シモダテツヤのIT四コマふんわり劇場

第90回社員だけで行く沖縄旅行(僕を置いて)

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来週末に社員たちが沖縄旅行に行くそうです。僕を置いて。

暖かい気候、青い海、美味しい料理を楽しみにいくそうです。僕を置いて。

一応、⁠31歳社長。社員から嫌われている人」という烙印を押されないように念のため言っておきますが、誘われたんですよ。⁠一緒に行きませんか?」って。本当に誘われたんです。

でも、僕は海というあの塩っ辛い場所が大嫌いでして、さらに知り合いの前で裸になることを異常に嫌がる性格も持ち合わせているため、行けば絶対にビーチでパラソルの下、体育座りをしながら彼らがパチャパチャと水を掛け合いながらはしゃいでいるのをドリトル先生がヤギを治療したときに使ったような緑色のサングラスをかけながら悲しそうに見ている、そんな光景が容易に思い描けましたので辞退したんです。

  • 「社員は悪くない。それはお前のせいだ」

そうおっしゃりたい方もいらっしゃるかもしれません。

しかしですよ、せっかくの旅行ですよ。

別に沖縄じゃなくてもいいんじゃないかって思うんです。

沖縄なんて空港についたら自動的にベルトコンベヤーで海に連れていかれるような場所でしょ?ポセイドンが漁村の子供を助けた後に海にゆっくり帰っていく、そんな場所じゃないですか。最初っから塩水に浸かる気満々なんですよあいつら。

  • 「じゃあ海入らなければいいじゃないですか」

そんな風にフォローっぽいことも言われたんですよ一応。

でも、そんなの僕だけじゃないですか。みんな海パン一丁で海に入ってるのに僕だけ私服で長ズボンとか履きながらカモメとか見てるんですよ。あと屋台でフランクフルトとかマスタード多めに喰ってるんですよ。

みんなが海から上がるころには、僕一人だけ腹いっぱいになってて、水に浸かる気持良さの話もできずにカモメは飛んでるときはこうだけど歩き方はこうだったとかそういう話しかできないんですよ。そんな惨めなだけじゃないですか。

だから断ったんです。

そして悔しくてここでブチ撒けて日本一器の小さな経営者として認知されるんです。

器の小さな人間だと世間にバレ、会社の信用を失い、結果倒産するんです。

そうなって初めて僕を置いていく社員たちへの復讐は達成されるんです。

編集部注:
今度沖縄で企画会議しようよ。

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