Googleケータイ、世に現る

第54回Android陣営の追撃態勢は整ったのか

今回は、この夏のAndroid陣営を中心にスマートフォン業界の動向について見てみます。

8月の販売シェアはAndroidが首位!

2010年8月の単月データですが、米国のニールセンの調べによると、この月、Androidケータイを購入した人が一番多かったという結果が出ています。

具体的には、Androidが32%、iOS(iPhone)が26%、BlackBerryが25%という結果です。

首位を明け渡したiOSとAndroidの差は、わずか6%ですが横綱のようなiPhoneから首位の座を奪ったので、何か新しい風や今までとは異なる流れが起こりはじめているのではないかと考えたくなるニュースです。

今回は、このニュースをネタに、スマートフォンの現状を整理し、これからの展開を考えてみます。

この結果を見て、まず考えるのは、米国ではiPhone 4の需要が一段落したのでは?と言うことです。米国でiPhone 4が発売されてから、5ヵ月程度が経過しているので、欲しい人・気になっていた人達には行き渡り、8月は、ちょうど需要が落ち込んだタイミングだったとも言えるかもしれません(最近発売された中国では、供給量を超える需要だったようで、どこでも人気があるのは間違いありません⁠⁠。

初期需要の後は、既存ユーザの乗り換え需要に期待することになりますが、iPhone 3GSのユーザは、iPhone 3Gユーザが魅力的に感じたキビキビとした動作や高精細のRetinaディスプレイを魅力的に感じないと言う話を良く聞くので、乗り換え需要が少ない可能があります。また、iPhone 4のあまり変わり映えのない選択肢の提示に魅力を感じないというユーザも多くいるはずです。

その点では、Androidケータイの右に出るスマートフォンはなく、iPhone 4のように、高精細ディスプレイを搭載した端末やQWERTYキーボードを搭載した端末、クレジットカードサイズの端末まで多種多様な端末が販売されています。ユーザーの裾野が広がって来れば、ライフスタイルにマッチした端末を使いたいと考えるのは当然の成り行きです。今回、単月とはいえ販売シェアが首位になった理由は、スマートフォンが普及期に入った米国で、ユーザーが数多くの選択肢を提示しているAndroidケータイを評価したための結果と見て良いはずです。

iPhone 4を中心に、左からMilestone XT720、Xperia X10、Xperia X10 mini pro。Androidケータイは、多くの選択がある。
iPhone 4を中心に、左からMilestone XT720、Xperia X10、Xperia X10 mini pro。Androidケータイは、多くの選択がある。

日本の状況は…

では、日本での状況はどうでしょうか?

先の調査結果と同じ2010年8月の純増数は、ソフトバンクが首位、続いて、NTTドコモ、auの順になっています。ソフトバンクは5ヵ月連続の首位で、その要因はiPhone 4の販売が好調のためとされています。

これを見ると米国とは異なる動きで、iPhone 4が牽引役とされています。

これは、日本で長い間iPhoneに対抗できる端末がリリースされておらず、ガラケーに飽き足らないユーザたちの唯一の選択だったために、他国に比べて有利な状況に置かれていると考えられます。iPhoneが唯一の選択肢だった状況が長く続いたため、先陣を切ったユーザは他へ浮気することなく、その輪を広げる努力を行い、スマートフォン=iPhoneという構図を作りあげ、牽引役にまでになりました。

ソフトバンクが純増トップを続ける理由は、当然、ソフトバンクの努力もありますが、先陣を切ったユーザたちの普及活動も無視できないはずで、純増トップの下支えになっていると言えるはずです。

iPhone一人勝ちの状況は変わらないのか?

しかし、状況は変わりつつあります。

日本でもスマートフォンの選択肢が増えはじめ、iPhoneが唯一の選択肢ではなくなり、多くの人がスマートフォンに興味を持ちはじめ、利用しはじめたことで、普及期へ向かおうとしています。

たとえば、auから、おサイフ、ワンセグを搭載し、我慢しないで使えるAndroidケータイ「IS03」が登場しました。これまで、スマートフォンは欲しいけど、それらを我慢しなければならないユーザたちは購入を躊躇していましたが、IS03が登場したことで背中を押すことができます。また、同じタイミングで、ドコモから米国で発売1ヵ月で約100万台を出荷した「Galaxy S」とAndroidタブレットの「Galaxy Tab」をリリースして、先行するiPhoneへの攻勢を強めています。

日本のスマートフォン黎明期は、間違いなくiPhoneが築き上げましたが、先で紹介した端末の他にも数多くのスマートフォンがリリースされて、購入の選択肢が増えることになれば、これまでとは状況が変わります。多くのユーザは、生活必需品であるケータイにライフスタイルを合わせるようなことはせず、ライフスタイルにマッチした端末を選ぼうとするはずです。

先陣を切ったiPhoneは、ユーザに少しの歩み寄りを求めるので、この端末が何処まで受け入れられるのか、また、米国同様、Androidケータイがユーザニューズをタイミング良く捉えて魅力の端末をリリースして、iPhoneの牙城を脅かすことになるのか、それとも、Windows Phoneなのか、今後の動きに注目です。

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