先日、父と飲んでいたときに父が若い頃の話を聞いていると、「昔は結構飲んだ」という話題になったので「酔うとどうなるの?」と質問してみると 「飲むとな、下アゴがググゥ~~…っと伸びてな」 と返ってきた。 僕が想像していた頭にネクタイを巻いたり、千鳥足で紐でぶら下げたお土産を持ってたりする酔い方ではなく、下アゴがググゥ~~…っと伸びる酔い方が父のスタイルらしい。 全然意味がわからなかったので、詳しく聞くと 「いやな、フラフラで電車に乗り込んでな、頭が重くてずっと頭を垂れてるんや。ゆら~ゆら~となってな、そしたらな、下アゴがググゥ~~…っと伸びてくるんや」 と教えてくれた。 全然意味がわからなかった。 どれくらい伸びるのかは怖くて聞かなかった。 2メートル以上伸びてたとしたら、息子である僕の下アゴもいつか覚醒してそうなる日がくるかもしれない。そんな恐怖に苛まされる日々を送るよりかは、知らないまま、いつか迎えるその日まで精神の健康を保ちながら生きようと思った。