Monthly Windows Phone 7 News

第4回Mangoの季節だ!

Mango! Mango! Mango!

Microsoftは5月24日に、日本語版を含むWindows Phoneの次期バージョンを発表しました。

バージョンは7.1となるようですが、日本マイクロソフトのホームページを見ると、Windows Phone "Mango"と表記されているので、MicrosoftもAppleに習い親しみやすい名称を使って、OSのバージョンを表していく意図があるのかもしれません。

さて、発表会では端末開発メーカが新たに3社公表され、その中に日本の富士通が含まれています。日本市場におけるWindows Phoneの展開は明らかになっていませんが、年内に端末を投入するとしているので、富士通から登場してくるのは間違いなさそうです。となれば、気になるはリリース時期ですが、9月の説もありましたが、少し遅くなり10月中旬の説が濃厚となっています。既存端末へは、新端末発売よりも先にアップデートが配布されるともされているので、少しでも早く触ってみたいと言う方は、現在、価格が急落しているWindows Phone 7の端末をいまのうちに購入しておいて、先行アップデートを期待して待つのもいち早くMangoを体験するための近道となるかもしれません。

Windows Phone 7は、昨年10月のローンチ以降、端末が増えていませんが、Mangoがリリースで、ひさびさの新端末の登場となるので期待が高まります。また、Windows Phone をメインのプラットホームとしたノキアは、2~3ヶ月ごとに端末をリリースしていくとしています。これが本当であれば、桜の咲く頃には大増殖の可能性があり大変楽しみです。

MicrosoftのWindows Phone 7のホームページ。"Mango"と表記されているのが確認できる。
MicrosoftのWindows Phone 7のホームページ。

どこでもメトロ!

Windows Phone 7で採用されているメトロユーザインターフェース(Metro UI)は、Windowsファミリーの中では特異な存在です。Microsoftは、このMetro UIに自信があるようで、Windows 8にも採用しようとしています。余談ですが、筆者はデスクトップPCでは限定的な利用で、ARMベースで動作するタッチデバイスで全面的に使われるのではないかと想像しています。また、Xbox 360のダッシュボードにもMetro UIが採用されます。これまで、ユーザエクスペリエンスの共通化のために、デスクトップPC成功したユーザインターフェースをミニチュア化して、携帯端末に持ち込んでいました。その試みは、成功したとは言えませんが、今回は、その逆のアプローチが取られ、携帯端末からゲームコンソール、デスクトップPCまで、Metro UIが使われようとしています(正確には、そのデザインや使い勝手、考え方が使われようとしている⁠⁠。

世は、モーダルコンピューティングが主流になりそうな予感なので、スマートフォンで養われたユーザインターフェースは、XboxやデスクトップPCでも活躍できかもしれません。また、冒頭でも書いたように、Metro UIは、Windowsファミリーの中では特異な存在でしたが、全面的に採用されることで、デベロッパーは安心してメトロ・ユーザーインタフェース最適化したアプリを開発できるようになります。これは、iPhoneにはないスケーラビリティなので、Windows Phone 7の大きなアドバンテージとなる可能性があります。

巻き返しは厳しい道のりだが……

米ニールセンが発表した2011年2~4月のマーケットシェアでは、Android OSが36%、iOSが26%、BlackBerry OSが23%と続いています。その中で、Windows Phone 7のシェアは、webOSの2%よりも少ない1%となっています。Android OSが凄まじい勢いのころだったので、サンプリングの時期が良くありませんが非常に厳しい状況です。これ以上悪くなることはないとは思いますが、期待のMangoが10月中旬から投入されたとしても、Android OSやiOSの背中が見えるようになるには、まだ時間が必要になるはずです。

ただし、そう遠い未来ではないはずです。ケータイ電話の買い換えサイクルは2~3年ですし、スマートフォンが生活に役立つツールとして認識されて来たので、明確な利用スタイルを提案することで、主流の地位を早期奪還するチャンスは残させているようにも思います。Android OSだろうがiOSだろうか、それは余り重要ではなく、自身の生活をどれだけ豊かにしてくれるのかがポイントですから。

筆者がこう考える理由は、Microsoftの視点がこれまでと違うと感じるからです。

たとえば、AndroidやiPhoneとの差別化要因として「人々の仕事や生活を手助けするツールにする」と発言しており「どこどこの日本食レストランを予約できないかなと言えば、検索結果を表示したり電話をかけ始める」というように、端末に自然な言葉で話しかけることで使える機能を搭載するとしていたり、その検索結果の返し方もGoogleのように、ウェブページのリンクを返すようなものではないとしています。

Microsoftは、生活の1シーンでWindows Phone 7が、どのように使われるべきなのか明確なイメージやストーリーを持っているように感じます。先行するとAndroid OSやiOSは、プラットホームの要素が強く、こうした印象は弱いので、異なる視点が最大の差別化要因となりそうです。

今月は、これくらいで

先日行われたWWDCで発表されたように、秋にはiOS 5が登場します。Mangoのリリースタイミングと近いので、全面対決となりそうです。その結果は、すぐには出ないと思いますが、今年の後半も目が離せなくなりそうです。それでは、今月はこの辺りで。

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