スタート!Windows Phone 7

第2回ミュージックプレイヤーとしてのIS12T

今回は、ミュージックプレイヤーとしてのIS12Tに迫ってみます。

IS12Tとの組み合わせで使っているイヤフォン

筆者は、IS12TとPHILIPS SHE9700との組み合わせで音楽を楽しんでいます。

PHILIPS SHE9700は、2500円前後で購入できます。売り場には、1万円台のイヤフォンがあたりまえのように並んでいますが、筆者の場合は、頻繁に持ち運ぶためか1年くらいで断線して壊してしまうので、消耗品と割り切って使っています。とは言っても音質は、なかなかのものです。このイヤフォンから出る音は、クセや派手さがなくキメが細かい印象で、長時間聴いていても疲れないのでお気に入りです。

余談ですが、IS12TにはFMラジオが搭載されており、イヤフォンをアンテナに使います。逆に言えば、イヤフォンを付けた状態でないとラジオは聴けません。IS12Tには、外部スピーカーがあるので、それに音声が出力できれば、用途が広がるのですが、残念ながらそうした使い方はできないようです。

とにかく楽しいミュージックプレイヤー

Windows Phone 7のミュージックプレイヤーである「Music & Video」を使って、楽しい・嬉しいと感じるのが背景に再生中の楽曲のアーティスト写真が表示されるところです。

これが、なかなかの徹底ぶりで、端末の待ち受け画面やMusic & Videoのアイコンまでがアーティスト写真になります。先を走るiPhoneやiPodでもこうした演出はなく、ファンにとっては堪らない演出のはずです。

ユーザの気持ちを掴む演出は、Appleの専売特許のはずなのに、Microsoftのほうが先駆けたのは、Windows Phone 7のチームには逸材がいて、この先、Windows Phone 7を面白い方向へ進化させるのはないだろうか?と感じさせる一面です。

残念なことに、アーティスト写真が表示されるのは洋楽だけです。

筆者が所有している邦楽は、どれも表示されませんでした。洋楽も古い・新しいに関わらず、表示されないアーティストもあります。手持ちの楽曲で表示されたアーティストを以下にピックアップしておきます。

権利関係でご紹介できないが、再生中の背景にはアーティスト写真が表示される
権利関係でご紹介できないが、再生中の背景にはアーティスト写真が表示される
表示される
  • Ray Charles
  • Michael Jackson
  • John Lennon
  • Jamiroquai
  • Kraftwerk
  • Duran Duran(Decade、古い)
表示されない
  • 808 State

待ち受けの背景に設定されたアーティスト写真は、音楽の再生を停止すると、設定した壁紙に戻るという懲りようです。細かくリアクションを返すアニメーションと言い、Windows Phone 7は、なかなか憎い仕掛けや演出がたくさん仕込まれています。

こちらも権利関係でご紹介できないが、待ち受けにもアーティスト写真が表示される
こちらも権利関係でご紹介できないが、待ち受けにもアーティスト写真が表示される

音質は?

携帯型プレイヤーでは、圧縮音源を聴いているのと、使っているイヤフォンでも印象が変わるので、音質をどうこういう言うのは野暮かもしれません。ただ、先行して入手したHTC 7 Trophyには、独自拡張のSound Enhancerという機能が搭載されており、スペックには、Dolby MobileやSRS Enhancementが名を連ねるのですが、いづれも加工された感の強い音で、筆者の好みではなく、受け入れがたい音質でした。IS12Tは、そうした機能が搭載されておらず、素直な音が再生されます。比較対象のレベルが低いのですが、iPhoneと比較としても遜色ありません。

ただ、IS12Tには大きな欠点があります。

それは、曲の始まりや切り替わりなどで「ボツ」とポップノイズのようなものが入るところです。HTC 7 Trophyでも同じような傾向がありましたが、IS12Tのように派手なものではありません。いくらリリースを急いだと言っても、こうした機器でノイズが入るのは致命的な欠点になるはずです。この状態でリリースしたメーカの姿勢には疑問を感じます。

イヤフォンを付けない状態で再生すれば、外部スピーカーに楽曲を出力することができます。iPhone 4の外部スピーカーは、それなりの中でも高品質な部類でしたが、IS12Tは、本当にそれなりで、想像以上でも以下でもない音しか再生されません。

HTC 7 Trophyは、良い働きをしないSound Enhancerがイコライザー機能を持っていましたが、IS12Tには、相当するような機能はありません。

細かな使い勝手

細かなところに目配せすると、ボリュームはソフトで調整できず、ハードキーを使います。

そのハードキーは、画面オフの状態で押しても有効にならず、画面をオンにしている時に使う必要があります。楽曲再生中に、イヤフォンを引き抜くと再生が停止します。音楽を聴いている最中に、電話がかかって来たら、イヤフォンを引き抜いて対応できます。

Music & Videoのユーザインターフェースは、懲りすぎの感があり、失敗しながら操作の経験を積まないと使いこなせませんが、アーティスト写真の表示機能は、口元の緩む憎い仕上がりです。iPhoneやiPodの代替えと考えたいところですが、先で書いたポップノイズが入るのをどう考えるかになります。筆者は、許容しがたいので、非常に惜しいと感じています。

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