今回はAndroidケータイの新モデル2種類を紹介します。
新しい仲間が登場して来ました
2009年を迎えてすぐ、オージーメイドのAndroidケータイが発売無期延期の発表がされてから、新機種発表がなかったAndroidケータイですが、萌葱色の草木が目立つ季節になって、堰を切ったように2台のAndroidケータイが登場するのでご紹介します。
まずはHTCから
1台目は、このメーカ抜きに、スマートフォンを語ることができないHTCからです。登場する端末は、HTC Magicと呼ばれ、すでに登場しているG1から、スライドアウトするキーボードを除いたフルタッチスクリーンの端末です。
本体デザインは、野暮ったい印象のG1と比較すると、曲線基調で柔らかく洗練された印象を受けます。本体縁のエッジが効いたラインや端末の上下が画面側にラウンドした部分が特徴的です。ハードボタンのデザインが唐突で、他から浮いた印象ですが、今時というか宝飾品にも似たデザインを身にまとったAndroidケータイが登場して来たという印象です。
スペックの詳細は、G1と大差ないので別表を参照いただくとして、ハードキーボードが搭載されてないので、Android 1.5がインストールされるのは間違いありません。
HTC Magicは、欧州Vodafoneが取り扱い、英国、スペイン、フランス、ドイツ、イタリアで発売予定されています。カラーバリエーションは白と黒になります。
サムスンからも登場です
2台目は、韓国の雄、サムスンからです。噂は随分前から出ていたのですが、I7500として正式発表されました。これもHTC Magic同様、フルタッチスクリーンの端末で、ハードキーボードを備えていないので、Android 1.5が搭載されるはずです。
I7500は、初お目見えなので、特徴的な部分をいくつかピックアップして見て行きます。
まずは、本体の厚み。
iPhone 3Gの12.3mmよりも更に薄い11.9mmとなっています。2007年に、ソフトバンクから厚みが8.4mmの薄型ケータイ「708SC(サムソン端末)」が登場して話題なりましたが、再びサムソンから薄型端末が登場することになります。毎日持ち歩くスマートフォンの場合、本体が薄くなると取り回しが楽になるので、この厚みは、より活躍の場を広げるキッカケになるはずです。
次に、ディスプレイ。I7500では、アクティブマトリックス型有機EL(AMOLED)ディスプレイが採用されています。アクティブマトリックス型有機ELは、次世代ディスプレイ技術と言われており、これまで市場形成が遅れていたのですが、昨年あたりから量産するメーカが増えて来て、製品となり我々の手元に届き始めた液晶パネルです。有機ELは、ご存じのように高コントラストで応答性が良く、消費電力が低いことが特徴で、モバイルデバイス向きです。しかし、屋外での視認性が悪く、使いづらい面もあります。実際に、アクティブマトリックス型有機ELが採用された端末を屋外で使ったことがないので、これの場合はわかりませんが実機のデキが気になります。
最後は、内蔵メモリ。
なんと8Gバイトの容量があります。最近は、8Gバイトくらいでは驚かなくなりましたが、これだけの容量があれば、ストレージとして活用できるので、iPhoneにもあったように、WiFiを経由で内蔵ストレージを共有するソフトがAndroidにも登場すれば、使いでのある物になるはずです。
I7500の本体デザインは、「サムソンらしい」と表現するのが一番的を得ているように思っています。黒のトーンが統一された本体カラーからは、男性的な印象を受け、アルミの削りだしにも見えるハードボタンが更にそれを強調し、デザイン上の特徴にもなっています。iPhoneを筆頭に、最近のスマートフォンが宝飾品とも思えるようなデザインを身にまとっていることを思えば、I7500は、少しオールドファッションで、いかにもデジタルガジェット的なデザインといえるのではないでしょうか。
I7500の発売は6月で、主要欧州諸国での発売がアナウンスされています。カラーバリエーションのアナウンスはされていませんが、黒だけと思われます。
表 2台のスペック表比較
| HTC Magic | Samsung I7500 |
サイズ | 113×55×13.65mm | 115×56×11.9mm |
重さ | 118g | Unknown |
ディスプレイ | 3.2インチ TFT 液晶 480×320 | 3.2インチ 有機EL液晶 480×320 |
カメラ | 3.2メガピクセル フラッシュ無し | 5メガピクセル LEDフラッシュ |
ネットワーク | HSDPA/HSUPA GSM/GPRS/EDEGE | HSDPA/HSUPA GPRS/EDEGE |
入力 | トラックボール 静電容量式タッチスクリーン | 4-way Key |
GPS | ○ | ○ |
Bluetooh | ○(2.0) | ○(2.0) |
WiFi | IEEE802.11b/g | IEEE802.11b/g |
バッテリー容量 | 1340mAh | 1500 mAh |
その他 | mini USB | microUSB 3.5mm イヤフォンジャック |
ジパングには届かず
2台の新しいAndroidケータイをご紹介しましたが、共に欧州で販売される端末で、我々が住む日本では、その足音すらまだ聞こえません。
ただ、端末を発表したメーカは聞き慣れた名前です。たとえば、HTCの場合は、NTTドコモにスマートフォンを供給しているので、HTC Magicが登場するとなれば、ドコモからになると想像できます。一方のサムソンは、ソフトバンクとの付き合いがあります。ソフトバンクは、昨年末にOHA(Open Handset Aliance)に参加したので、ソフトバンクからAndroidケータイが登場する可能もあります。Androidケータイは、ソフトバンクのARPU向上に貢献できるはずなので、本命とされるドコモを出し抜いて早々に登場することも考えれます。
そのドコモといえば、スマートフォンを普及させて行くためには、iモードへの対応が必須と考えているようです。iモードの豊富なコンテンツを有効活用できれば、スマートフォンを知らない多くのユーザに対しての切り口になり、裾野を広げる牽引役になることは想像できます。
ただ、最新ケータイの場合、それに組み込まれているソフトのユーザインターフェースとiモードのインタフェースの落差が大きくて、iモードは、一昔前のプラットホームを使っている印象さえ受けます。
iモードは、我々にとっても資産なので、Android等のスマートフォンで活用できるアプローチを取るのであれば、先で指摘したように10年来進化していない部分の見直しを図り、今風の仕立てて、スマートフォンに対応してほしいと考えています。
スマートフォンで使うのは、プッシュメールのiモードメールだけなんて、少し寂しいですし。