ぷらっとホーム( 株) は6月7日、ARMコアを搭載したマイクロサーバ「OpenBlocks Aファミリ」2機種、および同じくARMコア搭載の簡単運用アプライアンスEasyBlocksシリーズ新モデル3機種を発売した。
ARMを採用したマイクロサーバ OpenBlocks Aファミリ」
OpenBlocksファミリは、手のひらサイズのサーバとして累計6万台を出荷したシリーズの最新モデル。従来はCPUにPowerPCを採用していたが、AファミリではARMコアを用いることで、低消費電力かつ高性能なサーバ性能を確保した。また従来のシリーズではストレージとしてコンパクトフラッシュのスロットを装備していたが、Aファミリでは2.5インチスリムタイプのSATA HDD/SSDが搭載可能で、より幅広い用途に使用できるとしている。
また、搭載する機能や添付品が異なるパッケージラインナップも用意されている。ソフトウェアのアプライアンス化検討のため検証・開発を行いたい、あるいは量産用に添付品を最小限としたいなど、ニーズに合わせたパッケージを選択可能。
同ファミリとして、次の2モデルがラインナップされる。
OpenBlocks AX3
CPUとしてデュアルコアARMADA XP 1.33GHz(ベースアーキテクチャ:ARM Cortex-A9) 、ギガビットEthernet×2もしくは4ポートを搭載、オンボード1GBのメインメモリを備えたハイエンドモデル。
Webフロントエンドサーバ、IPS/IDSなどのパケット解析を要するセキュリティ、HTTP ProxyやReverse Proxyなどの代理アクセス、ジョブ管理やリソース監視を含むネットワーク監視、そのほかIP-PBX、NASヘッド、メール中継などのサービス用途、もしくはアプライアンスのベースハードウェア用途での利用が期待されている。
参考価格(税込)は59,800円~。主な仕様は以下の通り。
CPU ARMADA XP 1.33GHz デュアルコア
メインメモリ 1GB(DDR3)
Flash ROM 128MB(NOR)
インターフェース 内部SATAポート×1(2.5inch HDD/SSD、HalfSlim SSDを内蔵可 ※別途マウントキットが必要)
外部eSATA ポート×1
1000BASE-T×4(OBSAX3/2/*は×2)
USB 2.0×2
RS232C×2
mini-PCI Express x1スロット×1(OBSAX3/4/*のみ)
SO-DIMMスロット×1 最大2GB追加可(OBSAX3/4/*のみ)
筐体サイズ 101.0(W)×142.1(D)×41.0(H)mm(ゴム足含まず)
重量(本体のみ) 約370g ( OBSAX3/2/*は約350g)
動作条件 温度0~45℃、湿度20~80%Rh(結露なきこと/ACアダプタ含)
電源 ACアダプタ12V
消費電力 アイドル時 10.0W/最大 13.0W
( OBSAX3/2/*はアイドル時 9.0W / 最大 12.0W)
OS Debian GNU/Linux 6.0
保証 無償修理期間1年間(※添付品は出荷日より30日間、欠品の充当または初期不良交換のみ)
OpenBlocks AX3
URL:http://openblocks.plathome.co.jp/products/ax3/
OpenBlocks A6
CPUとしてシングルコアARMADA 310 600MHz(ベースアーキテクチャ:ARM9)を搭載、ギガビットEthernet×1ポートとオンボード512MBのメインメモリをもつ。
導入コストを抑えてARMアーキテクチャのエネルギー効率や安定性などを享受できるモデル。センサーデバイスや計測器の観測・制御、ネットワークインフラ系サービスの導入・運用、データロギング、M2M用途に向けたモデル。
参考価格(税込)は36,800円~。主な仕様は以下の通り。
CPU ARMADA 310 600MHz
メインメモリ 512MB(DDR2)
Flash ROM 64MB(NAND)
インターフェース 内部SATAポート×1(2.5inch HDD/SSD、HalfSlim SSDを内蔵可 ※*別途、接続ケーブルが必要)
1000BASE-T×1
USB 2.0×1
RS232C×2
筐体サイズ 81.0(W)×114.5(D)×36.0(H)mm(ゴム足含まず)
重量 約205g
動作条件 温度0~55℃、湿度20~80%Rh(結露なきこと/ACアダプタ含)
電源 ACアダプタ 5V
消費電力 アイドル時 4.5W/最大 6.0W
OS Debian GNU/Linux 6.0
保証 無償修理期間1年間(※添付品は出荷日より30日間、欠品の充当または初期不良交換のみ)
OpenBlocks A6
URL:http://openblocks.plathome.co.jp/products/a6/
ARMコア採用で活用規模を拡大した新しいEasyBlocks
EasyBlocksは、常時稼働するネットワーク管理サービスを専用アプリケーションを使って手間なく構築でき、手放しで運用を続けられるサーバアプライアンス製品。このEasyBlocksシリーズに、ARMコアと高スループットを備えた新ハードウェア採用モデル3機種が追加された。従来のEasyBlocksに比べて、さらに大規模なネットワーク環境での活用が可能とのこと。
EasyBlocksシリーズに追加されたラインナップは次の3モデル。
EasyBlocks Enterprise
EasyBlocks Enterpriseは、RADIUS・DHCP・DNS・NTP・Syslog・Proxy・監視管理の各サービスがインストールされ、簡単に立ち上げ運用可能なアプライアンス。ARMコア採用のほか、( 株)インターネットイニシアティブ(IIJ)のSACM(Service Adapter Control Manager)を基盤としたサービス一元管理機能などを備えたPRCM(リモートコントロールマネージャー)も新たに実装可能(有償オプション) 。
価格はオープン(年間サポートサービスへの加入が必須) 。主なソフトウェア仕様は以下の通り。
サービス プロトコルエンジン 性能指標 適用可能規模(目安)
DHCP ISC DHCP 4.1.x 500leases/sec 端末3,000台程度
DNS ISC BIND 9.7.x 5,000queries/sec 端末3,000台程度の内部DNS、外部DNS
NTP NTP 4.2.x - 端末3,000台程度
Syslog Syslog-ng 3.1.x 4,000lines/sec ログの受信量による
Proxy Squid 2.7.x 170Mbps 端末300台程度
監視管理 Nagios 3.x - 監視対象300台程度
RADIUS FreeRADIUS 2.1.x 1,700requests/sec 3,000アカウント程度
EasyBlocks Webキャッシング向けProxyモデル
従来のEasyBlocksで選択できたProxy機能へのニーズに応えるかたちで、WebキャッシングProxy機能に特化させた製品。Webアクセスに対し本体メモリ上のキャッシュ領域から即座に応答するWebコンテンツキャッシングを実現する。多数のユーザが同じサイトを同時閲覧する場合など、アクセス集中で速度の低下したネットワークに導入することで、応答遅延やアクセスエラーを回避できる。
USBメモリに格納した設定情報を挿し替えるだけで別の機材に設定を移行可能。万一プラグ抜けが起きても挿し直し起動するだけでサービス停止前と同じく稼働できる。
価格はオープン。Proxyの仕様は以下の通り。
スループット 最大約170Mbps
適用可能規模(目安) 端末300台程度
キャッシュ領域 2048MB(RAMディスク)
ログ領域 256MB(RAMディスク)
EasyBlocks Webフィルタリング向けProxyモデル powered by i-FILTER
小規模・中規模ネットワークにおいて、手間をかけずに必要十分なWebフィルタリングを導入できる製品。フィルタリングのエンジンとしてデジタルアーツ社のi-FILTERを採用、Webページにアクセスするとデジタルアーツのサイトに問い合わせが行き、同社のサイト情報を元にフィルタリングが行われる。
価格はオープン(年間サポートサービスへの加入が必須、次年度以降ライセンスの更新が必要) 。仕様は以下。
フィルタリングエンジン i-FILTER ARS サーバー
適用可能規模(目安) 約250台
キャッシュ領域 1536MB(RAMディスク)
ログ領域 256MB(RAMディスク)
判定結果キャッシュ領域 256MB
対応ブロック方式 カテゴリ、ブラックリスト、ホワイトリスト、POST、ファイルアップロード
ハードウェア仕様(3モデル共通)は以下の通り。
CPU ARMコア採用(詳細は非公開)
インターフェース 1000BASE-T × 4
USB 2.0×2
外部e-SATA ポート×1
RS232C×2(コンソール用アダプタ・ケーブル各1 個標準付属)
ストレージ SSD 20GB(EasyBlocks Enterprise のみ)
筐体サイズ 194(W)×179(D)×42.0(H)mm(ゴム足含まず)
重量 約1,150g
動作条件 温度0~50℃、湿度20~80%Rh(結露なきこと)
電源 内蔵100V
消費電力 アイドル時10.0W/最大13.0W(EasyBlocks Enterpriseは最大15.5W)
保証 無償修理期間1年間(※添付品は弊社出荷日より30 日間、欠品の充当、または初期不良交換のみ)
EasyBlocksシリーズでは、今後もオープンソースソフトウェアや他社ソフトウェアをエンジンとして採用した、新しいモデルを開発・発表予定という。また使えるメニューをパッケージしたサポートサービスも提供。ユーザ向けの「基本サービス」では、ソフトウェアやOS、また導入をサポートする専用サポートデスク、および先出センドバック修理などが利用可能。SIer向け「パートナーサポートサービス」では保証対象範囲の拡張、仕様変更・終息・ファーム更新情報の案内といったサービスを提供する。さらにオンサイトやプリインストール、設定・設置などの対応を行う拡張サービスも別途申込みで利用可。
EasyBlocks
URL:http://openblocks.plathome.co.jp/products/eb/