的にもっている本能のようなものを、辞書のかたちで整理することで、ある種の本能の再現をめざすわけです。
その辞書が、どのような項目をどのように記録したものであるのかは、よくわかっていません。できあがってみれば、ああそれは○○に似ていると思うのかもしれませんが、これから作るときにはそれがどのようなものかを細部にわたって検討し尽くすことはたいへん困難です。
ただし、いくつかの手がかりはあります。
快適気温辞書構想
最近、快適気温辞書というものを製作しようと考えています。
わたしは、毎日、自宅付近の天気の情報を保存し表示して、約2年ほどになります。表示するだけでも、今日の気温や明日の天気を情報として活用できて便利ですが、もう一歩踏み込んでみることにしました。
天気と気温をどう活用するかを考えて、まず1年間の最低/最高気温の一覧を作成してみました。この一覧を見てみることで、わかったことがいくつもあります。
気温はけっこうばらつきが大きい、ということがまず最初のことがらです。いわゆる今月の平均気温といっても、平均とのばらつきが大きいため、単純にある温度を示しても実際の値との違いが大きいと感じました。
気温を分析するときに、平均をとるのがよいのか、最頻値をとるのがよいのか。平均を取るとしたら、何日の幅でとればよいかを考える必要がありそうです。平均をとるとしても、1カ月では長すぎるのです。
二十四節気
ここで季節について考えてみると、二十四節気という分類があることを思い出します。12カ月ではなく、1年を24の季節に分類してみるのです。15日間の気温のばらつきを見ると、1カ月の平均を出すよりも、より日々の気温に近いのではないか、と考えられます。
二十四節気ごとに平均の気温を出したあとで、さらに「今日」の気温について考えるとき、もうひとつ考えるべきなのは、その差分です。
昨日との気温の差、平均との気温の差を比較すると、「今日の気温」の傾向を知ることができるはずです。ここで問題になるのは、昨日よりも何度違うのかというときの、「違う」と感じる差です。とりあえず5度違うと、かなり違うのではないかと予測しました。
天気と自分の感覚
天気の影響もあります。おなじ気温でも、雨の場合と晴れの場合とでは受け止めかたが違うかもしれません。
ここまでは統計的に入手できる情報です。さらに大切なのはライフログであり、自分自身の感覚です。おなじ気温でも、夏の22度と冬の22度では、感じ方に差があるはずです。夏なら涼しいと思うでしょうし、冬なら暑いと感じるでしょう。また、起き抜け、ふとんのなかにいるとき、書斎で仕事をしていてるとき、外出しているとき、風呂上がりやスポーツ後など、シチュエーションもさまざまです。
そのあたりの感覚を採り入れた辞書を、これから1年かけて作成していこうと考えています。