京都マイクロコンピュータ、デバッガソフト「PARTNER」、組込みCPU対応コンパイラ「exeGCC」新バージョン発売

京都マイクロコンピュータ⁠株⁠は6月25日、デバッガソフト「PARTNER」の新バージョンVer. 5.6の出荷開始を発表した。同バージョンでは従来の機能に加え、新たに「スナップショットデバッガ」機能が追加されている。PARTNER Ver.5.6はARM、MIPS、SH、V850の各PARTNER-Jetに標準搭載され出荷されるほか、PARTNER Ver. 5.6 ARMでは、新たにCortex-A8コアに正式対応している。

年間保守サービスを契約しているユーザは、PARTNER Ver. 5.6へのアップデートソフトウェアを同社Webサイトよりダウンロードし、利用できる。

今回、新たに標準機能として追加されたスナップショットデバッガ機能は、ある瞬間のターゲットの状態をファイルに保存し、後からターゲットボードを使わずにそのファイルの情報を利用し、メモリやレジスタ、リアルタイムトレースデータにアクセスしてデバッグを実現する機能。

スナップショットデバッガは、PARTNER-Jetのデバッガと同じ操作で以下のことが可能となる。

  • 物理アドレス、TLBを介した仮想アドレスの両方で、指定領域(メモリ)の参照
  • CPUレジスタの参照
  • 実行トレース(ETMやAUD)の参照
  • 指定領域のディスアセンブル結果の表示
  • ソースデバッグ情報を読み込んで、シンボル名によるアドレスの参照や変数のインスペクト表示
  • 関数のバックトレース表示
  • イベントトラッカー対応
  • OSデバッグ対応(OSデバッグのオプションが必要)

また同社は6月29日、組込みCPU対応GCCコンパイラ「exeGCC Ver.4」の出荷開始を発表した。各CPU別にパッケージ化されており、価格は各148,000円(税込価格:155,400円⁠⁠。年間保守サービスを契約しているユーザは、アップデートソフトウェアを同社Webサイトよりダウンロードし、利用できる。

exeGCCは、一般のWindowsアプリケーションと同じインストーラを用いて簡単にインストールできる、Windows上で動作する組込みプロセッサ向けのクロスコンパイラ。従来のexeGCCはGCCのベースバージョンにVer.3.2.x系を使用していたが、新バージョンではVer.4.3.xにアップデートされている。

exeGCC Ver.4は、従来のARM、MIPS、SHのCPUに加え、新たにPowerPC、最新のARM v7アーキテクチャにも対応した。動作OSはWindows XPおよびVista(32ビット環境のみ⁠⁠。

exeGCC Ver.4には組込み向けに構成されたC/C++ライブラリ、浮動小数点ライブラリなどが付属している。このライブラリは、生成コードがGPL/LGPLに該当しないもののみを利用し、ソースコードとともに提供するため、exeGCCを使って生成したソフトウェアは、GPLフリーとなる。

付属のソースコードの機能を改変したり、ビルドオプションを変更してライブラリを再構築することも可能。さらに、同社JTAG ICE「PARTNER-Jet」が提供するターゲット上で動作するソフトウェアから同製品をを介してWindows上の資源にアクセスするVLINK機能を利用するためのライブラリ、Eclipse Plug-inも付属している。

京都マイクロコンピュータ⁠株⁠
URL:http://www.kmckk.co.jp/

おすすめ記事

記事・ニュース一覧