シューカツ女子ともよの会社訪問記―知りたい!あの人のはたらきかた

第4回 宮下剛輔(mizzy)~はたらきながら大学に通う

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「アメリカで一緒に暮らそうよ」

と:Netscapeのころは,アメリカへ行かれてたとか。海外で生活していたころの話を聞かせてください。

宮:オフィスがシリコンバレーの中のマウンテンビューというところにあったので,その近くのサニーベールという街に住んでいました。

と:食べ物で太ったりしました?

宮:自炊をしていたのでかえって痩せました。日本の食材とか手に入るスーパーがあるので,お米買ったりとか普通に日本の食材買ってたんです。

と:なるほど。

宮:日本にいたときには,お腹が空くとコンビニ行ったりしていたんですが,アメリカにないんですよね,日本のようなコンビニ。

と:アメリカでは一人で暮らしていたんですか?

宮:最初は一人暮らしだったんですが,実は渡米して3ヶ月後,そのころ福岡にいた遠距離恋愛中の妻に,⁠とりあえず仕事辞めてアメリカで一緒に暮らそうよ」と言って彼女を呼び寄せて,二人で暮らしはじめたんです。僕が24歳のときです。

と:若い!かっこいい!というか,奥様の決断力すごい!

宮:当時はまだ結婚してなかったのに,よくやったなあと思います(笑⁠⁠。

と:奥様との出会いは……?

宮:インターネットのWebチャットです。高校のころの下宿先に住んでいた先輩がチャットを開設していて,そこに先輩の友達や知り合いが集まっていたんですが,そのうちの一人が妻だったんです。

と:インターネットから始まったお付き合いなんですね。

宮:今ならツイ婚とか特に抵抗ないですが,当時は珍しかったんでしょうね。

と:大丈夫なのー?とか親に言われそう。

宮:僕よりもむしろ妻が周りに言われてたみたいです(笑⁠⁠。

37歳で大学に入学

と:そんな奥様の助けもあり,今年の4月から,また大学に通いはじめたそうですね。

宮:はい。帝京大学理工学部情報科学科に在籍しています。

と:ブログも拝見したのですが,はたらきながら大学に通おうと思った一番の動機はなんだったんでしょうか。

宮:ずっと技術者でやっていこうと思っているのに,自分は情報工学の学位を持っていないということにコンプレックスというか……微妙な引っ掛かりみたいなものがずっとあったんです。この先定年までずっと技術者でいようと思っているので,今のタイミングで基礎を学んでおくのもいいかなと。それから,情報系の学位を持っていないと,基本的にビザが出ないらしいので,アメリカで働こうと思ったときすぐ働けるように,ですかね。

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と:将来的にはアメリカで働くことも考えているんですね!

宮:そうですね。まぁ,また行けたら楽しいかなって感じかなあ。

と:別の学位を持っている関係で2年次へ編入されたそうですね(わたくしのときと一緒~⁠⁠。卒業までにどれくらいかかるのでしょう。

宮:卒業まで最短で3年。学費は年間15万円なので,3年間で50万円くらいです。

と:え!その2,3倍はするのかと思ってました!

宮:そう。そうなんですよ!調べてみたら「あ,思ったより安いじゃん」(笑⁠⁠。これからのことを考えたら,自分への投資に50万円は別に高くないなと感じて,37歳で大学入学に踏み切れたんですよ。

と:授業はどんな感じですか?

宮:通信制の学部なので,先生の解説などが書かれたテキストのpdfファイルをダウンロードして,教科書とあわせて進めていきます。ほかにはWeb上で小テストを受けたり,プログラムを書いて提出したり。提出したレポートには,赤ペン先生みたいにフィードバックをもらえます。僕はまだ2年次(1年目)なので,今は微分積分とか確率統計とか,数学の授業が大半です。スクーリングといって,実際に大学へ行って講義を受けたりもします。

と:1週間のうちどれぐらい学校の勉強しているんですか?

宮:ほぼ毎日,家でも会社でも勉強してますよ。朝,ちょっと早めに出社して30分ぐらい勉強して,昼休みにもして,家帰ってからやって。平均すると1日に2,3時間は勉強の時間にあてています。今まで家で趣味のプログラム書いたりサーバいじったりゲームやったりとか,そういうことに使っていた時間を,今は大学の勉強にあてている状態ですね。

と:勉強が苦にならないんですね。

宮:楽しいです。ただその分,家でコーディングする時間が減ってしまいましたけどね。

と:宮下さんから影響を受けて大学に入るエンジニアの方が増えそうですが,実際,37歳で大学に入学してみて,ほかのエンジニアの方にオススメしますか?

宮:そうですねー,数学が苦手な人にはちょっとオススメできないかなあ。通信教育だと1人でやんなきゃいけないので,数学苦手な人にはだいぶ厳しそう。レポートに対するフィードバックはもらえますが,自学自習するのとあんまり変わらないですしね。

と:仕事と学業って両立できるんでしょうか?

宮:最初は不安でしたけど,やってみたら「あ,割とやれてるなー」と思いました。

ずっとPCに触れていることが重要

と:今日のお話を聞いて,私ももう一回プログラミングのお勉強をしようかなあって思っちゃいました。せっかく,高専の先生が教えてくれたから忘れないようにしたいなあ。宮下さんは2回目の大学卒業後,どんなふうに働こうと思っていますか?

宮:そうですね。今とずっと変わらず,技術者でいたい。好きなことだけやって生きていきたいです。マネージメントとか,技術に関係ない仕事はなるべくしたくないので,起業はあまり考えてないです。技術に専念してはたらきたいです。

と:つつみに何か,はたらき方についてのアドバイス,お願いしますっ!

宮:いやあ,僕も好きなようにやってきているだけなので,あんまり言うことないかなーっていうのが正直なところです(笑⁠⁠。僕の技術者としてのセンスとか才能って,そんなにないと思ってるんです。でもずっとPCに触れてることが,実は重要なのかなとは思います。家でも妻に「仕事してるのか遊んでるのかわかんない」って言われるんですよ。それぐらい積み重ねれば,たぶんこれぐらいにはなれるんだろうなって思いますね。

と:ふーむ,好きなことを続けることが大きな強みになるんですね。勉強になります。ありがとうございました!

ドクターペッパー(炭酸飲料)好きエンジニアとして知られる宮下さん。ドクペに囲まれて仕事していました……。机には大学の教材や趣味の天体観測に関する本も。

ドクターペッパー(炭酸飲料)好きエンジニアとして知られる宮下さん。ドクペに囲まれて仕事していました……。机には大学の教材や趣味の天体観測に関する本も。

著者プロフィール

堤智代(つつみともよ)

1989年,北海道生まれ。学生。釧路高専卒業後,大学へ編入。Livlisなどのサービスを手がける(株)kamadoにてアルバイト中。IT企業を中心に就職活動し(株)カカクコムに内定。2013年春入社予定。

Twitter:@ttmtmy