JAVA PRESS Vol.28
今号の特集概要
特集
限界への挑戦から見えてきた未来
Java Next Generation
20世紀末にコンピュータ産業の歴史に登場したJavaは,21世紀初頭の現在では,Webアプリケーション開発言語の世界標準としての地位を獲得しました。この間数度のバージョンアップを経て,もはやすべての課題は克服され,Javaは完成されたものとも思えます。 しかし,テクノロジの世界に「現状維持」という言葉がないことは,歴史が証明しています。コンピュータ産業の歴史は,同時に,決して現状に満足することなく,理想の実現に向けて飽くなき挑戦を続けてきた人々の闘いの記録でもあるのです。 そして,その挑戦は今でも続いています。この特集では,日常的にJavaが使用されるようになった現在において,なお,次世代に向けて開発が続けられている最新テクノロジについて紹介します。
特集2
最新版JSP/Servlet/EJB,その真価を問う
J2EE1.4 SDKテクニカルレビュー
刻一刻とリリースが迫ってきた,待望のJava 2 Platform, Enterprise Edition 1.4。その中には,J2EE三大テクノロジであるJSP,Servlet,EJBの各最新バージョンも同梱されます。Webアプリケーション開発の構造改革-スクリプトレスなWebページの作成-を目指したJSP2.0。J2EEにWebサービスプラットフォームとして確固たる礎を築かせるべく,Webサービスエンドポイントの役割を新たに担うEJB2.1……。 本特集では,このように総じて野心的な機能拡張が施されたJ2EE1.4を,2002年11月にリリースされたJ2EE SDK β版による検証を通じて概説していきます。実装ベースの検証を行うことにより,情報の消化だけに留まることのないJ2EE1.4の“使用感”を,いち早くお届けします。
特別企画
JXTA for J2ME+504i端末でP2Pを体験する
ワイヤレスP2Pがやってきた!
P2P(Peer to Peer)は,分散コンピューティングを実現するテクノロジの1つです。このP2Pという言葉から最もよく想起されるのが,著作権上の問題から,1999 年に米国で訴訟騒ぎとなったNapsterのファイル交換です。この例からもわかる通り,P2Pの大きな特徴はユーザが情報発信の主役になれるという「ボトムアップ型」の理念に基づいているということです。 現在では,このP2Pのプレーヤとして,携帯電話,PDAのような,持ち運びのできる小型端末をターゲットにしようという動きがあり,先見の明を持つIT 技術者の間では関心が高まっています。本企画では,Java開発者の関心を集めるJXTA for J2MEという実装を基に,ワイヤレスP2Pの“感触”とテクノロジを解説します。遊び感覚で次世代技術に触れてみましょう。