Googleケータイ、世に現る

第51回Googleマップナビを試す

PNDあやうし

年頭のコラムで、Androidへの期待として「Google Map Navigation」を上げました。

コラムでもPNDとGoogle Map Navigationの関係を取り上げましたが、それから時間が経過しているので、再度、PNDとの関係を考えてみます。

助手席でGoogleマップナビを使う様子。HT-03Aは、画面が小さいので、助手席に座る人のヘルプが必要かも。
助手席でGoogleマップナビを使う様子。HT-03Aは、画面が小さいので、助手席に座る人のヘルプが必要かも。

一時は、話題の中心だったPNDですが、現在は、新製品のリリースも話題に上ることは少なくなりました。しかし、二万円を切る価格で購入できるようになっているので、良く言えば、買い易くなり着実に浸透している商品になったと言えます。そんなところへ、弱り目に祟り目とでも言うべきか、Googleマップナビが登場したので、PNDにとっては間違いなく脅威です。

PNDの購買層が簡易ナビ欲しさに、Androidケータイへ流れてくることは考えられませんが、数十万台の規模で市場に存在するAndroidケータイが無償で簡易ナビになることを考えると、余程の理由がない限り、PNDを購入するとは考えられません。また、クルマに据え付けのナビがあるユーザでも、地図の更新が煩わしい為という理由でPNDを使うユーザが居るように、PNDを使うユーザも地図が古くなった時点で、Googleマップナビに乗り換えようと言うユーザが出てくるかもしれません。Googleマップナビは、地図を3G通信で取得するので、更新費用を負担がなくなるだけではなく、最新の地図が使えるメリットもあります。

こう考えると、やはりこれ以上PNDが成長する難しいかもしれません。

また、多機能なPNDになるほど、スマートフォンと重なる部分が多いので、数年のスパンで見れば、スマートフォンに取って変わる可能性も考えられ、PNDが市場で得た地位も失う可能性があります。そう、PDAがそうだったようにです。

使い心地はいかに

前置きが長くなりましたが、Googleマップナビの使い心地をレポートします。

Googleマップナビは、単独のアプリとして存在しているワケではなく、Googleマップの機能の一部として存在しています。

ナビを使うには、あたりまえですが目的地の設定します。

Googleマップを起動して、メニューから[経路]を選択して現在地と目的地を入力します。現在地には、GPSで測位した場所が入っているはずなので、目的地にランドマークなどのキーワードか住所を入力することになります。

Googleマップナビには、専用ナビのように電話番号で検索する機能はありませんが、検索するなどして目的地の住所を探し出し、コピー&ペーストすれば、楽に入力できるので、そう手間な話ではありません。Googleマップナビ向けに、電話番号から住所を検索できるサービスがあれば、面白いのかもと感じたりします。

目的地の入力が終わったら、クルマアイコンをタップして[実行]をタップします。すると、経路が一覧になって表示されます。ここで[ナビを開始]をタップすると、Googleマップナビが起動します。こうして書くと、長々したステップを辿っているように思いますが、使い慣れているGoogleマップの経路検索と何も変わらない操作なので、ナビのために何かの操作を覚えるなどの必要はありません。

ナビ画面は、シンプルですが機能的です。走るルートを斜め上から表示したような画面、ハードアイと言うのがわかりやすいかもしれません。クルマは、画面の下から上に進行し、クルマの進行方向に合わせて地図が回転します。画面上のバンドには、次の曲がり角までの距離や走行中のルートが表示されます。その下には、コンパスが表示されて、方角を直ぐに知ることができます。画面下には、目的地までの到達時間が表示されます。

目的地に向かい走り出し、曲がり角に近づくと「あと○○○メール先、右です」のようにカウントダウン方式で、曲がり角付近では「次、右です」と音声による指示ガイダンスが本体のスピーカーから再生されます。ナビなので、あたりまえと言われれば、それまでなんですが、音声ガイダンスが搭載されていることを期待してなかったので、予想外で驚きました。その音声ガイダンスは、クリアで聞き取りやすく、GPSが測位できていれば、良いタイミングで再生されます。

地図表示の追従性も良好です。ナビを使っている間は、周りの流れに合わせて走行していましたが、一度も地図表示が遅いと感じることはなく、快適に使うことができました。ただし、長めのトンネルで、ケータイの電波が入らなくなると、走行に合わせて地図の更新が行われません。当然、GPSも測位できないので、使えない状況になりますが、トンネル内に三叉路があるワケではなく、ナビのお世話になることはないので、トンネル内で使えなくても問題なしと感じています。

また、地図表示は、ナイトモードも搭載する気の利きようです。これも音声ガイドと同じで期待してなかったので、表示が切り替わったときは、感嘆の声を上げてしまいました。

ナイトモードで地図が表示されている様子。車内を煌々と照らすようなことはない。
ナイトモードで地図が表示されている様子。車内を煌々と照らすようなことはない。

課題は…

難なく使えるので驚いていますが、課題はあります。

まずは、バッテリーです。HT-03Aを使って、90分ほどのルート案内をさせてみたところ、バッテリーの残量100%からナビを開始して、目的に到達したときには54%までに減っていました。この間、ナビ以外の機能は使っていません。

この計算で行けば、180分程は使えることになります。PNDが5時間程度使えることを考えると、頼りない印象ですが、シガーソケットから電源を供給すれば解決できます。

当然ですが、ケータイの電波が入らない場所では使い物になりません。ドコモであれば、余程の場所でない限り電波が入らないところは存在しないので、実用上は問題ならないかもしれません。

二つの課題を上げましたが、それを差し引いてもスマートフォンをナビに変えてくれる素晴らしいアプリです。いまのところ、Androidでしか使えないので、Androidユーザは、iPhoneユーザにホレホレと自慢する良いネタになるのではないでしょうか(笑⁠⁠。

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