Googleケータイ、世に現る

第34回次期Android OS「Froyo」とは

一気にヒートアップした感があります

ドコモからXperia、ソフトバンクからDesireと、立て続けに高性能な端末が投入されて、Androidが一気にヒートアップした感じがあります。Xperiaは、発売20日で10万台出荷し、いまだ入手しづらい状態のようです。

かたや、日本初となるAndroid 2.1が搭載されたDesireは、出荷台数の情報はないものの、初回出荷分は、予約で完売とアナウンスされ、こちらも滑り出しは好調のようです。このあと、6月上旬にauのAndroid端末「IS01」がリリースされるので、盛り上がりに拍車をかけてくれるはずです。

Android 2.1を搭載して、先進性をアピールするHTC Desire。少し古い印象を受けるデザインが残念。
Android 2.1を搭載して、先進性をアピールするHTC Desire。少し古い印象を受けるデザインが残念。

他、モバイル広告配信の大手「AdMob」の3月のレポートで、米国の広告トラフィックの46%がAndroid、39%がiPhoneとなっており、AndroidがiPhoneを上回ったと報じています。

世界全体では、46%がiPhone、25%がAndroidと依然iPhoneが強いのですが、Androidのシェアが拡大しており、好調さを維持していると受け取っても情報です。

次期OSの「Froyo」とは?

このように、足が地に付いた盛り上がりになって来た感があるAndroidですが、Android 2.1に続いて、Android 2.2と噂されている「Froyo」のリリースが控えています。Android OSの開発コードネームは、⁠焼き菓子の名前をアルファベット順に採用する」とされてましたが、⁠Froyo」はフローズンヨーグルト(Frozen yogurt)の略称なので、方針の変更があったのかもしれません。

さて、そのFroyoは、デルがリリースを予定している端末での採用が予定されていたり、Google謹製のNexusOneもアップデートの対象になるとされています。Xperiaもバージョンアップが予告されましたが、Android 2.1とされているので残念です。

原稿執筆時点では、Googleから正式発表はありませんが、以下に噂されている新機能や修正点をリストアップし、気になる項目をいくつかピックアップして行きます(5月に開催されるGoogle I/Oで正式発表されたら、追って詳細をお伝えします⁠⁠。

  1. Flash 10.1のサポート
  2. アプリの自動アップデート機能
  3. Android Marketのアップデート
  4. UIの改良・修正
  5. FMラジオのサポート
  6. OpenGL ES 2.0の機能拡張
  7. IEEE 802.11nのサポート
  8. トラックボールのLEDカラー追加
  9. タッチパネルの誤作動修正
  10. RAMの解放
  11. JITコンパイラの採用

まずは、⁠1. Flash 10.1のサポート」です。

アップルがiPhone, iPadからFlashを閉め出し、アドビはアップル製品への取り組みを縮小し、Androidへの取り組みを強化するとアナウンスして話題になりました。筆者は、代替え技術があると言え「使えない」よりも「使える」方が良いと考えているFlashですが、10.1に対応したAndroid用Flash Playerは、5月に開催されるGoogle I/Oでパブリックプレビューとして公開され、その後、6月に一般向けにリリースされるとしています。

Flash Playerに続き、AIRもAndroid対応となるはずですが、一連の流れで、Flash関連の技術は、当面、iPhone, iPadで動くことはないので、現時点でAIRを使うメリットが殆どなく、重要な意味を持たない位置づけになってしまったのは残念です。

次は「2. アプリの自動アップデート機能」です。

インストールしたアプリの最新版がアンドロイドマーケットに公開されると最新版公開の通知が行われますが、インストールは、1件ごと手動で、時間を割いてダウンロードする必要があり正直面倒です。まだ、自動アップデート機能の詳細はわかりませんが、あらかじめ許可することで、最新版のインストールが自動化できるのであれば、ユーザ・開発者共にメリットのある機能になるはずです。

最後は「11. JITコンパイラの採用」です。

Androidに搭載されるDalvik VMのJITコンパイラ(Just-in-time compilation)を有効にすることで、多くのアプリが3倍高速化するとしています。SnapDragonの1GHz CPUを採用するXperiaを触ると、現状でも不満がない程の動作速度なのに、さらに高速化される可能性があるならば、ぐうの音も出ない程になるはずで期待大の技術です。また、JITコンパイラを使うことで、バッテリーの寿命に貢献できるとされています。Xperiaでは、バッテリーの持ちが気になるので、Froyoが採用されると朗報なのですが、Android 2.1の採用なので残念です。

サンフランシスコで5/19、20に開催されるGoogle I/Oでは、Android関連のセッションも多く開催される。
サンフランシスコで5/19、20に開催されるGoogle I/Oでは、Android関連のセッションも多く開催される。

まずはNexusOneから…

Flash 10.1や自動アップデート、JITコンパイラと、期待の技術が多く盛り込まれているFroyoですが、新規リリースの端末以外では、NexusOneからのアップデートとなるようです。

NexusOneは、このアップデートで真の実力を発揮することになるはずなので、非常に楽しみです。6-7月には、落とし物で話題になった、第4世代のiPhoneのリリースが控えているとされています。夏迄には、両端末が出揃うはずで、多くのメディアを賑わせることになりそうです。

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