Androidケータイが急増殖する予感
先日、NTTドコモからGalaxy SとGalaxy Tabが、auからは、ガラケー機能を搭載したIS03が発表されました。この端末以外にも年末から来春に向けてさまざまなAndroid端末のリリースされると噂されており大増殖の予感がするので、噂レベルの情報も含みますが、今回は気になる端末をピックアップしてみます。
NTTドコモ:T-01C
東芝製のAndroidケータイです。
REGZA Phoneと呼ばれるようで、4インチのFWVGA(480×854)ディスプレイ、FeliCa、12メガピクセルでHD動画撮影可能なカメラ、ワンセグ、赤外線、防水対応とされています。カラーバリエーションは、黒と赤の2色です。注目は、防水対応で、お風呂で使えるスマートフォンが登場することになります。この端末で「お風呂なう」とつぶやく人が間違いなくいるはずです(笑)。
NTTドコモ:SH-03C
型番から判断できるように、シャープ製のAndroidケータイです。
3D立体視に対応した3.8インチWVGA(800×480)ディスプレイ、FeliCa、フラッシュ付き9.6メガピクセルカメラ、ワンセグ、赤外線対応とされています。
スペック的には、T-01Cより落ちますが、液晶は3D対応とされているので、どのようなコンテンツを用意しているのか楽しみです。また、質感を向上させることに力を入れているようなので、どのような端末が登場するのか楽しみです。
au:IS04
ドコモのT-01Cと同じ端末です。
ドコモ版共に、当初はAndroid 2.1を搭載してリリースされますが、2011年春ごろにAndroid 2.2へアップデートされる予定との話があります。
au:IS06
韓国Pantech製でAndroid 2.2した端末です。
日本製端末がガラケー機能を搭載してい中、この端末はガラケー機能を一切搭載していません。auは、ワンセグ、おサイフ、赤外線にこだわり、それらの機能を搭載した端末をリリースしていますが、必要性を感じていないと言うユーザもいるはずなので、そうしたユーザには、オススメできる端末となりそうです。価格の話は聞こえてきませんが、低価格に抑えられる可能性もあります。
差別化要因は?脱ガラパゴスは?
キャリアの夏モデルとして投入されたAndroidケータイ「LYNX」と「IS01」は、物理キーボードを搭載し、見た目にも特徴的で利用シーンが想像しやすかったのですが、発売が噂されている端末は、いずれもトレンドに沿った物理キーボードを搭載しないフルタッチ仕様です。
フルタッチ仕様の端末は、ハードウェアの入力装置などが限られており、デザイン的に工夫の余地が少なく、わかりやすく言えばiPhoneのような姿をしています。ガラケーでは得意だったギミックで差別することも難しくなります。外見で差別化するならば、質感にこだわり、持つことの悦びや触るたびに感じる気持ち良さなどを提案することも可能なはずです。また、我々日本人が本来持つ繊細は美意識で、研ぎ澄ませ無駄を削ぎ落として行けば、国際化するスマートフォン市場で「らしさ」をアピールする要素になるのではないでしょうか。
さて、発売が噂される端末には、ワンセグやFeliCa、赤外線が搭載されています。
これらは日本固有のもので、ガラケーユーザをスマートへ移行させるための必須要素にはなりますが、これを武器にして世界を渡り合えるワケではなく、磨き上げても「ガラケー 2.0」へと進化するだけで、脱ガラパゴスとはなりません。であれば、ソフトウェアの方に集中することも考えられますが、日本独自の事情ばかりに捕らわれすぎると、これまた、ガラパゴス化を進めるだけになる可能性が高いので、さじ加減が難しところです。
では、絶滅するのを待つだけなのか?と言えば、そうではなく、オープンOSを自国の文化に対応させる技術力や器用さはあるので、そのノウハウを各国向けに展開すれば、世界で勝負できる端末を作り上げることが出来るのではないでしょか。そう、サムソンが行っているようです。
各メーカの戦略は?
しばらくの間は、ガラケー機能や日本語入力が差別化要因となり、海外からやって来るAndroid端末と差別化できるはずですが、そう長く続くはずもないので、早々に策を施さないとシェアを奪われることになるかもしれません。
そのひとつが、自社ハードを使い自社サービス提供する、いわゆるApple化を進めることかもしれませんが、サービス開発は、キャリア主導で行われてきたので、単独でのサービス立ち上げは、厳しい道のりかもしれません。
唯一の光明は、シャープが電子書籍端末「GALAPAGOS」向けにTSUTAYAと共同でコンテンツストアを開設したことくらいです。国内の自社端末のために、独自のサービスを立ち上げるとなれば、採算性なども厳しくみられることになるはずで、成功の是非は残りますが、このような思い切った動きが、いまは必要なのではないでしょうか。