先日、鍵をどっかで落としてしまったので、交番や、紛失したであろう時間帯に利用していた交通機関などに届出を出していたのですが、そこの事情聴取が思った以上に辛かった。
僕の失くしたキーホルダーには嫁が取り付けたフィギュアストラップがキンタマのようにぶら下がっていたのですが、そのフィギュアが奇抜なキャラクターばかりが出てくる往年の名作「伝染るんです」のキャラクターストラップでして、紛失物取り扱い事務所の受付の方や交番のおまわりさんに「何か鍵に特徴はありましたか?」と聞かれ、少しだけ自慢げに「グッチのキーホルダーです」とあんまりグッチをわかってない僕が元気よく答えると、「なるほど、他には? たとえばストラップがぶら下がってるとか」と落し物をより見つけやすいように詳細を聞いてくるのです。
僕がせっかくグッチなんだぞ、大人でビターなんだぞとアピールしていたのに空気も読まずに一番答えたくなかったフィギュアの特徴を真剣な顔で聞いてくるのです。
- 「人形です。少年の」
- 「具体的に?」
- 「あたまに血の滲んだ包帯をグルグルに巻きつけてランドセルを背負っている全裸の少年のストラップがぶら下がっています」
目を伏せながらそう答えると、警察官は僕のことを可哀想な人を見るような目で何も言わずに受話器を取り「紛失物登録です。21日から22日にかけて鍵の落し物。特徴はあたまに血の滲んだ包帯をグルグルに巻きつけてランドセルを背負っている全裸の少年のストラップがぶら下がっています」とだけ伝えて電話を切りました。
グッチは?