窓の先のシリコンバレー

第1回シリコンバレーからこんにちは

はじめまして。今回からこちらで連載をさせていただくことになりましたちぎこと吉岡千恵と申します。わたしは2007年5月末に夫の仕事の関係で「シリコンバレー」にやってきました。

カルトレインの Mountain View 駅 スタンフォード大学内 ゴールデンゲートブリッジ スタンフォード大学内にあるフーバータワーからの眺め シリコンバレー近辺の移動手段は、ほぼ車。車線の多さ、道路の大きさまでがアメリカサイズ?! 道路標識

シリコンバレーってどこ?

突然ですが、⁠シリコンバレー」ってどこにあるか、皆さんはご存知ですか?

「シリコンバレーに移住します」と周囲に告げたとき、シリコンバレーの地理に関する反応はさまざまでした。

まず、お仕事などで実際に「シリコンバレー」を経験されている方は良いとして、それ以外の方の反応としては、⁠どの辺なのかさっぱりわからない」⁠アメリカの西海岸のどこか」が大半でした。また、テクノロジーなどに興味があり、日常的に「シリコンバレー」という単語を聞いてはいるけれど、具体的な場所はピンとこないという方もいらっしゃいました。

「シリコンバレー」は、アメリカ合衆国はカリフォルニア州北部の、サンフランシスコ付近にあります。まずはアメリカ合衆国の地図をご覧ください。

画像
(c)2008 Google - Map data (c)2008 LeadDog Consulting, NAVTEQTM, Europa Technologies

矢印の部分がカリフォルニア州です。この部分を拡大してみます。

画像
(c)2008 Google - Map data (c)2008 LeadDog Consulting, NAVTEQTM, Europa Technologies

カリフォルニア州の南にロサンゼルスが、北にサンフランシスコがあるのがおわかりいただけると思います。⁠シリコンバレー」のある地域を見てみましょう。印の部分にご注目ください。

画像
(c)2008 Google - Map data (c)2008 LeadDog Consulting, NAVTEQTM, Europa Technologies

この地図をご覧いただくと「Silicon Valley」という地名がないことにお気づきいただけるかと思いますが、そうなんです、⁠シリコンバレー」という市は実際にはないんです。つまり「シリコンバレー」というのは、サンフランシスコ・ベイエリアと呼ばれる地域にある、いくつかの市のことをさしています。

ちなみに、こちらに住んでいる人は、この地域のことを「シリコンバレー」よりも、⁠ベイエリア」と呼ぶことが多いように思います。

また、サンフランシスコからロサンゼルスまでは600キロ少々あり、飛行機で約1時間半、車で6時間くらいかかるそうです。同じ州内でもそんなに距離があるとは、アメリカって大きいんだなあと思ったものです。

自己紹介

というわけで、そんな「シリコンバレー」に移住してきて早半年以上が経過しました。ここで、ちょっとわたしたち夫婦について簡単に触れておきたいと思います。

まず夫ですが、米国に本社を持つIT企業の日本法人で、ソフトウェアエンジニアとして働いていました。今回は本人の希望とご縁がありまして、米国本社に転籍することとなり、移住することになりました。

そして妻のわたしですが、日本では携帯電話向けコンテンツのディレクターをしていました。もともと、最新のガジェットや新しいサービスなどに興味津々でしたので、趣味と実益を兼ねたこの仕事はやりがいもありとても充実していました。そのため、ここに来ることが決まったときは、家族や友だちと離れることに対してさみしく思う反面、⁠あのシリコンバレーに住むんだ!」というわくわく感もありました。

その後は、転籍が決まってから日本を離れるまで、また、アメリカの土を踏んだあとも準備やら手続きやらに追われることになるのですが、周囲の人に助けてもらいながらなんとか生活を立ち上げることができ、今ではその頃のことを懐かしむ余裕まで出てきました。

求められる英語力、本当のところは?

アメリカで生活するとなると気になるのは英語力ですよね。大変お恥ずかしいのですが、わたしは英語ができませんし話せません。学生時代の英語の成績は惨憺たるものでして、夫の転籍の話が現実化することになったときには内心、⁠やばいなー」と思っていました。でもこれってきっと、ある程度英語が得意な方でも、おそらく言葉の壁に対する不安というのは大なり小なりあるのではないでしょうか。わたしだけかしら。

夫はすでに仕事でも英語を使ってやりとりする機会も多かったようですので、ある程度慣れているのかもしれませんが、妻にいたっては日常会話からしてあやしいレベルです。それでもなんとかなるだろうと脳天気な妻は考えていました。

で、実際どうかというと、これが何とかなってしまったのです。というのは、この地域、日本人が多いんです。そのため、日系のスーパーも本屋さんもあります。テレビだって契約すれば日本語の放送が見られますし、インターネットがあれば日本のニュースも手に入ります。そこへきて、夫は日本人で日本語を話します。つまり、家の中では日本語だけですんでしまうんです。

手強そうなのは外出したときですが、しかし妻が1人で外出する機会など、近所のスーパーへ行くぐらいのものですので、下手をすると1週間くらい英語を使わないなんてこともあったりしましたし、使っても先述のスーパーであいさつするくらい。

これは由々しきことです。

そりゃあ、日常生活はこれで何とかなってしまいますが、それでいいのだろうかと。日本の友だちにも聞かれます。⁠もうぺらぺらになった?」と。

なりません。この状況でぺらぺらになるわけがありません。困りました。

やはり英語ができたほうがいいに越したことはありませんし、それにせっかくのアメリカ生活、英語力を駆使し、映画を観たり、洋書を読んだり、友だちを作ったり、パーティしたり、もっとエンジョイしたいと考えるようになりました。そのためには英語力は必須!

連載の今後

この連載では今後、このように試行錯誤紆余曲折しながらも慣れない英語と外国生活に奮闘格闘するわたしたちの生活についてや、この地域で働く日本人エンジニアへのインタビュー、企業訪問なども予定しています。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧