携帯電話研究家イケハタさんのスマホ業界つれづれ話

第4回PC系タブレット最強の刺客、それがSurface Pro 3だ!

要注目のタブレットPC『Surface Pro 3』を独断と偏見でレビュー!

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こんにちは、池端です。

「気がついたらPCも、全体的にみると3分の1以上がタブレット型のPCになっている…」

拙著『ディープでギークなスマホ情報―これがスマホ&モバイルの未来だ!?』の中で私はこのように書きました。普段はスマートフォンを起点としてモバイル界隈のお話をしてきましたが、私はガジェット系やPCなども常日頃触れております。

今回はちょっと番外編……とはいっても紹介するのは要注目のタブレットPCで、個人的に待ちに待った『Microsoft Surface Pro 3』を池端目線で"偏った"レビューをしたいと思います。

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ついに発売!Surface Pro 3のスペックを調査

まずは気になるSurface Pro 3の本体サイズから見て行きましょう。

サイズ292ミリ× 201.3ミリ× 9.1ミリ
重さ800グラム

見た目や触感の部分から行くと、先代のSurface Pro 2と比べて本体は3ミリ以上も薄くなり、重さは約100グラム以上も軽くなりました。初代のSurface Proと比べれば、今作の薄さが歴然とわかります。

それでは実際に並べて厚みを見た画像を見てみましょう。比較するのはSurface Pro(初代⁠⁠、Surface Pro 3、iPhoneです。

左上が初代Surface Proで右上がSurface Pro 3、手前がiPhone 5s。
Surface Pro 3とiPhone 5sの厚みの差はほとんどなく、逆に初代Surface Proの厚みが際立つ

左上が初代Surface Proで右上がSurface Pro 3、手前がiPhone 5s。Surface Pro 3とiPhone 5sの厚みの差はほとんどなく、逆に初代Surface Proの厚みが際立つ

次にディスプレイまわりを見てみます。

画面サイズ12インチ(ClearTypeフルHD Plus)
解像度2160×1440
縦横比3:2

画面サイズは12インチ(縦横比3:2)と拡大。画面解像度の向上と物理寸法の拡大によって、ドキュメントファイルを同時に複数開くことや、フルサイズでの動画視聴がより快適になりました。

画面解像度が上がったので、ノートPC的な横画面の使い方でブラウザを開いたときの表示領域が広く、使い勝手が良くなっています。また、縦画面で使用する場合でも、A4サイズのレポートパッドより若干狭い程度の十分な幅があるので、ペン入力でも非常に文字が書きやすいサイズです。

その他のスペックも見てみましょう。

タッチマルチタッチ
バッテリー駆動時間最大約9時間
記憶容量128GB/256GB/512GB
メモリ4GB/8GB RAM
CPU第4世代Intel Core i3/i5/i7
ネットワークワイヤレスWi-Fi 802.11ac/802.11a/b/g/n,Bluetooth4.0
位置情報デジタルコンパス
ポートフルサイズUSB 3.0, microSDカードリーダー,ヘッドセットジャック, MiniDisplayPort,カバー用ポート
OSWindows 8.1 Pro
カメラ,ビデオ,オーディオ5メガピクセルのリアカメラ,5メガピクセルのフロントカメラ,ステレオマイク, ドルビーサウンド搭載ステレオスピーカー
センサー光センサー,加速度センサー,ジャイロスコープ,電子コンパス
キックスタンド調節ポジションマルチ

そして、使いやすさの面で進化を遂げたといわれている、ペン、スタンド、キーボードについて。

まず、ペンは従来のWacomからN-trig デジタイザへ変更されました。

古くはPDAや任天堂DSのようなクリック用のスタイラスペンではなく、より「紙とペン」の書き心地を追求しているようです。

またSurface Pro 3がロック状態でも、ペン側のボタンクリックからOne Noteが立ち上がり、ささっとメモを取ったりブレスト用に落書きしたりできるのが◎。

メモ書きはOneNoteで作成したメモ書きはOne Driveに保存しておいて、PCやほかのデバイスからも同期できます。ただ、ペンの感圧は以前よりも落ちている気もします…

タイプカバーは、"風呂の蓋"といわれた初代iPadのカバーをほうふつとさせますが、磁石でカチっと固定させて少し角度をつけてキー入力が可能。膝に乗せてノートPCライクにキー入力ができます。従来のSurfaceキーボードに慣れている人なら、固定せずに机などに平らにおいて入力もOKです。

本体背面に付いているキックスタンドは、Surface Pro 2では2段階で固定されていましたが、150度まで倒せる無段階のスタンドに変わりました。これは室内照明の映り込みをノートパソコンライクに角度調節するときなどに非常にありがたいです。

余談ですが、ノートパソコンではディスプレイの開閉によって、ディスプレイと本体のつなぎ目となるヒンジ部分に寿命が来ることがありますが、タブレットPCならその心配はないですよね。

"タブレット"としての使いやすさはどうなのか?

気になるタブレットとしての使いやすさについては、皮肉にもその答えは、Surface Pro 3の公式サイトの中にありました。これは「革新的なノートPC」である、と。

冒頭でも申し上げましたが、Surface Pro 3は、PC陣営がスマホやタブレットに慣れたユーザーに、いま一度MSが培ってきたOSとOfficeなどの製品群の良さを再認識してもらうために開発された"キラープロダクト"というのが私の見方です。実際、PCユーザー視点で見れば相当優秀。デザインも洗練されているので、欲しいと思わせるガジェット要素もあり、性能的にもかなりのハイスコアをたたき出せる製品であることは間違いありません。もちろんOSはWindows 8.1 Proなので『艦コレ』だってできます!

ただ、スマホから入って、ファブレットやタブレットを持ち歩いている人の目から見るとどうでしょうか?

画面サイズ12インチはデカ過ぎです。マイクロソフトにとっての売りが、タブレットを常用する層にとっては、いやちょっと……と購入を躊躇してしまい、使う気にならない要素になっている面は否めません。

電車の中で12インチのタブレットを使っていたら、そのサイズゆえに結構目立ちそうです。

このほか、AndroidやiOSに比べるとやはり諸々の起動や終了時の動作ステップが多いこと、SIMカードが入らないため、単独の通信ができないことなども、iPadやレノボのヨーガタブレットを使ったことのある人から見ると「できないことがある」という判断になってしまいます。もしSurfaceがAndoroid OSとデュアルブートができてアプリが使える端末だったら、また少し評価は変わっていたかもしれませんが……

結論。「タブレット的に使えるPC」としては超優秀だが……

ノートPCで思い出したのが、タブレット登場以前にビジネスマンやモバイラーの人たちが愛用していたレッツノート(いまでも根強いファンが多いです)などに代表される"B5サイズノート"というカテゴリです。

13.1インチ位のモニターならWebサイトやドキュメントもそこそこ読みやすく、フル充電の標準バッテリーでほぼ1日使えて、カフェの机などで仕事やメールを打ったりするのにも最適でした。

その後もう一回り小さい"ウルトラブック"というカテゴリも登場しましたが、今度は小さすぎて見づらい、キーが打ちづらいという課題にメーカーが苦心していた頃、スマホ・タブレットの時代が到来しました。

Surface Pro 3は、レッツノート全盛のノートPC黄金期のような小気味よく動き、持ち運びがしやすいPCを目指したことは間違いありません。ラップトップPCとしてみれば12インチというサイズは最高です。

しかし、タブレット端末として考えるとこのサイズでは大きすぎます。

タブレットモードでのSurfaceのペン入力は、私がこれまで触ってきたペン入力対応の端末の中でも1,2を争う最強ぶり。書いていて非常に気持ちが良い書き心地だけに、惜しい!非常に惜しい!というのが私の率直な感想です。

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